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覚せい剤事件(使用・所持) | 逮捕後の流れと弁護士相談のタイミング

YOSHITSU LAW · 刑事弁護コラム

覚醒剤の使用・所持で逮捕されたら —
罰則・逮捕後の流れ・家族がすべきこと

ご本人・ご家族が今すぐ知っておくべきこと
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属(登録番号57714)/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:刑事弁護・少年事件・家族法(離婚・親権)・交通事故・企業法務

ご本人やご家族が覚醒剤(覚せい剤)事件で逮捕されてお困りの方へ。

「突然、警察から電話があって夫が逮捕されたと言われた」「尿検査で陽性が出たと聞いた」「本人から一度だけ電話があったが、それ以来連絡が取れない」——守谷・取手・常総エリアでも、こうしたご相談が寄せられることがあります。

覚醒剤事件は逮捕後の動きが速く、逮捕から数日以内の初動が結果を左右することがあります。この記事では、覚醒剤取締法の罰則(使用・所持)、逮捕後の手続きの流れ、否認する場合の注意点、弁護士に依頼するとできることをまとめて解説します。

こんなときは弁護士への相談をご検討ください
ご家族が覚醒剤事件で逮捕されたと警察から連絡があり、本人と会えず状況が分からない
尿検査で陽性が出た、または警察から任意同行・取調べを求められている
身に覚えがなく否認したいが、取調べにどう対応すればよいか分からない
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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
直通:月〜日 8:00〜19:00 / メール24時間受付 / 初回相談は面談・ZOOMのみ(電話相談不可)
01 覚醒剤取締法の罰則 — 使用と所持

覚醒剤(法令上の表記は「覚醒剤」。「覚せい剤」と書かれることもあります)に関する取り締まりは、覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)が規律しています。同法は、覚醒剤の輸入・輸出・製造・所持・使用・譲渡・譲受を原則として禁止しており、違反には重い罰則が設けられています。

■ 所持の禁止(同法第14条第1項)

覚醒剤製造業者・覚醒剤施用機関において診療に従事する医師・覚醒剤研究者等の例外を除き、何人も覚醒剤を所持してはならないと定められています。

■ 使用の禁止(同法第19条)

同法第19条は、特定の例外(覚醒剤製造業者の製造のための使用、施用機関での施用、研究目的等)を除き、何人も覚醒剤を使用してはならないと規定しています。

■ 主な罰則(e-Gov法令検索で確認済み)

行為 罰則(法定刑) 根拠条文
使用 10年以下の拘禁刑 第41条の3第1項第1号
所持・譲渡・譲受 10年以下の拘禁刑 第41条の2第1項
営利目的の所持・譲渡・譲受 1年以上の有期拘禁刑(情状により同刑+500万円以下の罰金) 第41条の2第2項
輸入・輸出・製造 1年以上の有期拘禁刑 第41条第1項
営利目的の輸入・輸出・製造 無期または3年以上の拘禁刑(情状により同刑+1,000万円以下の罰金) 第41条第2項

使用と所持は、条文上の法定刑はいずれも10年以下の拘禁刑で同じです。ただし、量や態様、前科前歴によって実際の処分は大きく異なります。使用のみで所持が認められない場合は使用罪のみが成立し、所持も認められる場合は所持罪が併せて問われることがあります。

■ 使用罪の証拠 — 尿検査

使用の証拠として多く用いられるのが尿検査です。尿から覚醒剤の成分(メタンフェタミン等)が検出されれば使用の証拠となり、覚醒剤そのものを所持していなくても使用罪で起訴される場合があります。採血・毛髪検査が証拠となる場合もあります。

⚠️ 「懲役」から「拘禁刑」への変更について
令和4年の刑法等改正(令和7年6月1日施行)により、「懲役」「禁錮」の区別が廃止されて「拘禁刑」に一本化され、覚醒剤取締法の罰則条文も「拘禁刑」表記に改められています。
02 逮捕後の手続きの流れ

覚醒剤事件で逮捕された場合、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定に基づき、次のような流れで手続きが進みます。

STEP 01
逮捕(最長48時間)
警察が逮捕状を執行します(現行犯逮捕の場合は逮捕状不要)。司法警察員は、留置の必要があると判断したときは、身体を拘束された時から48時間以内に検察官へ送致する手続きをしなければなりません(刑事訴訟法第203条第1項)。この間、家族であっても面会が許可されない場合があります。
STEP 02
勾留請求・勾留(原則10日、延長により最長20日)
検察官は、送致された被疑者を受け取った時から24時間以内(かつ身体拘束から72時間以内)に、裁判官へ勾留を請求します(刑事訴訟法第205条第1項・第2項)。裁判官が勾留を認めると原則10日間の勾留となり、やむを得ない事由がある場合には通じて10日を超えない範囲で延長されます(同法第208条)。この間に取調べが行われます。
STEP 03
起訴または不起訴の決定
勾留満期までに検察官が起訴・不起訴を決定します。不起訴の場合は釈放されます。起訴された場合は公判手続きへ進みます。
STEP 04
公判(裁判)・判決
起訴後は公判が開かれ、証拠の取り調べを経て裁判官が判決を言い渡します。執行猶予付き判決か実刑判決かは、事案の態様・前科前歴・更生可能性等を総合して判断されます。

覚醒剤事件では、証拠隠滅や共犯者との口裏合わせのおそれがあるとして、勾留が認められやすい傾向にあるといわれます。逮捕後の早い段階で弁護士が接見し、取調べへの対応方針を伝えることが重要です。

接見禁止について
裁判所が「接見禁止」を決定した場合、家族を含む外部との面会・手紙のやり取りが制限されます。ただし、弁護人(弁護士)は接見禁止の対象外であり、立会人なしに本人と面会することができます(刑事訴訟法第39条第1項)。だからこそ、早期の弁護士依頼が重要です。ご家族との面会が可能になるよう、接見禁止の一部解除を裁判所に申し立てることもできます。
03 弁護士に依頼すると何ができるか

覚醒剤事件は被害者のいない犯罪です。そのため、被害者との示談という手段は基本的に存在せず、弁護活動の重点は主に以下の点に置かれます。

① 早期接見・取調べ対応のアドバイス
弁護士は逮捕直後から本人と面会(接見)できます。黙秘権(憲法第38条第1項。取調べに際して供述を強いられない権利は刑事訴訟法第198条第2項でも告知が義務付けられています)の行使を含む取調べへの対応を具体的に伝えるとともに、ご家族への連絡役も担います。供述することが有利か不利かは事案によって異なるため、弁護士と相談したうえで対応方針を決めることが重要です。
② 勾留阻止・早期釈放に向けた活動
勾留請求に対して意見書を提出したり、勾留決定に対して準抗告(刑事訴訟法第429条第1項第2号)を申し立てたりすることで、身体拘束期間の短縮を図る活動を行います。勾留阻止の申立ては、決定後すぐに行動しなければ意味を失うことがあります。
③ 起訴・不起訴の判断への働きかけ
本人の反省・更生への取り組み・薬物依存からの回復支援機関(ダルク等)への連携状況等を検察官に示すことで、処分の軽減につながる場合があります。
④ 公判弁護・執行猶予に向けた立証
起訴された場合には、事実関係の確認・証拠の精査を行い、依存症治療への取り組み・自助グループへの参加・家族による監督体制の整備等を主張・立証して、執行猶予付き判決を目指した弁護活動を行います。

いずれの活動も、早期に弁護士が関与することで取り得る選択肢が広がります。覚醒剤依存は医療的なサポートが必要な疾患としての側面があり、治療・支援機関につなげることは再犯防止の観点からも重要です。

04 「使っていない」と否認する場合

尿から覚醒剤成分が検出されても、自分の意思で使用したのでなければ覚醒剤使用罪は成立しません。たとえば、他人から無理やり摂取させられた場合や、覚醒剤が混入されているとは知らずに飲食物を摂取した場合には、使用の故意がないことになります。

そのような場合、弁護士は覚醒剤を摂取した状況を詳細に聴取し、摂取方法や状況に、自らの意思で使用した場合と矛盾する点がないかを検証します。弁解内容が不合理でないことの裏付けを丁寧に探していく作業です。

否認事件では、捜査段階で本人の認識と異なる内容の供述調書が作成され、それが裁判で重視されるおそれがあります。弁護士に依頼することで、頻繁に接見を行って状況を確認しながら取調べへの対応を助言し、不利な調書が作られないよう対処することができます。

否認事件と面会制限
否認事件では、被疑者とご家族との面会が制限される場合があります。弁護士は制限なく接見することができ、ご家族との面会が可能になるよう裁判所に申し立てを行うこともできます。
05 守谷・取手・常総エリアの警察署と裁判所

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市を含むつくばエクスプレス(TX)・JR常磐線・関東鉄道常総線沿線エリアは、都心へのアクセスが良く、近年人口が増加している地域です。物流・製造・建設業の従事者も多く、多様な生活背景を持つ方が暮らしています。仕事上のストレスや生活環境の変化から薬物依存に至るケースが多いともいわれ、覚醒剤事件は決して「遠い話」ではありません。

このエリアで逮捕された場合、身柄は管轄の警察署に留置されるのが通常です。守谷市・取手市であれば取手警察署(取手市・守谷市・利根町を管轄。守谷市に単独の警察署はありません)、常総市であれば常総警察署などです。ご家族が留置先を確認するときの参考にしてください。

起訴後の裁判は、地域ごとに管轄の裁判所(支部)が分かれています。守谷市・取手市は水戸地方裁判所龍ケ崎支部、常総市は同下妻支部、つくばみらい市・つくば市・土浦市は同土浦支部が管轄です。なお、裁判官3名の合議体で審理される事件は龍ケ崎支部管内では土浦支部で、裁判員裁判の対象事件は水戸地方裁判所本庁のみで取り扱われます。事案により異なる場合がありますので、詳細は弁護士にご確認ください。

当職の対応エリア
守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・柏市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の方からのご相談をお受けしています。つくばエクスプレス守谷駅から車で約5分の守谷市けやき台で執務しています。
よくあるご質問
Q1. 覚醒剤で逮捕されたら、何日間拘束されますか?
結論:起訴前の身体拘束は、最長で23日程度に及ぶ場合があります。
逮捕後48時間以内に検察官へ送致され(刑事訴訟法第203条第1項)、検察官は被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判官へ勾留を請求します(同法第205条第1項)。裁判官が勾留を認めると原則10日間の勾留となり、延長により最長20日間になります(同法第208条第1項・第2項)。起訴後も別途の起訴後勾留が続くことがあるため、最終的な判決まで長期間の拘束となる場合があります。
Q2. 家族が逮捕されたことを職場や学校に知られますか?
結論:捜査機関から職場・学校へ通知される制度はありません。
ただし、逮捕・起訴の事実が報道されることで知られる可能性はあります。一般の方の場合、実名報道されるかどうかは報道機関の判断によります。職場への影響を最小限にするためにも、早期の対応が重要です。
Q3. 初犯の場合、執行猶予はつきますか?
結論:初犯・自己使用・少量所持の場合、執行猶予が付くケースが多い傾向があります。ただし個別の事情により異なります。
覚醒剤の自己使用・単純所持で初犯の場合、起訴されても執行猶予付き判決となるケースが多いといわれます。一方、同種の前科がある場合(特に執行猶予中の再犯)、反省・更生の意欲が認められない場合、再発防止の環境が整っていない場合には、実刑となるリスクが高くなります。「初犯だから大丈夫」と安易に考えず、早期に弁護士に相談することをお勧めします。
Q4. 尿検査で陽性が出ても「使っていない」場合はどうなりますか?
結論:自分の意思で使用した故意がなければ、覚醒剤使用罪は成立しません。
他人から無理に摂取させられた場合や、混入を知らずに摂取した場合には使用の故意がないことになります。もっとも、否認事件では取調べでの供述内容がその後の裁判に大きく影響します。取調べで供述を拒む黙秘権(憲法第38条第1項)の行使を含め、弁護士と相談のうえ対応方針を決めることが重要です。詳しくは本文の「04 『使っていない』と否認する場合」もご覧ください。
Q5. 家族が覚醒剤で逮捕されたとき、最初にするべきことは?
結論:まず弁護士に連絡し、接見(面会)を依頼してください。
逮捕直後は家族でも本人と会えない場合がほとんどです。弁護士であれば接見禁止中でも本人と面会でき(刑事訴訟法第39条第1項)、状況確認・今後の方針の伝達・取調べへの対応アドバイスを行えます。どの弁護士に頼めばよいか分からない場合は、当職または茨城県弁護士会の当番弁護士制度をご利用ください。
おわりに

覚醒剤事件は、本人やご家族にとって大きな動揺を伴う出来事です。依存症という側面がある以上、刑事手続きだけで問題が解決するわけではなく、回復に向けた継続的なサポートも重要になります。

弁護士の役割は、刑事手続きの中で本人の権利を守ること、そして将来の再スタートに向けて取り得る選択肢を最大化することにあります。

守谷・取手・常総・つくばみらいエリアでお困りの方は、当職へのご相談をご検討ください。

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参考法令・情報源
・覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)— e-Gov法令検索
・刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)— e-Gov法令検索
・日本国憲法第38条第1項(自己負罪拒否特権)
・裁判所ウェブサイト「茨城県内の管轄区域表」— courts.go.jp
更新履歴
2026年7月 — 関連2記事を統合し全面改訂(使用罪・否認事件の解説を追加、警察署・裁判所管轄の記載を精緻化)
2026年6月 — 新規公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。本記事の内容は令和8年(2026年)7月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月1日 / 最終更新日:2026年7月15日