別居・離婚調停中に子どもに会えないとき|試行的面会交流(親子交流の試行的実施)とは ― 守谷・取手エリアの親へ
主な取扱分野:離婚・親権・親子交流(面会交流)・相続などの家族法、刑事弁護
別居中・離婚調停中で、子どもになかなか会えずにお困りの方へ。2026年(令和8年)4月1日に施行された改正で、家庭裁判所の手続のなかで子どもとの交流を試験的に行う「親子交流の試行的実施」という枠組みが新たに設けられました。この記事では、その仕組み・進み方・どのような場合に相当でないとされるのかを、守谷・取手エリアの実情にも触れながらわかりやすく整理します。
別居をきっかけに子どもに会えなくなると、「離婚が成立するまで会えないのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。しかし、離婚が成立していない別居中であっても、親と子の交流(親子交流・面会交流)について話し合い、まとまらなければ家庭裁判所の調停や審判を利用して取り決めていくことができます。
従来は、離婚後の面会交流に関する規定が中心で、別居中の親子交流について明確に定めた規定は置かれていませんでした。2026年4月施行の改正では、別居中の親と子の交流についてのルールが整理されるとともに、家庭裁判所の手続が進んでいる間に試験的な交流を行う「親子交流の試行的実施」の枠組みが新設されました。
親子交流の試行的実施は、離婚調停や子の監護に関する処分の審判など、家庭裁判所の手続が進んでいる途中で、実際に親子が交流してみることを家庭裁判所が促す制度です。これにより、交流の可否や方法を、現実の様子を踏まえてより具体的に検討できるようにすることが目的とされています。
根拠となる規定は、扱う手続の種類によって次のように分かれています。審判事件については家事事件手続法第152条の3、調停事件については同法第258条第3項によって第152条の3が準用され、離婚訴訟などの人事訴訟については人事訴訟法第34条の4です。
条文上、家庭裁判所は試行的実施を促すにあたって、交流の方法、交流をする日時及び場所、家庭裁判所調査官その他の者の立会いその他の関与の有無を定めることができます。あわせて、子の心身に有害な影響を及ぼす言動を禁止することなど、適当と認める条件を付すこともできるとされています。
条文の文言も「試行的実施を促すことができる」とされており、応じるかどうかは当事者の判断に委ねられています。試行的実施は、交流を命じて強制するものではなく、実際に交流してみることを通じて、その後の話し合いや判断の材料を得るための仕組みと位置づけられています。
もっとも、家庭裁判所は試行的実施を促したときは、当事者に対してその結果の報告を求めることができ、試行的実施をしなかったときは、その理由の説明を求めることができます。当事者がどのように対応したかは、その後の調停や審判における家庭裁判所の判断の資料となる場面があります。
条文上、試行的実施を促すための前提として「子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく」と定められています(家事事件手続法第152条の3第1項)。つまり、子どもにとって試験的な交流を行うことが相当でないと考えられる事情があるときは、家庭裁判所は試行的実施を促さない、という考え方です。
たとえば、子の安全や安心が害されるおそれがある場合など、子の福祉の観点から慎重な検討が必要な事情があるときは、その点が考慮されると考えられます。何が「相当でない事情」にあたるかは、子どもの年齢や心身の状況、これまでの経緯など、個別の事情によって判断が分かれるため、一律に決まるものではありません。
親子交流(面会交流)をめぐる手続には、話し合いの調停と、調停がまとまらない場合に裁判官が判断する審判があり、どこの家庭裁判所に申し立てるか(管轄)は手続によって異なります。調停は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、又は当事者が合意で定める家庭裁判所が管轄です。審判(子の監護に関する処分の審判事件)は、子の住所地を管轄する家庭裁判所が管轄です。別居中は、子どもが相手方と一緒に暮らしていることが多く、その場合は相手方の住所地と子の住所地が同じ家庭裁判所のエリアになることがよくあります。
茨城県南部の主な市町村について、地理的な担当区域(どの支部のエリアか)は次のとおりです。
| 管轄の家庭裁判所 | 主な対象市町村 |
|---|---|
|
水戸家庭裁判所 龍ケ崎支部 |
守谷市・取手市・龍ケ崎市・牛久市・稲敷市・河内町・利根町 |
|
水戸家庭裁判所 土浦支部 |
つくば市・土浦市・つくばみらい市・かすみがうら市・阿見町・美浦村・石岡市ほか |
|
水戸家庭裁判所 下妻支部 |
常総市・下妻市・結城市・筑西市・坂東市・古河市ほか |
親子交流をめぐる問題は、別居後に時間が経つほど、子どもの生活環境や気持ちの変化が交流の進め方に影響することがあります。「どう話し合えばよいか」「どの手続を選べばよいか」がご自身では判断しにくいときは、早めに方針を整理しておくことが大切です。
TX(つくばエクスプレス)沿線の守谷市・つくばみらい市や、JR常磐線沿線の取手市は、東京方面へ通勤する共働き世帯や、他地域から転入してきた核家族世帯が多い地域です。そのため、別居が始まったときに近くに頼れる親族がいないというご家庭も少なくありません。子どもに会えない期間が長引く前に、親子交流の進め方を早めに整理しておくことが、後の話し合いや手続を落ち着いて進めることにつながります。
別居・離婚調停中の親子交流についてお困りの方は、状況をお聞きしたうえで、取り得る手続や進め方をご説明します。初回相談は面談またはZOOMで承っています。一人で抱え込まず、まずはご相談ください。
📞 050-3623-1320
・別居中・離婚調停中の面会交流の進め方
・面会交流調停の流れと申立ての方法
守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部にお住まいの方からの、別居中・離婚調停中の親子交流(面会交流)に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
・e-Gov法令検索(デジタル庁)
・家事事件手続法(平成23年法律第52号)第152条の3・第258条第3項
・人事訴訟法(平成15年法律第109号)第34条の4
・茨城県内の管轄区域表(裁判所)
・民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)/2026年4月1日施行
・2026年5月30日:記事を公開しました。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は【令和8年(2026年)5月】時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年5月30日|最終更新日:2026年5月30日
