児童ポルノ禁止法違反で捜査・逮捕されたら
本人やご家族へ
「スマートフォンに画像が残っている」「SNSでやりとりをしていた」「警察から任意の事情聴取を求められた」——こうした状況でご不安を抱えている方のために、児童買春・児童ポルノ禁止法の基本的な仕組みと、刑事手続きの流れについて解説します。
正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(平成11年法律第52号)といいます。略して「児童ポルノ禁止法」とも呼ばれます。
この法律は、18歳未満の児童を性的搾取・性的虐待から保護することを目的としており、児童買春や児童ポルノの製造・提供・所持などの行為を禁止・処罰しています。平成26年(2014年)の改正により、自己のためにのみ所持する行為(単純所持)も新たに処罰対象となりました。
第7条に定める主な処罰対象行為と法定刑は以下のとおりです。なお、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号)により、令和7年(2025年)12月1日以降は「懲役」が「拘禁刑」に改められています。
| 条文 | 行為 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 第7条第1項 | 自己の性的好奇心を満たす目的での所持・電磁的記録保管(単純所持) | 1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 |
| 第7条第2項 | 提供・電気通信回線を通じた提供 | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
| 第7条第3項 | 第2項目的での製造・所持・運搬・輸出入・電磁的記録保管 | 第2項と同様 |
| 第7条第4項 | 姿態をとらせての製造 | 第2項と同様 |
| 第7条第5項 | ひそかに描写しての製造(盗撮等) | 第2項と同様 |
| 第7条第6項 | 不特定若しくは多数の者への提供・公然陳列、電気通信回線を通じた不特定多数への提供 | 5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金(併科あり) |
| 第7条第7項 | 第6項目的での製造・所持・運搬・輸出入・電磁的記録保管 | 第6項と同様 |
第1号:「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態」
第2号:「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」
第3号:「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」
平成26年改正により、「自己の性的好奇心を満たす目的」での所持・電磁的記録の保管行為は、提供・頒布といった目的がなくても処罰される可能性があります(第7条第1項)。
単純所持罪が成立するためには、①児童ポルノを所持したこと、②「自己の性的好奇心を満たす目的」での所持であること、③「自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者」に該当すること、④児童ポルノであることの認識(故意)が必要です。また、インターネット上で閲覧しただけでもキャッシュデータとして端末に保存されている場合があり、実務上は端末の解析で発覚するケースがあります。
任意の事情聴取(任意捜査)は、法律上、応じる義務はありません(刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第198条第1項ただし書き)。ただし、任意とはいえ実質的に逮捕前の捜査が行われている場合もあり、対応を誤ると不利益を招くことがあります。
警察から連絡があった場合に特に注意が必要なのは、供述内容をよく考えずに話してしまうことです。自分の言葉が調書に記録され、後の裁判で証拠として使われることがあります。
弁護人として対応できる主な内容は次のとおりです。
- 逮捕直後の接見(面会)と黙秘権・弁護権の説明
- 勾留請求に対する意見書の提出・準抗告・勾留取消の申立て
- 示談交渉(被害者が特定できる場合)
- 不起訴・起訴猶予を目指した検察官への働きかけ
- 起訴された場合の公判準備・情状立証
警察からの接触があった段階や、ご自身の状況に不安を感じている段階からのご相談をお受けしています。
個別の事情をお聞きした上で、現在の状況と取り得る対応についてご説明します。
📞 050-3623-1320
守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の方からの刑事事件に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
