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過失運転致傷・ひき逃げで弁護士に依頼する意味 ——示談・取調べ対応・公判弁護の中身

刑事弁護・交通事故

過失運転致傷・ひき逃げで弁護士に依頼する意味
——示談・取調べ対応・公判弁護の中身

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属|2018年12月弁護士登録(登録から約7年)
取扱っている分野:刑事弁護・交通事故・家族法・企業法務

守谷市・つくばみらい市で人身事故の加害者となった方へ。保険会社に任せておけば民事の損害賠償交渉は進みますが、刑事責任(過失運転致傷罪・救護義務違反等)への対応は別の問題です。本記事では、出頭前から公判までの各段階で弁護士が具体的に何を行うのかを段階別にご説明します。接触事故を起こしたかもしれないという段階の方は、まず「ひき逃げをしてしまったかもしれない——警察から連絡が来る前にすべきこと」をご覧ください。

Q交通事故の加害者になったとき、弁護士に依頼すると具体的に何が変わりますか?
A
任意保険会社が扱う範囲は民事の損害賠償交渉に限られており、刑事責任の軽減を目指す活動は含まれません。弁護士は刑事手続における取調べ対応、被害者との示談交渉、検察官への意見書提出、公判における弁護活動を行うことができます。

交通事故で加害者が負う責任は、①民事責任(被害者への損害賠償)、②刑事責任(罰金・拘禁刑等の刑事処分)、③行政責任(免許の停止・取消)の3つに分かれます。このうち任意保険会社が対応するのは①の民事責任のみで、②の刑事責任・③の行政責任への対応は別の問題です。

弁護士ができる主な活動は以下のとおりです。

  • 出頭前の事実関係の整理と供述方針の打合せ
  • 被害者との刑事上の示談交渉(保険会社とは別途)、嘆願書の作成交渉
  • 検察官への意見書・嘆願書の提出
  • 不起訴・略式起訴を目指す活動
  • 公判になった場合の情状立証・弁論
  • 執行猶予(刑法第25条)獲得を目指す活動
Q取調べの前に弁護士に相談すると、どんな準備ができますか?
A
事故当時の事実関係を時系列で整理し、自分に有利・不利な事情を把握したうえで、黙秘権の行使範囲や供述調書への署名の可否について方針を立てることができます。原則弁護士は取調べ室への立会いはできませんが、取調べ前後のアドバイスは可能です。

取調べで作成される供述調書は、捜査・公判を通じて中心的な証拠として扱われます。事故直後の混乱した記憶や、警察官の質問に押されて話した内容がそのまま調書に残ると、自分の認識と異なる調書が作成され、後の裁判で不利な立場に立たされる可能性があります。

取調べ室には原則として弁護士は立ち会えません(捜査官の面接権)。そのため、取調べが終わった後に弁護士と電話や面談で内容を確認し、次回の取調べに向けた方針を再調整する、という進め方が一般的です。
Q被害者との示談は、自分でやるのと弁護士に頼むのと何が違いますか?
A
加害者本人が直接被害者に連絡しても、刑事手続で不利な証拠として扱われる場面があります。弁護士が代理人として対応することで、謝罪・賠償の申入れを適切な形で伝え、任意保険会社の対応とは別に刑事上の示談書(許すなどの条項を入れた文言)を作成することができる可能性があります。
項目 民事上の示談 刑事上の示談
対応者 任意保険会社 加害者本人・弁護士
目的 損害賠償額の確定 被害感情の緩和・処分軽減
典型的な条項 示談金額・支払方法 宥恕文言・処罰不要の意思表示
影響する手続 民事訴訟 起訴・不起訴の判断、量刑

加害者本人が直接被害者に連絡を取ろうとすると、次のようなリスクがあります。

①被害者が加害者からの連絡を望まず、かえって処罰感情を悪化させる場面があります。②連絡の際の発言(謝罪のつもりでの発言)が、後の裁判で加害者の認識を示す証拠として使われる場面があります。③被害者から過大な金銭要求を受けても、感情的に応じてしまい後で紛争化する場面があります。

弁護士が代理人として間に入ることで、①被害者の感情に配慮した手順で謝罪・賠償の申入れを行える、②発言内容が整理された書面でやり取りできる、③示談金額について客観的な基準(自賠責基準・任意保険基準・裁判基準)に照らして交渉できる、といった実益があります。

任意保険会社の対応と弁護士の対応は必ずしも排他的ではありませんが、治療中に示談の話を行う場合などには、保険会社からの賠償ではなく、別途示談金を支払う必要が生じるケースなどがあることには注意が必要です。
Qいつの段階で弁護士に依頼するのがよいですか?
A
一般的には早い段階であるほど取り得る選択肢は多くなります。供述調書の作成前に方針を整理できる段階が最も効果的ですが、書類送検後や起訴状受領後の依頼でも対応は可能です。各段階で弁護活動の中心は異なります。
在宅事件として書類送検された後、検察官からの連絡がないまま数か月が経過し、ある日突然裁判所から起訴状と公判期日呼出状が届く、というケースは実務上見られます。この段階からでも弁護人選任は可能ですが、第1回公判までの時間が限られているため、早期の対応が必要です。公判で反省していることを伝えるとしても、どのように伝えればよいのか、どのような方法が効果的なのかについてはアドバイスが必要です。
Q不起訴・略式起訴・正式起訴で弁護活動はどう変わりますか?
A
不起訴や略式起訴を目指す段階では示談成立と検察官への意見書提出が中心、起訴後の正式公判となった段階では情状証人の準備・被告人質問のリハーサル・弁論要旨の作成が中心となります。

検察官は事件を起訴するか不起訴とするかを判断します(刑事訴訟法第247条)。起訴する場合には、公判請求(正式起訴)と略式命令請求(略式起訴)の2つの方法があります。

処分 内容 前科
不起訴(起訴猶予) 刑事訴訟法第248条により起訴しない処分 付かない
略式起訴 簡易書面審理で罰金刑を科す手続(刑事訴訟法第461条以下) 付く
正式起訴 公開法廷での裁判 有罪なら付く
【根拠】刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第248条:「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」
示談が成立していれば常に不起訴になるわけではありません。被害の重大性(死亡事故・重傷事故)、飲酒運転や無免許運転の有無、加害者の前科・前歴、事故態様の悪質性などを総合して検察官は判断します。
守谷・つくばみらいエリアで刑事弁護に依頼する意味

つくばエクスプレス(TX)沿線の守谷・つくばみらいエリアは、都内通勤の勤め人が多く、事故後の刑事手続が仕事に与える影響を気にされる方が少なくありません。勤務先への連絡が必要な場面を最小化したい、出頭日を勤務調整できる日に設定したい、といった実務的な事情も、地域の勤務事情を踏まえて弁護士と一緒に検討できます。水戸地方裁判所土浦支部への出廷についても、移動時間を含めた半日〜1日単位での勤務調整が必要となるため、早期から見通しを立てておく実益があります。

どの段階でご相談いただいても、現時点で取り得る選択肢と今後の見通しをご説明します。初回相談は面談またはZOOMで承ります(電話での初回相談は対応しておりません)。接触事故を起こした直後の不安がある段階の方は、まずひき逃げをしてしまったかもしれない方へのご案内もご参照ください。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属
📧 [email protected]
📞 050-3623-1320
対応エリア

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・柏市をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の交通刑事事件のご相談に対応しています。

更新履歴

2026年4月25日:記事公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は2026年(令和8年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年4月25日|最終更新日:2026年4月25日