吉津和輝(登録番号57714 茨城県弁護士会所属) 市川法律事務所に所属する弁護士です。
はじめに
離婚後、子どもと離れて暮らすことになった親が、子どもと会うことを親子交流といいます。
「離婚したら子どもと会えなくなるのか」「相手が面会を拒否している」「親子交流の条件はどう決めればいいのか」——離婚に関するご相談の中で、面会交流についての悩みは非常に多いです。
この記事では、親子交流の基本的な仕組みと取り決め方について解説します。
1. 親子交流とは
親子交流とは、離婚後に子どもと離れて暮らす親(非監護親)が、子どもと定期的に会ったり、連絡を取り合うことをいいます。
親子交流は子どもの権利
親子交流は、親のための権利である面もありますが、本質的には子どもが両親と関わる権利です。
裁判所は「特段の事情がない限り、親子交流を認めることが子の利益になる」という考え方を基本としています。
2. 親子交流の取り決め方
親子交流の条件は、父母の話し合い(協議)で自由に決めることができます。決まらない場合は、家庭裁判所の調停・審判で決めることになります。
取り決める主な内容
- 面会の頻度(月1回など)
- 面会の日時・場所
- 面会の時間
- 宿泊を伴うかどうか
- 電話・メール・ビデオ通話の可否
- 学校行事への参加の可否
- 子どもの引き渡し方法
できるだけ具体的に決めておくことで、後のトラブルを防げます。
公正証書への記載
親子交流の条件を公正証書に記載しておくことで、相手が約束を守らない場合の法的根拠になることもあります。
3. 親子交流を拒否できるケース
原則として親子交流は認められますが、子どもの利益を害する特段の事情がある場合には、制限・拒否できることがあります。
具体的には以下のようなケースです。
- 相手方が子どもに対して暴力・虐待を行っている
- 相手方が子どもを連れ去るおそれがある
- 子どもが親子交流を強く拒否していることが明確(特に子どもの年齢が高い場合)
- 面会交流が子どもの精神的健康を著しく害するおそれがあるなど。
- 単に「相手が嫌い」「離婚原因を作った相手に会わせたくない」という理由だけでは、親子交流を拒否することはできません。
4. 親子交流が守られない場合
相手が親子交流に応じない場合
取り決めた親子交流を相手が拒否する場合、以下の手段が存在します。なお、間接強制などの定めは最初の1回の親子交流調停で定まることはまれで、数回の調停(親子交流の不履行などを理由としたもの)を経て定められることが経験上多いです。
履行勧告:家庭裁判所が相手方に対して親子交流を行うよう勧告します。法的強制力はありませんが、相手方にプレッシャーを与える効果があります。
間接強制:裁判所が親子交流を拒否した場合に一定額の金銭を支払うよう命じる制度です。正当な理由なく親子交流を拒否し続ける場合に有効な手段です。もっとも、間接強制を行うための条項が細かく定められている必要があります。
審判・調停の申立て:親子交流の条件が決まっていない場合や、条件を変更したい場合は、家庭裁判所に調停・審判を申し立てることができます。
5. 親子交流と養育費の関係
「養育費を払わないから親子交流を拒否する」「親子交流をさせないから養育費を払わない」という話をよく聞きますが、親子交流と養育費は法的に別の問題です。
養育費の不払いを理由に親子交流を拒否することは認められませんし、親子交流の拒否を理由に養育費の支払いを止めることも認められません。
6. 子どもの意思の尊重
子どもの年齢・成熟度に応じて、子どもの意思も考慮されます。
10歳以上になると意思は尊重されますし、特に15歳になると、子ども自身の意思が強く尊重される傾向があります。
まとめ
親子交流は子どもの権利であり、原則として認められるものです。ただし子どもの利益を害する事情がある場合は制限されることもあります。
親子交流の条件はできるだけ具体的に決め、調停などで合意しておくことをお勧めします。
親子交流についてお悩みの方は、お早めに弁護士にご相談ください。
本サイトの記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。
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