結論として、解雇は法律上厳しく制限されており、判断前に弁護士への相談を強くおすすめします。
労働契約法(平成19年法律第128号)第16条は、解雇権濫用法理を定めています。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効になります。
【根拠】労働契約法第16条:「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
解雇する場合の手続面では、労働基準法第20条第1項により、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。予告期間と解雇予告手当を組み合わせることもでき、たとえば10日前に予告し20日分以上の解雇予告手当を支払う形も可能です。
【根拠】労働基準法第20条第1項:「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日以上の平均賃金を支払わなければならない」
さらに労働基準法第19条第1項は、業務上の負傷・疾病による休業期間中とその後30日間、産前産後の休業期間中とその後30日間の解雇を、原則として禁止しています(解雇制限)。
解雇予告手当を支払えば自由に解雇できる、という誤解は危険です。解雇予告手当の支払いは「手続要件」を満たすにすぎず、解雇そのものが労働契約法第16条の合理性・相当性を欠く場合は、依然として無効と判断されます。「予告手当を払うから辞めてくれ」という対応で訴訟になった場合、企業側が敗訴し、解雇後の賃金相当額(バックペイ)を支払う結果になることがあります。
解雇には、普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の3類型があり、それぞれ求められる要件が異なります。整理解雇では判例上、人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、手続の相当性の4要素が考慮されます。