相続問題のブログ
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2026/04/10
ビットコイン・暗号資産の相続・弁護士ができること・守谷市・つくばみらい市・つくば市・常総市・取手市などの相続・弁護士吉津和輝
相続・デジタル遺産
ビットコイン・暗号資産の相続・弁護士ができること・守谷市・つくばみらい市・つくば市・常総市・取手市などの相続・弁護士吉津和輝
弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)市川法律事務所に所属する弁護士です。
ビットコインをはじめとする暗号資産は、相続財産になります。しかし、通常の預貯金や不動産とは異なり、「どこに資産があるかわからない」「価格が日々変動する」「秘密鍵が見つからない」といった特有の問題が生じます。このページでは、暗号資産の相続において弁護士が何をできるかを中心に解説します。
Qそもそもビットコイン・暗号資産は相続の対象になりますか?
A
はい、相続の対象になります。暗号資産は、資金決済に関する法律(資金決済法)において「財産的価値」として定義されており(同法第2条第14項)、民法第896条に基づき、被相続人が死亡した時点から相続人に承継されます。
ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)等、いずれも相続財産として扱われます。国内の取引所(コインチェック、ビットフライヤー等)に預けている暗号資産は、口座を通じた相続手続が必要です。一方、自分でウォレットを管理している場合(いわゆるセルフカストディ)は、秘密鍵の管理が相続上の最大の課題となります。
ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)等、いずれも相続財産として扱われます。国内の取引所(コインチェック、ビットフライヤー等)に預けている暗号資産は、口座を通じた相続手続が必要です。一方、自分でウォレットを管理している場合(いわゆるセルフカストディ)は、秘密鍵の管理が相続上の最大の課題となります。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第896条:「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」/資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第14項:暗号資産を「財産的価値」として定義。
評価基準時は手続によって異なります。相続税の申告においては、暗号資産は死亡日時点の時価で評価します(取引所の公表レートが基準)。一方、遺産分割(相続人間での分け合い)においては、分割時点(現在の価値)を基準とするのが原則です。暗号資産は価格変動が大きいため、相続開始から遺産分割までの間に時価が大きく変動した場合、相続税評価額と遺産分割時の評価額が乖離することがあります。この点は実務上も注意が必要です。
Q故人がどの取引所を使っていたかわかりません。どうやって調べればいいですか?
A
暗号資産の保管場所は大きく3つに分かれており、それぞれ調査方法が異なります。
まずご自身でできる調査から始めることをお勧めします。以下の方法が有効です。
自分では全く手がかりがつかめない場合、弁護士会照会(弁護士法第23条の2)を活用できる場合があります。弁護士会照会は、弁護士会を通じて公務所・公私の団体に対し必要な事項の報告を求める制度であり、照会を受けた者には報告義務が生じます。相続事件における被相続人の財産調査を目的とする照会についても、個人情報保護法第27条第1項第1号の「法令に基づく場合」として活用できる場合があります。
ただし、相手方のプライバシー等の保護の観点から回答を拒否する場合があります。実務上は回答が得られない場合も少なくありません。特に海外の取引所については、国内法の適用が及ばないため、弁護士会照会でも対応が困難なことがあります。いずれの手段も活用できる場面はありますが、一定の限界があることを踏まえた上で対応を検討することが重要です。
| 保管場所 | 特徴 | 調査の難易度 |
|---|---|---|
| 国内取引所 | 銀行口座を通じた入出金記録が残る。相続手続窓口がある。 | 比較的調査しやすい |
|
海外取引所 (Binance・Bybit等) |
インターネットで簡単に開設可能。国内法が及ばない。 | 照会への回答が得られない場合が多い |
|
個人ウォレット (MetaMask等) |
第三者が関与しない。秘密鍵・シードフレーズで管理。 | 照会先が存在しないため直接調査が困難 |
- メール・受信トレイを確認する:取引所からの「入金通知」「ログイン通知」「本人確認完了」等のメールが残っていることがあります。
- スマートフォンのアプリを確認する:取引所の公式アプリがインストールされていれば手がかりになります。
- 確定申告書・税務資料を確認する:暗号資産の売却益は雑所得として申告義務があるため、過去の申告書に取引所名が記載されていることがあります。
- クレジットカード・銀行口座の明細を確認する:取引所への入金履歴が残っていることがあります。
- ブロックチェーンエクスプローラを確認する:ビットコインやイーサリアム等のパブリックチェーンは、全取引履歴が公開されています。アドレスが特定できれば、EtherscanやBlockchain.com等のサイトで残高・取引履歴を誰でも確認できます。ただし、アドレスから本人を特定することは通常できません。
自分では全く手がかりがつかめない場合、弁護士会照会(弁護士法第23条の2)を活用できる場合があります。弁護士会照会は、弁護士会を通じて公務所・公私の団体に対し必要な事項の報告を求める制度であり、照会を受けた者には報告義務が生じます。相続事件における被相続人の財産調査を目的とする照会についても、個人情報保護法第27条第1項第1号の「法令に基づく場合」として活用できる場合があります。
ただし、相手方のプライバシー等の保護の観点から回答を拒否する場合があります。実務上は回答が得られない場合も少なくありません。特に海外の取引所については、国内法の適用が及ばないため、弁護士会照会でも対応が困難なことがあります。いずれの手段も活用できる場面はありますが、一定の限界があることを踏まえた上で対応を検討することが重要です。
【根拠】弁護士法(昭和24年法律第205号)第23条の2:弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。/個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第27条第1項第1号:「法令に基づく場合」は第三者提供の例外とされる。
Q遺産分割の調停・審判になった場合、取引所への調査はできますか?
A
遺産分割調停・審判に移行した場合、裁判所を通じた調査嘱託(家事事件手続法第62条)を申し立てることが考えられます。裁判所が必要と認めた場合には、国内の暗号資産取引所に対して口座情報・取引履歴等の報告を求めることができます。
調査嘱託と弁護士会照会(Q2参照)は、それぞれ異なる段階・場面で活用できる手段です。
いずれの手段にも共通する限界として、以下の点があります。
調査嘱託と弁護士会照会(Q2参照)は、それぞれ異なる段階・場面で活用できる手段です。
| 手段 | 活用場面 | 主な特徴・留意点 |
|---|---|---|
|
弁護士会照会 (弁護士法第23条の2) |
調停前・調停中を含む任意の段階 | 個人情報保護法第27条第1項第1号の「法令に基づく場合」として活用できる場合がある。ただし照会先が回答を拒否する場合あり。 |
|
調査嘱託 (家事事件手続法第62条) |
調停・審判手続中 | 裁判所が必要と認めた場合に採用。申し立てれば当然に認められるものではなく、必要性を示す事情が求められる。 |
- 利用している取引所が特定できていない場合、網羅的に全取引所を調査することは困難です。
- 照会・嘱託に対して実際に回答するかどうかは、各取引所の対応によります。
- 海外の取引所については、国内法の適用が及ばないため対応が特に困難になります。
- 相続開始前に暗号資産が個人ウォレットへ移転されていた場合、取引所を経由した調査自体ができません。
⚠️ 「被相続人が暗号資産を持っていたはずだ」という主張だけでは調査を進めることが困難になる場合があります。メール履歴・スマートフォンのアプリ・確定申告書の雑所得欄など、何らかの手がかりを把握した上で調査手段を検討することが重要です。
【根拠】家事事件手続法(平成23年法律第52号)第62条:「家庭裁判所は、必要な調査を官庁、公署その他適当と認める者に嘱託し、又は銀行、信託会社、関係人の使用者その他の者に対し関係人の預金、信託財産、収入その他の事項に関して必要な報告を求めることができる。」
Q暗号資産の評価額や分け方について相続人間で揉めた場合、弁護士は何ができますか?
A
暗号資産の遺産分割は、以下の点で通常の財産よりも争いが生じやすい傾向があります。
弁護士は、こうした問題が生じた場合に以下の対応ができます。
| 問題となりやすい論点 | 内容 |
|---|---|
| 評価時点の争い | 遺産分割における評価は分割時点(現在価値)が原則です。ただし暗号資産は価格変動が激しく、相続開始時と分割時で価値が大きく乖離することがあります。価格が上昇した場合も下落した場合も、いずれの時点を評価基準とするかについて争いの原因になりうる。 |
| 分割方法の争い | 現物(コイン)で分けるのか、換価して金銭で分けるのかで意見が対立することがある。 |
| 管理者の問題 | 相続開始後、誰が暗号資産を管理するか(誰が取引所アカウントを保管するか)が不明確になりやすい。 |
| 含み損の帰属 | 相続開始後に価格が下落した場合、その損失を誰が負担するかで争いが生じることがある。 |
- 遺産分割協議の代理交渉:相続人の一方の代理人として、評価額・分割方法について他の相続人と交渉します。
- 遺産分割調停の申立て・対応:協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、または相手方の申立てに対応します。調停でまとまらない場合は審判に移行します(家事事件手続法第272条第4項)。
- 法的主張の整理:評価時点・分割方法について、裁判所に対して適切な主張・立証を行います。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第906条:「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」/家事事件手続法(平成23年法律第52号)第272条第4項:「第一項の規定により別表第二に掲げる事項についての調停事件が終了した場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。」(遺産分割は別表第二に掲げる事項に該当するため、調停不成立の場合は自動的に審判へ移行します。)
遺産分割における暗号資産の評価は分割時点(現在価値)が原則ですが、具体的な評価時期については現時点で最高裁が判断した事例は確認されておらず、実務上も見解が定まっていない部分があります。なお、相続税申告上の評価(死亡日時点の時価)とは基準時が異なる点に注意が必要です。具体的な事案については弁護士にご相談ください。
Q秘密鍵が見つからない場合、弁護士は何ができますか?
A
秘密鍵が不明な場合、技術的にはブロックチェーン上の資産へのアクセス自体が困難です。秘密鍵が不明な場合、実質的に資産を回収できない可能性があります。弁護士が直接秘密鍵を復元したり、取引を強制的に実行したりすることはできません。ただし、以下の対応が考えられます。
- 調査の支援:遺品(ハードウェアウォレット・紙のバックアップ・USBメモリ・手帳等)の調査範囲について助言し、必要に応じて専門業者との連携を検討します。
- 相続財産としての記録整理:秘密鍵不明の暗号資産についても、相続財産として遺産分割協議書等に記載しておくことが後のトラブル防止につながります。弁護士が協議書の作成を支援します。
- 相続放棄・限定承認の判断支援:秘密鍵が不明で資産価値が不確かな状況では、相続放棄や限定承認を検討することがあります。これらの手続には期間制限があるため、早期の法的判断が重要です(詳しくはQ6参照)。
- 相続税上の対応への助言:秘密鍵不明の場合、相続税評価上どう扱うべきかについては税理士との連携が必要になる場合があります。弁護士は税理士との橋渡し役としても機能します。
⚠️ 秘密鍵が不明であっても、ブロックチェーン上に暗号資産が存在する事実自体は変わりません。相続税の申告上、評価が困難な場合の取り扱いについては税理士にご確認ください。
Q生前対策として弁護士に依頼できることはありますか?
A
暗号資産を保有している方は、ご存命のうちに以下の対策を検討されることをお勧めします。弁護士は以下の点でサポートできます。
- 遺言書の作成:どの暗号資産をどの相続人に承継させるかを遺言書に記載しておくことで、相続人間の争いを防ぐことができます。自筆証書遺言・公正証書遺言の作成を支援します。遺言書には、取引所名・通貨の種類・アクセス方法の保管場所等を明記しておくと実効性が高まります。
- エンディングノートの整理支援:法的拘束力はありませんが、暗号資産の保有状況(取引所・ウォレットの種類・秘密鍵の保管場所等)をまとめたノートの整理について助言します。
- 家族信託の検討:一定の資産については、家族信託(民事信託)を活用して受託者に管理を委ねる方法もあります。暗号資産への家族信託の適用については法的検討が必要な点があるため、弁護士にご相談ください。
秘密鍵そのものを遺言書や公的書類に記載することはセキュリティ上のリスクを伴います。鍵情報の保管方法については、信頼できる方法(専用のハードウェアウォレットの施錠保管等)と組み合わせることが重要です。具体的な方法については弁護士にご相談ください。
Q相続放棄・限定承認を検討する場合、弁護士に相談すべき理由は何ですか?
A
暗号資産を含む相続で、被相続人に多額の負債があった場合や、資産の全容が不明な場合には、相続放棄または限定承認を検討することがあります。
相続放棄とは、相続人の地位を一切放棄することで、プラスの財産もマイナスの財産(負債)も一切承継しないことになります(民法第938条)。限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務を弁済すべきことを留保して承認する制度です(民法第922条)。
いずれの手続にも、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」という期間制限があります(民法第915条第1項)。この期間を経過すると、原則として単純承認したものとみなされ、負債も全額承継することになります。
弁護士に相談すべき主な理由は以下のとおりです。
相続放棄とは、相続人の地位を一切放棄することで、プラスの財産もマイナスの財産(負債)も一切承継しないことになります(民法第938条)。限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務を弁済すべきことを留保して承認する制度です(民法第922条)。
いずれの手続にも、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」という期間制限があります(民法第915条第1項)。この期間を経過すると、原則として単純承認したものとみなされ、負債も全額承継することになります。
弁護士に相談すべき主な理由は以下のとおりです。
- 期間管理:3か月という期間は短く、財産調査と並行して進める必要があります。弁護士は期間内に必要な手続を整理・実行するサポートをします。
- 財産調査の支援:暗号資産を含む被相続人の財産・負債の全容を把握するための調査(弁護士会照会等を含む)を行います。
- 限定承認の手続代理:限定承認は相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があり(民法第923条)、手続が複雑です。弁護士が申述書の作成・提出を支援します。
- 3か月の伸長申請:財産調査に時間がかかる場合は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができます(民法第915条第1項ただし書)。弁護士が申立書を作成します。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第915条第1項:「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」/同第922条(限定承認):「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。」/同第938条(相続の放棄の方式):「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」
⚠️ 相続放棄をすると暗号資産を含む一切の財産を承継できなくなります。暗号資産に価値がある場合は放棄により不利益を被る可能性があります。いずれの手続も、個別の事情を踏まえた上で判断する必要があります。
「故人がビットコインを持っていたが手続がわからない」「取引所がどこかわからない」「相続人間で揉めそうだ」「相続放棄を検討している」など、暗号資産の相続に関するご相談はお気軽にどうぞ。状況をお聞きした上でご説明します。
弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属
📧 [email protected]
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。暗号資産に関する法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
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