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【少年事件で観護措置が決まるとき、家族や弁護士は立ち会えるのか?】

 吉津和輝(登録番号57714 茨城県弁護士会所属) 市川法律事務所に所属する弁護士です。

はじめに

「子どもが警察に逮捕されて家庭裁判所に送られた。観護措置の手続きに親として立ち会えるのか」

少年事件で観護措置が決まるとき、家族や弁護士(付添人)が立ち会えるかどうかは、多くの保護者が不安に思うところです。

この記事では、観護措置の手続きにおける家族・弁護士の関与について解説します。


1. 観護措置とは

家庭裁判所に送致された少年について、審判を行うために必要があると認められるときは、家庭裁判所は観護措置をとることができます(少年法17条1項1号)。

少年鑑別所送致(同項2号)という形で身柄拘束が行われます。

逮捕・勾留されて送致された少年については、到着のときから24時間以内に観護措置の判断がなされます(同条2項)。


2. 家族(保護者)は観護措置の前に立ち会えるのか

観護措置決定前の面談

観護措置において家族(保護者)の立会権が保障された規定はありません。

少年審判規則19条の3は、裁判長が少年本人に対して陳述する機会を与えることを定めていますが、これはあくまで少年本人への告知であり、家族への告知や立会いについては規定されていません。

実務上は、裁判所の裁量によって観護措置の前に、事実上面談として、保護者の出席が認められるケースも実際にありますが、それもごく稀で、ほぼ機会はないと言ってよく、権利として主張できる根拠はありません。

更新決定

観護措置の期間は原則2週間で、継続が必要な場合は更新できます(少年法17条3項・4項)。

この更新決定は通常書面審理で処理されるため、そもそも期日が開かれないケースがほとんどです。

経験上、観護措置は大体延長となり、1か月ほど期間が続きます(1回更新されるケース)。その間に少年審判の期日が決まります(なお、例外的に①犯罪少年に係る死刑・懲役又は禁錮に当たる罪の事件で、②非行事実の認定をめぐって、証人尋問、鑑定若しくは検証を行うことの決定がなされているか、又はこれを行ったものについて、③少年を収容しなければ審判に著しい支障が生じるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合に、2回を限度として更新を行うことができます(少年法17条4項但書)。)。


3. 弁護士(付添人)は立ち会えるのか

初回の観護措置の前の面談

付添人(弁護士)についても、立会権を保障した規定は存在しません。

すでに付添人が選任されていて、裁判所側に時間的余裕がある場合には認めてもらえるケースもありますが、これは裁判所の裁量によるものです。経験上はお願いをすれば、観護措置の判断の前に裁判官と面談の機会を設けてもらい、弁護士のみ面談ができることもあります。

観護措置をしない決定が下ると、少年の身柄の引き渡しまで待合室で待つことが多いですが、

引き渡し後は、少なくとも少年審判まで非行をしないことはもちろんのこと、裁判所から出された条件を守ることになります、家族の方が目を光らせることになりますので、それはそれで大変です。もっとも、非行をしないことなどは少年のためにも当然のことなのですが。

付添人が正式に関与できる手続——異議申立て

付添人として法律上の立場で関与できるのが、観護措置決定に対する異議申立てです(少年法17条の2)。

少年法17条の2第1項には、少年・法定代理人・付添人が観護措置決定に対して異議の申立てをできる旨が定められています。

ただし、実務上認められるケースは限られており、罪証隠滅・逃亡のおそれがないこと、収容鑑別の必要性がないことを具体的に示す資料を添えて申し立てることが重要です。

また、事情の変化があれば、少年審判規則21条を根拠として、観護措置取消しの職権発動を促す上申書を提出する方法もあります。


4. 家族としてできること

裁判官との面談が難しい状況でも、家族としてできることがあります。

早期に弁護士(付添人)を選任する

観護措置前の段階から弁護士に付添人を依頼することで、少年の権利を守るための活動をしてもらえます。弁護士は少年と面会し、状況を把握した上で、異議申立てや取消し申立てなどの対応を検討します。

なお、立会いは認められない場合でも、付添人(弁護士)は決定が出る前に裁判官に対して「観護措置を避けるべき理由(在宅での調査が可能であること等)」を記した意見書を提出したり、面談を申し入れたりすることが可能です。これにより、少年鑑別所への収容を回避できる可能性を高められます。早期に弁護士に依頼することが非常に重要な理由の一つです。

家庭裁判所調査官との面接に備える

観護措置中、家庭裁判所調査官が少年や家族と面接を行います。家族としての監護態勢・反省の促し・再非行防止への取り組みを誠実に伝えることが、その後の審判に影響します。

弁護士を通じて少年に連絡を取る

観護措置中は面会・通信に制限がかかる場合がありますが、付添人弁護士を通じて少年の状況を把握することができます。


まとめ

場面 家族の立会い 弁護士(付添人)の立会い
初回決定 法令上の権利なし 法令上の権利なし(裁量で立ち合いや事前の面談は認められる場合あり)
     
異議申立て 法定代理人として申立て可能 付添人として申立て可能

観護措置の段階は、少年の身柄拘束が始まってから最初の正念場です。家族だけで抱え込まず、早期に弁護士に相談することをお勧めします。


本サイトの記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。

 

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属) 守谷・取手・つくばみらい・常総・龍ケ崎・牛久・土浦・古河・我孫子・野田・北柏など茨城県・千葉県北西部の刑事事件・少年事件のご相談をお受けしています。初回相談無料です。お気軽にお問い合わせください。