児童相談所の一時保護と28条審判 — 保護者側でできること(守谷・取手・つくばみらい・龍ケ崎)

家族法 · 児童福祉

児童相談所の一時保護と28条審判
— 保護者側でできること(守谷・取手・つくばみらい・龍ケ崎)

令和7年6月1日から始まった司法審査(一時保護状)にも触れて解説します
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:家族法(離婚・親権・子の監護)、児童福祉法に関する家事事件、刑事弁護、交通事故
守谷市・取手市・つくばみらい市など茨城県南部で、お子さんが児童相談所に一時保護された保護者の方へ。一時保護は児童福祉法に基づく行政上の措置で、令和7年6月1日からは、親権者等の同意がない場合に裁判官の「一時保護状」を必要とする司法審査の仕組みが始まっています。この記事では、一時保護の期間、面会・通信の制限、児童福祉法28条の承認審判までを、条文に沿って順に整理します。
一時保護・28条審判で弁護士に相談すべき3つのケース
1
一時保護決定通知書は受け取ったが、理由や今後の見通しの説明が十分に理解できないまま日数が経っている
通知書と経過を整理し、児童福祉法上どの段階にあるのか、次にどの手続が来るのかをご説明できます。
2
児童相談所から施設入所や在宅での指導について話が出ているが、同意してよいか判断がつかない
同意する場合としない場合とで、その後に進む手続が変わります。それぞれの選択肢と見通しを整理できます。
3
家庭裁判所から承認の申立てや審判期日に関する書類が届いた
茨城県南部では水戸家庭裁判所の龍ケ崎支部・土浦支部・下妻支部が窓口になります。陳述の聴取や即時抗告など、期間の定めのある手続が含まれます。
上記のいずれかに当てはまる場合は、状況を整理するところから弁護士がお手伝いできます。まずはお気軽にお問い合わせください。
— 児童相談所対応・子どもの手続に関するご相談を承っています —
📞 050-3623-1320 📧 メールで相談
弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q 児童相談所に子どもを連れて行かれました。これは何という手続ですか。
A
結論として、児童福祉法33条に基づく「一時保護」という行政上の措置です。親権を失ったわけでも、施設入所が決まったわけでもありません。

一時保護とは、児童相談所長または都道府県知事が、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、または児童の心身の状況・その置かれている環境その他の状況を把握するために、児童を一時的に保護する措置のことです。児童相談所が単独で開始することができ、開始の時点で家庭裁判所の判断を経ているわけではありません。

【根拠】児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条第1項
「児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるとき、少年法第六条の六第一項の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であつて、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。」

一時保護は、行政機関である児童相談所が行う措置です。配偶者が子どもを連れて別居したときに問題になる監護者の指定や子の引渡しの手続とは、根拠となる法律も進み方も異なります。夫婦間で子どもの監護が問題になっている場合については、別居の際に子どもを連れて行かれたときもご参照ください。

一時保護が始まった段階では、まだ施設入所等の措置が決まったわけではありません。以後の手続は、法律が定めた期間の区切りごとに段階を追って進みます。
Q 一時保護に裁判所は関わるのですか。
A
結論として、令和7年6月1日から、親権者等の同意がないまま一時保護を行う場合には、児童相談所長等が開始から7日以内に裁判官へ「一時保護状」を請求しなければならないことになりました(児童福祉法33条3項)。

令和4年法律第66号「児童福祉法等の一部を改正する法律」により、一時保護の開始時の司法審査が導入され、令和7年6月1日から施行されています。児童相談所長または都道府県知事は、一時保護を行うときは、同法33条1項に規定する場合に該当し、かつ一時保護の必要があると認められる資料を添えて、その所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所・家庭裁判所または簡易裁判所の裁判官に一時保護状を請求しなければなりません。開始する前にあらかじめ請求することも妨げられません。

もっとも、次の3つの場合は請求が不要とされています(児童福祉法33条3項各号)。

【根拠】児童福祉法第33条第3項各号
一 当該一時保護を行うことについて当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の同意がある場合
二 当該児童に親権を行う者又は未成年後見人がない場合
三 当該一時保護をその開始した日から起算して七日以内に解除した場合

裁判官は、児童福祉法33条1項に規定する場合に該当すると認めるときは一時保護状を発します。ただし、明らかに一時保護の必要がないと認めるときは、この限りでないとされています(同条4項)。請求が却下されたときは、児童相談所長等は速やかに一時保護を解除しなければなりません(同条7項本文)。ただし、一時保護を行わなければ児童の生命または心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、却下の裁判があった日の翌日から起算して3日以内に限り、その裁判の取消しを請求することができます(同項ただし書)。

1
一時保護の開始
児童福祉法33条1項・2項。児童相談所の判断で開始される。
2
7日以内に一時保護状を請求
33条3項。親権者等の同意があるとき等は請求されない。
3
裁判官が発付または却下
33条4項。却下されたときは速やかに解除(同条7項)。
— 一時保護の開始から司法審査までの流れ —
3項1号にご注意ください。保護者が一時保護に同意している場合、そもそも一時保護状の請求は行われません。児童相談所から同意を求められたときに、その書面がどの手続についての同意なのかを確認しないまま署名すると、その後に進む手続が変わることがあります。
Q 一時保護はいつまで続きますか。2か月で終わるのですか。
A
結論として、一時保護の期間は開始日から2か月を超えてはならないのが原則です(児童福祉法33条12項)。ただし引き続き行うことができ、それが親権者等の意に反する場合には、2か月ごとに家庭裁判所の承認が必要になります。

条文の構造は次のとおりです。まず33条12項が「第一項及び第二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から二月を超えてはならない。」と定めます。次に同条13項が、これにかかわらず、必要があると認めるときは引き続き一時保護を行うことができるとしています。

そのうえで同条14項が、引き続き一時保護を行うことが親権者または未成年後見人の意に反する場合には、引き続き行おうとするとき、および引き続き行った後さらに2か月を超えて行おうとするときごとに、家庭裁判所の承認を得なければならないと定めています。つまり、保護者が反対している限り、おおむね2か月ごとに家庭裁判所の判断を経る建て付けです。

【根拠】児童福祉法第33条第14項(本文)
「前項の規定により引き続き一時保護を行うことが当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合においては、児童相談所長又は都道府県知事が引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行つた後二月を超えて引き続き一時保護を行おうとするときごとに、児童相談所長又は都道府県知事は、家庭裁判所の承認を得なければならない。」

この「引き続いての一時保護についての承認の審判事件」は、児童の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属します(家事事件手続法(平成23年法律第52号)第234条)。

なお、児童相談所長等が承認の申立てをした場合において、やむを得ない事情があるときは、2か月を経過した後も、その申立てに対する審判が確定するまでの間は引き続き一時保護を行うことができるとされています(児童福祉法33条15項本文)。期間が形式的に過ぎれば自動的に子どもが帰ってくる、という仕組みではありません。
Q 子どもに会わせてもらえません。会えないのは問題ないのですか。
A
結論として、児童虐待の防止等に関する法律12条が、一定の要件のもとで面会・通信の制限を認めています。法律上の根拠があるため、面会できないこと自体が直ちに違法とはいえません。

児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)12条1項は、児童福祉法27条1項3号の措置(施設入所等の措置)が採られ、または同法33条1項・2項の一時保護が行われた場合において、児童虐待の防止および児童虐待を受けた児童の保護のため必要があると認めるときは、児童相談所長等が、児童虐待を行った保護者について、当該児童との面会および通信の全部または一部を制限することができると定めています。

また同条3項は、一時保護が行われている児童に対して保護者が児童虐待を行った疑いがあると認められる場合で、面会または通信を認めたとすれば児童の心身に有害な影響を及ぼすおそれが大きいと認めるときにも、制限ができるとしています。さらに同条4項・5項は、一定の場合に、児童相談所長は保護者に対して児童の住所または居所を明らかにしないものとする、と定めています。

制限できるかどうかは、「必要があると認めるとき」「有害な影響を及ぼすおそれが大きいと認めるとき」といった要件の当てはめの問題です。制限の理由や範囲について児童相談所に説明を求め、制限の前提とされている事実関係に食い違いがあれば、その点を資料とともに整理して伝えておくことが、後の家庭裁判所の手続でも意味を持ちます。
Q 児童相談所から施設入所の話が出ました。同意しないとどうなりますか。
A
結論として、施設入所等の措置は親権者等の意に反して採ることができません(児童福祉法27条4項)。保護者が同意しない場合、都道府県は家庭裁判所の承認を得る必要があり、これが「28条審判」と呼ばれる手続です。

児童福祉法27条1項3号の措置とは、児童を小規模住居型児童養育事業を行う者もしくは里親に委託し、または乳児院・児童養護施設・障害児入所施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設に入所させることをいいます。この措置は、児童に親権を行う者または未成年後見人があるときは、少年法18条2項による送致があった場合(同条3項)を除き、その意に反して採ることができません(同条4項)。

【根拠】児童福祉法第28条第1項柱書・第1号
「保護者が、その児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において、第二十七条第一項第三号の措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは、都道府県は、次の各号の措置を採ることができる。
一 保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは、家庭裁判所の承認を得て、第二十七条第一項第三号の措置を採ること。」

この審判について、保護者の側が押さえておきたい点を整理すると次のとおりです。

項目 内容と根拠条文
管轄 児童の住所地を管轄する家庭裁判所(家事事件手続法234条)
陳述の聴取 申立てが不適法なとき等を除き、児童を現に監護する者・親権を行う者・未成年後見人・児童(15歳以上)の陳述を聴かなければならない(家事事件手続法235条・236条1項)
措置の期間 承認を得た措置の期間は開始日から2年を超えてはならない。更新には改めて家庭裁判所の承認が必要(児童福祉法28条2項)
裁判所の勧告 家庭裁判所は都道府県に対し、期限を定めて保護者への指導措置を採るよう勧告すること等ができる(児童福祉法28条4項)
不服申立て 承認の審判に対し、児童を現に監護する者・親権を行う者・未成年後見人が即時抗告できる(家事事件手続法238条1項1号)。期間は2週間の不変期間(同法86条1項)
— 児童福祉法28条の承認審判で押さえる5つのポイント —
⚠️ 即時抗告の2週間は不変期間です。家庭裁判所からの書類は、封筒ごと保管し、受け取った日付を控えておいてください。
Q 保護者の側から取れる手続には、どのようなものがありますか。
A
結論として、①児童相談所との協議、②家庭裁判所の手続での陳述・資料の提出、③行政上の不服申立てや取消訴訟、という3つの筋があります。どれを選ぶかは、いま手続のどの段階にあるかによって変わります。

① 児童相談所との協議
一時保護の理由、児童相談所が問題としている事実、家庭復帰に向けて求められている条件を確認し、認識に食い違いがあれば、その点を資料を添えて伝えることになります。児童相談所は子どもの安全確保を任務とする行政機関であり、家庭復帰に向けた協議も同じ窓口で進みます。

② 家庭裁判所の手続での主張
引き続いての一時保護についての承認(児童福祉法33条14項)や28条の承認の審判では、児童を現に監護する者・親権を行う者・未成年後見人の陳述を聴かなければならないとされています(家事事件手続法236条1項)。ここで提出する資料や述べる内容が、裁判所の判断の基礎になります。

③ 行政上の不服申立て・取消訴訟
一時保護は行政上の措置であるため、行政不服審査法に基づく審査請求や、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を検討する余地があります。もっとも、一時保護には2か月という期間の区切りがあり(児童福祉法33条12項)、その間に家庭裁判所の承認手続が進むことがあるため、②との関係でどちらに力を割くかを含めた検討が必要になります。

⚠️ ②③には期間の定めがあるものが含まれます。特に審判に対する即時抗告は2週間の不変期間です(家事事件手続法86条1項)。書類を受け取った日付は必ず控えておいてください。

弁護士に依頼した場合は、通知書と経過の整理、児童相談所との連絡・協議、家庭裁判所に提出する書面の作成といった対応を代理して行うことになります。結果をお約束できる性質の手続ではありませんが、いま手続のどの段階にあり、どの選択肢が残っているのかを整理するところからお手伝いできます。

Q 守谷市・取手市・つくばみらい市だと、どの児童相談所と家庭裁判所になりますか。
A
結論として、守谷市・取手市・つくばみらい市などは土浦児童相談所、常総市・坂東市などは筑西児童相談所の管轄です。家庭裁判所は児童の住所地により、水戸家庭裁判所の龍ケ崎支部・土浦支部・下妻支部に分かれます。
お住まいの市 児童相談所 家庭裁判所
守谷市・取手市・龍ケ崎市・牛久市 土浦児童相談所 水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部
つくばみらい市・つくば市・土浦市 土浦児童相談所 水戸家庭裁判所 土浦支部
常総市・坂東市・下妻市 筑西児童相談所 水戸家庭裁判所 下妻支部
— 茨城県南部・県西部の対応窓口 —

土浦児童相談所は土浦市下高津3丁目14番5号、筑西児童相談所は筑西市二木成615にあります。承認の審判事件の管轄は、児童の住所地を管轄する家庭裁判所です(家事事件手続法234条)。

なお、一時保護状の請求先は、児童相談所長等が所属する官公署の所在地を管轄する地方裁判所・家庭裁判所または簡易裁判所の裁判官とされています(児童福祉法33条3項)。同じ一時保護に関する手続でも、一時保護状の請求先と、承認の審判を扱う裁判所とでは、条文上の基準が異なります。

茨城県南部の実情から

守谷市・つくばみらい市は、つくばエクスプレスの開業以降に人口が増えた地域で、都内へ通勤する共働きの子育て世帯が多く暮らしています。転入してきた世帯では近くに親族が住んでいないことも多く、一時保護が始まったときに子どもを預かってもらえる親族がすぐには見つからない、平日の日中に手続のための時間をつくりにくい、といった事情が生じやすい面があります。

土浦児童相談所は土浦市下高津、水戸家庭裁判所龍ケ崎支部は龍ケ崎市4918にあり、いずれもTX沿線の市からは公共交通機関での移動に相応の時間がかかります。一方で、一時保護の期間や即時抗告の期間には法律上の区切りがあります。移動と日程の段取りを含めて早めに見通しを立てておくことが、実際に取れる選択肢の幅につながります。

CONTACT

一時保護や児童福祉法28条の承認審判は、期間の区切りが法律で定められている手続です。いまどの段階にあり、どの選択肢が残っているのかを、お手元の通知書と経過を拝見したうえでご説明します。守谷市・取手市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・常総市など、茨城県南部・千葉県北西部からのご相談に対応しています。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
📧 [email protected]
📞 050-3623-1320
お住まいの地域の法律相談ページ

守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・坂東市など、TX(つくばエクスプレス)沿線・常磐線沿線の地域からのご相談に対応しています。お住まいの地域のページもご覧ください。

守谷市の法律相談 › 取手市の法律相談 › つくばみらい市の法律相談 › 常総市の法律相談 › 坂東市の法律相談 › 弁護士 吉津和輝 トップページ ›
対応エリア

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部にお住まいの保護者の方から、児童相談所の一時保護・児童福祉法28条の承認審判に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。

更新履歴

2026年7月26日 初回公開(令和7年6月1日施行の一時保護時の司法審査に対応)

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)7月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年7月26日/最終更新日:2026年7月26日