養育費の未払・強制執行?どうすれば・守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・つくば市など・弁護士吉津和輝

離婚・男女問題

養育費が払われない・強制執行?どうすれば
守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・つくば市など

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)市川法律事務所に所属する弁護士です。

「離婚してしばらくは払われていた養育費が、突然振り込まれなくなった」「催促しても無視される」——こうしたご相談は実務でも多く寄せられます。調停調書や公正証書などの書類があれば、裁判所を通じた強制執行(給与の差押え等)により回収できる可能性があります。

Q養育費が払われなくなった場合、すぐに強制執行できますか?
A
強制執行を申し立てるには、まず「債務名義」が必要です。債務名義とは、裁判所が強制執行を認める根拠となる公的な書類のことです。

養育費に関する主な債務名義は次のとおりです。
調停調書・審判書:家庭裁判所の調停や審判で養育費を定めた書類
公正証書(執行認諾文言付き):「強制執行を認諾する」旨の文言が入った公正証書
判決・和解調書:訴訟で確定した判決や裁判上の和解内容を記録した書類
⚠️ 当事者間での口頭の約束や、執行認諾文言のない私署証書(LINEのやりとり・メモ等)は債務名義にはなりません。この場合、まず家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。
Q給与を差し押さえる場合、どのくらいの金額を取れますか?
A
通常の債権の差押えは給与手取額の4分の1が上限ですが、養育費・婚姻費用については特例があり、手取額の2分の1まで差し押さえることができます。
区分 差押え上限 (手取28万円の場合)
通常の債権 手取額の1/4 → 7万円まで
養育費・婚姻費用 手取額の1/2 → 14万円まで
民事執行法(昭和54年法律第4号)第152条第3項
養育費等の扶養義務に係る請求権を請求債権とする場合、同条第1項・第2項中「四分の三」とあるのは「二分の一」と読み替えられ、給与等の手取額の2分の1を超える部分まで差し押さえることができる旨を定めた規定です。
なお、給与手取額が44万円を超える場合(養育費等の債権で請求する場合は66万円を超える場合)は、手取額から33万円を控除した額が差押え可能な上限となります(民事執行法施行令(昭和55年政令第230号)第2条第1項第1号)。
Q未払い分だけでなく、将来の養育費も一括で差し押さえられますか?
A
通常の強制執行は支払期限が到来した分しか対象にできませんが、養育費については特例があり、一部でも不払いが生じた場合は、まだ支払期限が来ていない将来分についても一括して差し押さえることができます。

これにより、毎月申立てを繰り返す手間なく、継続的に給与から回収し続けることが可能です。
民事執行法(昭和54年法律第4号)第151条の2(概要)
養育費・婚姻費用など扶養義務等に係る定期金債権について、一部に不払いがある場合は、確定期限が到来していない将来分についても債権執行を開始できる旨を定めた規定です。対象となる義務の範囲は、令和6年の民法改正に伴い条文が改正されています。
⚠️ 将来分の差押えの対象は「給与その他継続的給付に係る債権」に限られます。預貯金などは未払い分のみが差押えの対象です。
Q相手の勤務先や預金口座がわからない場合はどうすればよいですか?
A
令和2年4月に民事執行法が改正され、「第三者からの情報取得制度」が新設されました。養育費等の債務名義を持つ債権者が一定の要件を満たす場合に、裁判所を通じて以下の情報を取得できます。
相手の勤務先(給与債権に関する情報):市区町村・日本年金機構・共済組合等
相手の預貯金口座に関する情報:金融機関等(ゆうちょ銀行・メガバンク・地銀等)
民事執行法(昭和54年法律第4号)第206条(概要)
養育費等の債務名義を有する債権者が、民事執行法第197条第1項各号所定の要件(①配当等の手続において完全な弁済を得られなかった場合、または②知れている財産に対する強制執行を実施しても完全な弁済を得られないことの疎明がある場合)のいずれかを満たすときに、執行裁判所が市町村・日本年金機構等に対して給与債権に関する情報の提供を命じることができる制度です。
⚠️ この制度を利用するには、民事執行法第197条第1項各号所定の要件を満たすことの疎明等が必要です。単に債務名義があるだけで自動的に利用できるわけではありません。具体的な手続きは弁護士にご相談ください。
Q令和8年4月に養育費に関する制度が変わったと聞きました。どんな内容ですか?
A
令和8年(2026年)4月1日から、民事執行法等の改正により養育費に関する制度が大きく変わりました。主なポイントは以下のとおりです。
【新制度①】「取り決めた養育費」に先取特権が付与(出典:裁判所ウェブサイト)
合意や調停・審判などによって取り決めた養育費(裁判所ウェブサイトでは「形成養育費」と称しています)については、月額8万円に子の数を乗じた額を上限として先取特権が付与され、一般債権者に優先して差押えができるようになりました。
※令和8年4月1日以降に発生した養育費に限って、この担保権実行の申立てができます。
【新制度②】取決めのない場合の暫定的養育費(出典:裁判所ウェブサイト)
令和8年4月1日以降に取決めなしで離婚した場合、離婚時から引き続いて子を主として監護している親が、もう一方の親に対して、法務省令で定める額(月額2万円に子の数を乗じた額)を暫定的に請求できるようになりました(裁判所ウェブサイトでは「法定養育費」と称しています)。これは適正額での取決めが成立するまでの暫定的な制度です。
⚠️ これらの新制度は令和8年4月1日以降に発生した養育費に限って適用されます。それ以前の取決めには従来の制度が適用されます。個別の状況については弁護士にご確認ください。

「相手が払ってくれない」「どこに勤めているかわからない」「調停調書はあるが手続きが複雑でわからない」——状況をお聞きした上で、強制執行の手続きについてご説明します。お気軽にご相談ください。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属
📧 [email protected]
📞 050-3623-1320
対応エリア

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の方からの養育費・離婚後の強制執行に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。

※本サイトは弁護士吉津和輝が個人で運営しています。 弁護士吉津和輝(茨城県弁護士会所属・市川法律事務所) 〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7

弁護士吉津和輝(茨城県弁護士会 登録番号57714)市川法律事務所〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7 TEL 050-3623-1320(弁護士直通)・0297-44-5481© 2026 弁護士吉津和輝