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遺言書の検認とは|見つけたら開封しないで — 申立先と手続きの流れ

相続・遺産分割

遺言書の検認とは|見つけたら開封しないで — 申立先と手続きの流れ|守谷・取手・つくばみらい

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属|2018年12月弁護士登録(登録から約7年)
主な取扱分野:相続・遺産分割・遺言・家族法

親を亡くされたご家族の方へ。遺品整理の途中で、封のされた「遺言書」と書かれた封筒を見つけたとき、その場で開けてはいけないことをご存じでしょうか。自宅で保管されていた自筆の遺言書は、家庭裁判所の「検認」という手続きを経る必要があります。本記事では、検認とは何か、守谷・取手エリアの申立先はどこか、必要書類・費用・流れを解説します。

遺言書の検認で弁護士に相談すべき3つのケース
1 実家で封のされた遺言書を見つけ、開けてよいか迷っている 開封前に取るべき手順と、検認申立ての進め方をご説明できます。
2 出生から死亡までの戸籍集めや平日の裁判所対応の時間が取れない 都内通勤などで平日に動けない方に代わり、書類収集から申立てまでの対応を検討できます。
3 検認で明らかになった遺言の内容に納得できない・遺留分が気になる 検認後に取り得る選択肢と見通しを、事案に応じて整理してご説明できます。

上記のいずれかに当てはまる場合は、状況を整理するところから弁護士がお手伝いできます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)|〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q遺言書の検認とは?何のための手続きですか?
結論として、検認とは、家庭裁判所が相続人の立会いのもとで遺言書の状態を確認し、偽造・変造を防止するための手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。

検認とは、相続人に対して遺言書の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など、検認日現在における遺言書の内容を明確にして、後日の偽造・変造を防止するための手続きのことです。

遺言書を保管していた人や、遺言書を発見した相続人は、相続の開始(遺言者の死亡)を知った後、遅滞なく家庭裁判所に遺言書を提出して、検認を請求しなければならないとされています。

【根拠】民法(明治29年法律第89号)第1004条第1項:「遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。」

検認を経ていない遺言書のままでは、不動産の名義変更や預貯金の払戻しなどの相続手続きを進められない場面が多く、実務上も避けて通れない手続きです。

Q封のされた遺言書を勝手に開けてしまいました。遺言は無効になりますか?
結論として、開封してしまったこと自体で遺言が無効になるわけではありません。ただし過料の対象となり得るほか、他の相続人から偽造・変造を疑われるリスクがあります。開封後であっても検認の申立ては必要です。

封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ開封することができないとされています(民法第1004条第3項)。これに反して家庭裁判所外で開封した場合には、5万円以下の過料の対象となり得ます。

【根拠】民法第1005条:「前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。」

もっとも、うっかり開封してしまったからといって、遺言そのものの効力が当然に失われるわけではありません。実務上より重要なのは、開封した状態を放置しないことです。開封済みの遺言書についても検認の申立ては必要ですし、他の相続人から「中身を差し替えたのではないか」と疑われれば、遺産分割の話し合い全体がこじれる原因になり得ます。

⚠️ 開封してしまった場合は、いつ・どこで・どのような状況で開封したのかをメモに残し、遺言書はそれ以上触らずに保管したうえで、早めに検認の申立てを進めることをおすすめします。対応に迷う場合は弁護士にご相談ください。
Q検認が必要な遺言書・不要な遺言書の違いは何ですか?
結論として、自宅などで保管されていた自筆証書遺言と秘密証書遺言は検認が必要です。公正証書遺言と、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言は検認不要です。
検認が必要
・自宅等で保管されていた
  自筆証書遺言
秘密証書遺言
検認は不要
公正証書遺言
  (民法1004条2項)
・法務局の保管制度を利用
  した自筆証書遺言
  (遺言書保管法11条)
図1:遺言書の種類と検認の要否

公正証書遺言は、公証人が作成し原本が公証役場に保管されるため、検認の規定は適用されません(民法第1004条第2項)。また、法務局(遺言書保管所)の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されている遺言書についても、検認は不要とされています。

【根拠】法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)第11条:「民法第千四条第一項の規定は、遺言書保管所に保管されている遺言書については、適用しない。」

これから遺言書を作る立場の方にとっては、「残された家族に検認の手間をかけさせない」という観点も、遺言の方式選びの大切な判断材料になります。遺言書の種類ごとの特徴は遺言書・公正証書遺言を作るなら|守谷・取手・つくばみらいで詳しく解説しています。

Qどこの家庭裁判所に申し立てますか?守谷・取手の場合は?
結論として、申立先は「遺言者(亡くなった方)の最後の住所地」を管轄する家庭裁判所です。遺言者の最後の住所地が守谷市・取手市なら水戸家庭裁判所龍ケ崎支部が申立先となります。

相続は被相続人の住所において開始し(民法第883条)、遺言に関する審判事件は、相続を開始した地を管轄する家庭裁判所の管轄に属します(家事事件手続法(平成23年法律第52号)第209条第1項)。つまり、申立てをする相続人自身の住所地ではなく、亡くなった方の最後の住所地で申立先が決まります。

遺言者の最後の住所地ごとの申立先は次のとおりです。

遺言者の最後の住所地 申立先の家庭裁判所
守谷市・取手市・利根町 水戸家庭裁判所龍ケ崎支部
龍ケ崎市・牛久市・稲敷市・河内町 水戸家庭裁判所龍ケ崎支部
つくばみらい市・つくば市・土浦市 水戸家庭裁判所土浦支部
常総市・坂東市・境町・古河市 水戸家庭裁判所下妻支部
柏市・我孫子市・野田市 千葉家庭裁判所松戸支部
たとえば、守谷市にお住まいの方が、大阪で亡くなった親御さんの遺言書を見つけた場合、申立先は守谷ではなく、親御さんの最後の住所地を管轄する大阪の家庭裁判所になります。逆に、都内や県外にお住まいの方でも、親御さんが守谷・取手にお住まいだった場合は龍ケ崎支部が申立先です。管轄を誤ると手続きがやり直しになるため、申立て前に必ず確認しましょう。
Q検認の流れ・必要書類・費用を教えてください。
結論として、戸籍書類をそろえて家庭裁判所に申し立てると、裁判所が検認期日を定めて相続人全員に通知し、期日に遺言書を検認します。費用は遺言書1通につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です。
STEP1 戸籍書類の収集
遺言者の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本を集める
STEP2 家庭裁判所へ検認の申立て
申立書+戸籍書類+収入印紙800円分(遺言書1通につき)+連絡用郵便切手を提出
STEP3 検認期日(裁判所で遺言書を確認)
裁判所が相続人全員に期日を通知。出席した相続人等の立会いのもと開封・検認
STEP4 検認済証明書の申請
遺言の執行(名義変更等)に必要。遺言書1通につき収入印紙150円分
図2:検認手続きの流れ

必要書類の中心は戸籍です。遺言者の出生から死亡までの連続した戸籍をそろえる必要があり、本籍地を何度か移している方の場合は複数の市区町村への請求が必要になります。また、相続人の構成(兄弟姉妹が相続人になる場合など)によっては、さらに追加の戸籍が必要になる場合があります。

検認期日は、申立人以外の相続人については出席するかどうか各自の判断に任されており、全員がそろわなくても検認は行われます。高齢のご親族が遠方にいて出席できない、といった場合でも手続き自体は進みます。

連絡用の郵便切手の金額・組合せは裁判所ごとに異なります。申立て前に、申立先の家庭裁判所(守谷・取手の方は水戸家庭裁判所龍ケ崎支部)にご確認ください。
Q検認が終われば、遺言の内容はそのまま確定するのですか?
結論として、確定しません。検認は遺言書の状態を保存・確認する手続きであり、遺言が有効かどうかを判断するものではないためです。

検認を経た遺言書であっても、方式の不備や、作成当時の遺言能力の問題などを理由に、後から効力が争われることはあり得ます。逆に、検認を受けていないからといって、その遺言が当然に無効になるわけでもありません。検認は「遺言書がこの状態で存在した」ことを公的に記録する手続きだと理解してください。

また、遺言の内容が特定の相続人に大きく偏っている場合には、遺留分に関する問題が残ることがあります。さらに、遺言書の確認をきっかけに、生前の預貯金の動きに疑問が出てくるケースもあります。そのような場合の考え方は親の預金が使い込みの疑いがあるとき|取引履歴の取り寄せから返還請求までの進め方で解説しています。

検認後の遺言の内容に納得できない場合に取り得る選択肢は、事案によって異なります。個別の状況に応じた見通しは、弁護士にご相談ください。

守谷・取手エリアの方へ — 実務上の補足

守谷・取手はTX(つくばエクスプレス)・常磐線で都内へ通勤される方が多い地域です。親御さんの相続が発生すると、出生から死亡までの戸籍収集や平日の裁判所とのやりとりが、仕事と並行しての大きな負担になりがちです。また、守谷・取手にお住まいでも、遺言者である親御さんの最後の住所地が別の地域であれば、申立先は遠方の家庭裁判所になります。書類収集や申立ての段取りに不安がある場合は、早めに弁護士へご相談いただくことで、全体の見通しを立てやすくなります。

遺言書を見つけたときの初動対応から、検認の申立て、検認後の遺産分割・遺留分のご相談まで、状況をお聞きした上で取り得る選択肢をご説明します。守谷・取手・つくばみらいをはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の相続のご相談に対応しています。

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参考資料・情報源

e-Gov法令検索(デジタル庁):民法(明治29年法律第89号)第883条・第1004条・第1005条、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第209条、法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)第11条
遺言書の検認(裁判所ウェブサイト)
茨城県内の管轄区域表(裁判所ウェブサイト)

更新履歴

2026年7月19日:記事公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)7月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年7月19日|最終更新日:2026年7月19日