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略式起訴・罰金とは|検察庁から呼び出しを受けたときの手続と前科への影響 —

YOSHITSU LAW · COLUMN

略式起訴・罰金とは
— 検察庁から呼び出しを受けたときの手続と前科への影響 —

守谷・取手・つくばみらい・常総エリアの方へ
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属(登録番号57714)/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:刑事弁護・少年事件・交通事故・家族法
守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市など茨城県南部にお住まいの方へ。警察での取調べが一段落したあと、検察庁から電話や封書で呼び出しの連絡が届くことがあります。この記事では、検察庁からの呼び出しの意味と、比較的軽微な事件で用いられる「略式起訴(略式手続)」・罰金の流れ、前科への影響について、当職が条文に基づいて解説します。
検察庁からの呼び出しで弁護士に相談すべき3つのケース
1 検察庁から呼び出しの通知が届いたが、何の手続か分からない 呼び出しの目的(取調べか、略式手続の説明か)と今後の見通しを整理してご説明できます。
2 検察庁から呼び出され、略式手続(罰金)になりそうだと言われている 同意の確認は出頭したその場で行われるのが通常です。示談などの弁護活動には相応の時間がかかるため、通知が届いた時点で、できるだけ早くご相談ください。
3 被害者のいる事件で、処分が決まる前に示談を進めたい 守谷・取手エリアの事件でも、検察官の処分決定前であれば示談交渉に着手できる場合があります。

上記のいずれかに当てはまる場合は、状況を整理するところから当職がお手伝いできます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q 検察庁から呼び出しの通知が来ました。何のための呼び出しですか?行かないとどうなりますか?
A
結論として、在宅事件の被疑者としての取調べや、処分を決める前の最終確認・略式手続の説明のために呼び出されるのが一般的です。

逮捕・勾留されずに捜査が進む事件(在宅事件)では、警察での捜査が終わると、事件の記録が検察庁に送られます。検察官は、起訴するか、不起訴とするかを判断するにあたり、被疑者本人を検察庁に呼び出して取調べを行うことがあります。呼び出しの方法は、電話・ハガキ・封書などさまざまです。

逮捕・勾留されていない被疑者には、法律上の出頭義務はありません。刑事訴訟法上、出頭を拒むことも、出頭後にいつでも退去することもできるとされています。もっとも、正当な理由なく呼び出しに応じない状態が続くと、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕による身柄拘束の手続に切り替わる可能性があります。日程の都合がつかない場合は、放置せず、担当の検察官(検察事務官)に連絡して日程を調整するのが現実的です。

【根拠】刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第198条1項:「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。」

検察庁からの呼び出しの段階は、起訴・不起訴・略式といった処分が決まる直前の局面であることが多いといえます。被害者のいる事件では、処分の判断にあたり示談の成否が考慮される場合があります。示談の基礎知識は「刑事事件の示談とは・示談金の相場」もご参照ください。

Q 略式起訴(略式手続)とは何ですか?通常の裁判と何が違いますか?
A
結論として、略式起訴とは、検察官の請求により、簡易裁判所が公開の法廷での審理を行わず、書面審理だけで100万円以下の罰金又は科料を科す「略式命令」を求める起訴の方法です。

略式手続とは、簡易裁判所の管轄に属する比較的軽微な事件について、正式な公判(法廷での裁判)を開かずに、検察官から提出された書面の審査だけで刑を決める手続のことです。被告人として法廷に出廷する必要がなく、手続が短期間で終わる一方、法廷で言い分を述べる機会はありません。

この手続をとるには、被疑者本人の同意が必要です。検察官は、略式命令を請求する前に、略式手続の内容を説明し、通常の裁判を受けられることを告げたうえで、異議がないかどうかを確認しなければならず、異議がない場合、被疑者は書面でその旨を明らかにします。検察庁での取調べの際に、この説明と同意書面への署名を求められるのが一般的な流れです。なお、略式命令では、刑の執行猶予を付けることも法律上可能とされています。

同意するかどうかの確認は、検察庁に出頭したその場で行われるのが通常です。その場で初めて考え始めても、判断のための時間はほとんど取れません。また、被害者のいる事件で示談を目指す場合、検察官を通じた被害者への連絡や交渉には相応の時間がかかるため、出頭直前のご相談では処分までに間に合わないことがあります。検察庁から呼び出しの通知が届いたら、出頭日を待つのではなく、届いた時点でできるだけ早く弁護士へご相談ください。
【根拠】刑事訴訟法第461条:「簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。」/同法第461条の2第1項:「検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。」
1
説明・同意確認
検察庁で略式手続の説明を受け、異議がなければ書面に署名
2
略式命令の請求
検察官が起訴と同時に簡易裁判所へ書面で請求
3
略式命令・罰金納付
簡易裁判所が書面審理で略式命令。告知を受けたら罰金を納付
— 略式手続のおおまかな流れ —
項目 略式手続 正式裁判(公判)
審理の方法 書面審理のみ 公開の法廷で審理
出廷 法廷への出廷は不要 被告人として出廷が必要
科される刑 100万円以下の罰金又は科料 法定刑の範囲内の刑(拘禁刑等を含む)
言い分を述べる機会 法廷で述べる機会はない(本人の同意が前提) 法廷で主張・立証ができる
— 略式手続と正式裁判の主な違い —
Q 略式手続に同意して罰金を納めると、前科はつきますか?
A
結論として、前科はつきます。罰金も刑罰であり、略式命令が確定すると、確定判決と同一の効力が生じます。

略式命令は、正式裁判の請求期間(告知から14日)の経過などにより、確定判決と同一の効力を生じます。つまり、法廷に一度も行かずに手続が終わっても、法律上は有罪の裁判が確定した場合と同じ扱いになり、罰金刑の前科がつきます。

なお、罰金以下の刑については、刑の執行を終わり又は執行の免除を得た後、罰金以上の刑に処せられないで5年を経過すると、刑の言渡しは効力を失うとされています(刑の消滅)。前科が就職・資格・海外渡航等に与える影響については、「前科がつくとどうなるのか」で詳しく解説しています。

【根拠】刑事訴訟法第470条:「略式命令は、正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。」/刑法(明治40年法律第45号)第34条の2第1項後段:「罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。」
⚠️ 略式手続は「出廷しなくてよいから」と手軽に感じられがちですが、前科がつく点は正式裁判で罰金刑を受けた場合と同じです。事実関係に争いがある場合や、処分の内容に納得できない場合には、同意の書面に署名する前に弁護士に相談することをおすすめします。
Q 罰金はいくらになりますか?払えない場合はどうなりますか?
A
結論として、略式命令で科される罰金は100万円以下の範囲内で、具体的な金額は罪名(各罪の法定刑)と事案の内容によって決まります。納付できない場合、労役場留置となることがあります。

罰金の額は、その罪の法定刑の範囲内で、事案の内容・前科前歴の有無・被害弁償や示談の状況などを踏まえて決められます。事案ごとに異なるため、一律の金額を示すことはできません。罰金は、略式命令の告知後、検察庁からの納付の案内に従って納付するのが一般的です。

罰金を完納できない場合は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置されることがあります。労役場留置の期間と1日当たりの換算額は、罰金の言渡しの際にあわせて定められます。一括での納付が難しい事情がある場合には、検察庁の徴収担当に相談できる場合がありますので、納付の案内に記載された窓口に早めに問い合わせることをおすすめします。

【根拠】刑法第18条1項:「罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。」/同条4項:「罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。」
Q 略式命令に納得できない場合はどうすればよいですか?
A
結論として、略式命令の告知を受けた日から14日以内であれば、正式裁判の請求ができます。

正式裁判の請求をすると、事件は通常の公判手続で審理され、公開の法廷で主張・立証をする機会が与えられます。請求は、略式命令をした裁判所に書面で行います。また、正式裁判の請求は、第一審の判決があるまで取り下げることができます。

14日の請求期間が経過すると、略式命令は確定判決と同一の効力を生じ、原則として争えなくなります。そもそも事実関係や処分内容に納得できていないのであれば、略式命令が出た後ではなく、検察庁での同意確認の段階で異議を述べる(同意しない)ことも選択肢です。本来は、呼び出しの通知が届いた段階で弁護士に相談し、同意するかどうかの方針を決めてから出頭するのが望ましい進め方です。仮に方針を決めないまま出頭してしまった場合でも、その場で必ず署名しなければならないわけではなく、署名を保留して持ち帰ることも考えられます。

【根拠】刑事訴訟法第465条1項:「略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。」/同法第466条:「正式裁判の請求は、第一審の判決があるまでこれを取り下げることができる。」
Q 守谷市・取手市の場合、どこの検察庁・裁判所が担当しますか?
A
結論として、裁判所ウェブサイトの管轄区域表によれば、守谷市・取手市・利根町の事件を扱う簡易裁判所は取手簡易裁判所、地方裁判所は水戸地方裁判所龍ケ崎支部です。

略式命令を出すのは簡易裁判所です。茨城県南部の主な地域と裁判所の対応関係は次のとおりです(裁判所ウェブサイト「茨城県内の管轄区域表」による)。

お住まい・事件地の例 簡易裁判所 地方裁判所
守谷市・取手市・利根町 取手簡易裁判所(取手市取手3-2-20) 水戸地裁龍ケ崎支部
つくばみらい市・つくば市・土浦市 土浦簡易裁判所 水戸地裁土浦支部
龍ケ崎市・牛久市 龍ケ崎簡易裁判所 水戸地裁龍ケ崎支部
常総市 下妻簡易裁判所 水戸地裁下妻支部
坂東市 古河簡易裁判所 水戸地裁下妻支部
— 茨城県南部の主な管轄(裁判所ウェブサイトによる) —

検察庁については、検察庁ウェブサイトによれば、取手区検察庁は水戸地方検察庁土浦支部(土浦市中央2丁目16番7号)に、龍ケ崎区検察庁は水戸地方検察庁龍ケ崎支部(龍ケ崎市4918番地)に置かれています。守谷市・取手市の方でも、呼び出し先が土浦市内の庁舎になる場合があります。実際の呼び出し先は事件を担当する庁によって異なるため、届いた通知に記載された庁舎名・住所・電話番号を必ずご確認ください。

出頭日時の変更を希望する場合や、体調・仕事の事情がある場合は、通知に記載された担当者(検察官・検察事務官)に事前に連絡すれば、日程を調整してもらえることがあります。無断で行かないという対応は避けてください。
守谷・取手エリアの実情

守谷市・取手市はつくばエクスプレス(TX)や常磐線で都内へ通勤する方が多い地域ですが、検察庁・裁判所の窓口は土浦市・龍ケ崎市・取手市などにあり、出頭は平日の日中に行われるのが通常です。呼び出しに応じるには半日単位で仕事を調整する必要が生じることも少なくありません。当職の事務所は守谷市内(TX守谷駅からアクセス可能なエリア)にあり、TX沿線・常磐線沿線にお住まいの方の在宅事件のご相談に、平日夜間の時間調整も含めて柔軟に対応するよう努めています。

CONTACT

検察庁からの呼び出しを受けた段階は、起訴・不起訴・略式といった処分が決まる前の重要な局面です。当職は、事案の内容と手続の段階をお聞きした上で、見通しと取り得る選択肢をご説明します。示談などの弁護活動には相応の時間が必要ですので、呼び出しの通知を受け取ったら、出頭日を待たず、できるだけ早い段階でご相談ください。初回のご相談は面談またはZoomで承っています。

弁護士 吉津和輝
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更新履歴

2026年7月23日:記事公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)7月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年7月23日|最終更新日:2026年7月23日