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遺産が不動産(実家など)だけのとき、どうやって分ける? 4つの方法と注意点・守谷市・つくばみらい市・取手市・常総市・つくば市など・弁護士吉津和輝

【相続・遺産分割】

遺産が不動産(実家など)だけのとき、どうやって分ける? 4つの方法と注意点・守谷市・つくばみらい市・取手市・常総市・つくば市など・弁護士吉津和輝

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)市川法律事務所に所属する弁護士です。

遺産が自宅や土地などの不動産だけで、現金がほとんどないというケースは少なくありません。不動産は現金のように「等分に切り分ける」ことができないため、相続人の間でどのように分けるか、話し合いが必要になります。この記事では、不動産のみの遺産を分割する主な方法と、それぞれの特徴について説明します。

Qそもそも遺産分割はどのような基準で行うのですか?
A
遺産分割については、まず相続人全員で話し合う「遺産分割協議」を行います。協議が成立すれば、その内容に従って不動産を分けることができます。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第906条:「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」
協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。調停でも解決しない場合は、自動的に審判手続きに移行し、家庭裁判所が遺産分割の方法を決定します(家事事件手続法第272条第4項)。
Q不動産を分割する主な方法を教えてください。
A
不動産の遺産分割には、大きく分けて以下の4つの方法があります。状況に応じて選択することになります。
方法 概要 向いているケース
現物分割 不動産をそのまま特定の相続人が取得する、または土地を実際に分筆して分ける方法 複数不動産がある場合など、取得する相続人が1人に絞れる場合、土地が分筆可能な場合
換価分割 不動産を売却し、売却代金を相続人間で分配する方法 相続人の誰も不動産を取得・維持することを希望しない場合
代償分割 不動産を特定の相続人が取得し、その相続人が他の相続人に対して金銭(代償金)を支払う方法 特定の相続人が不動産を取得したいが、他の相続人の法定相続分も確保したい場合
共有 相続人が不動産を共有名義で取得する方法 当面の処理として暫定的に採用されることがある
Q「現物分割」「換価分割」「代償分割」それぞれの注意点は何ですか?
A
現物分割は、複数不動産がある場合など、自宅や土地をそのまま一人の相続人が取得する最もシンプルな方法です。遺産分割協議は相続人全員の合意が原則であるため、不動産を誰が取得するかについても全員が納得できる内容にする必要があります。土地を分筆して分ける場合は、面積・形状・接道条件など実際の利用価値に差が生じることがあるため、慎重な協議が必要です。

換価分割は、不動産を売却して現金を分けるため公平感は高い方法ですが、売却活動に時間がかかること、相続人全員が売却に同意する必要があること、売却後の税金(譲渡所得税)についても考慮が必要です。税務については税理士にご相談ください。

代償分割は、親の自宅に住み続けてきた相続人がそのまま取得するケースなどによく用いられます。代償金の額は不動産の評価額をもとに決めますが、評価方法(固定資産税評価額・路線価・不動産鑑定評価など)によって金額が異なる場合があるため、協議の段階で明確にしておく必要があります。代償金の支払能力がなければ成立が難しいです。
不動産の登記手続きについては、司法書士にご相談ください。
Q不動産を相続人全員の「共有」にするとどうなりますか?
A
共有にすることは法律上認められており、遺産分割協議が難航している場合などに暫定的な解決策として選ばれることがあります。しかし共有状態には以下のような問題が生じやすい点に注意が必要です。
  • 不動産全体を売却する場合は共有者全員の同意が、賃貸借契約の締結などの管理行為は持分の価格の過半数による決定が必要となるなど、行為の種類によって必要な合意の程度が異なり、意思決定が困難になりやすい
  • 共有者の一人が亡くなると、その持分がさらにその相続人に引き継がれ、関係者が増加していく
  • 共有者の一人が持分を第三者に売却した場合、見知らぬ第三者と共有関係になるリスクがある
⚠️ 共有状態が長期化すると、後の世代でさらに問題が複雑になることがあります。長期的な視点で分割方法を検討することをお勧めします。
Q話し合いがまとまらない場合はどうすればよいですか?
A
協議が成立しない場合、各相続人は家庭裁判所に遺産分割の審判を申し立てることができます。実務上は、まず遺産分割調停の手続が行われることが多く、調停でも合意に至らない場合は、自動的に審判手続きに移行し、裁判所が遺産分割の方法を決定します。
【根拠①】民法(明治29年法律第89号)第907条第2項:「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。」
【根拠②】家事事件手続法(平成23年法律第52号)第272条第4項:「第一項の規定により別表第二に掲げる事項についての調停事件が終了した場合には、家事調停の申立ての時に、当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなす。」
調停・審判では、不動産鑑定評価の結果が参考にされることがあります。また、審判において不動産を競売により換価する方法が採られる場合もあります。
Q遺産分割協議が成立した場合、いつから効力が生じますか?
A
遺産分割の効力は、相続が開始した時点(被相続人が亡くなった時点)にさかのぼって生じます。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第909条:「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。」
遺産分割協議の成立後は、内容を遺産分割協議書として書面化し、不動産の相続登記に使用します。令和6年4月1日以降、相続による不動産の取得を知った日から3年以内の相続登記申請が義務化されています。登記手続きの詳細については司法書士にご相談ください。

不動産のみの遺産分割は、分け方の選択や評価額の合意など、相続人間で調整すべき点が多く、話し合いが難しくなることもあります。どのような方法が状況に適しているか、具体的な事情をお聞きした上でご説明します。お気軽にご相談ください。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。