養育費の未払いに新制度
「ワンストップ執行手続」とは
— 守谷・取手・つくばみらい在住の方へ
主な取扱分野:離婚・親権・養育費・婚姻費用・面会交流・家事事件全般
| Q1 | 養育費の「ワンストップ執行手続」とは何ですか? |
従来の養育費の強制執行では、相手方の財産や勤務先がわからない場合、まず財産開示手続を申し立て、それでも判明しなければ次に第三者からの情報取得手続を申し立て、そこで判明した勤務先や預貯金に対してさらに差押命令の申立てを行うという、3段階の手続が必要でした。
改正法では、これら3つの段階を1通の申立書で連続的に処理できるようにし、債権者(養育費を受け取る側)の手続的・経済的負担を軽減することが目的とされています。令和8年4月1日以降に申し立てる手続から適用されます(改正法附則7条)。
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改正前(〜令和8年3月)
1財産開示手続を申立て
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2勤務先情報取得手続を別途申立て
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3給与差押命令を別途申立て
申立て3回/予納金も都度必要
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改正後(令和8年4月〜)
1財産開示・情報取得・差押えを1通で申立て
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→裁判所内で連続的に処理
申立て1回/負担が軽減
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| Q2 | ワンストップ執行手続を使うには何が必要ですか? |
強制執行は、裁判所が「この債権について強制的に取り立ててよい」と公的に認めた文書(債務名義)がなければ動かせません。養育費の場面で代表的な債務名義は次のとおりです。
① 家庭裁判所の養育費調停調書・審判書、② 離婚訴訟の判決書(養育費に関する部分)、③ 公正証書(「金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する」旨の強制執行認諾文言が入っているもの)。
LINE・メールでの「月◯万円払うね」というやりとりや、私文書での合意書だけでは、強制執行のための債務名義としては不十分です。離婚時に取り決めをしていないか、口約束だけだった場合は、まずは家庭裁判所の養育費請求調停を申し立てて債務名義を取得するところから始める必要があります。
| Q3 | 守谷市・取手市・つくばみらい市から申立てる場合、どこの裁判所が窓口? |
強制執行手続は、相手方(債務者)の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てるのが原則です。仮にあなた自身が守谷市に住んでいても、相手方がつくばみらい市に住んでいれば申立先は土浦支部、相手方が取手市内に住んでいれば申立先は龍ケ崎支部になります。
守谷・取手・つくばみらい3市はTX(つくばエクスプレス)沿線で隣接していますが、家庭裁判所・地方裁判所の管轄支部は次のとおり分かれています。当事者の双方がTX沿線の隣の駅同士に住んでいても、申し立てる裁判所は別の場所になり得るという点は、見落とされがちな実務ポイントです。
| 守谷市 |
水戸地方裁判所/家庭裁判所 龍ケ崎支部 〒301-0824 龍ケ崎市4918 |
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| 取手市 |
水戸地方裁判所/家庭裁判所 龍ケ崎支部 〒301-0824 龍ケ崎市4918 |
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| つくばみらい市 |
水戸地方裁判所/家庭裁判所 土浦支部 〒300-0043 土浦市中央1-13-12 |
| Q4 | 改正前と改正後で何が一番変わるのですか? |
従来は、相手方の財産・勤務先がわからない場合、(1)財産開示手続の申立書作成・提出、(2)その結果を待ち改めて第三者からの情報取得手続を申立て、(3)判明した勤務先や預貯金に対して差押命令を申立て、と3段階に分けて手続を進める必要がありました。それぞれの段階で申立書を作り直し、収入印紙・予納郵券・予納金などの実費を都度負担する必要がありました。
改正法では、これらを1通の申立書で連続的に処理する仕組みが導入されました。申立て後に財産開示期日が開かれ、相手方が財産(給与債権など)を開示すれば、別途差押えの申立てをしなくても、その給与債権に対する差押命令の申立てがされたとみなして手続が進みます。
相手方が財産開示に出頭しない、または財産を開示しない場合には、執行裁判所が市区町村などの第三者に勤務先情報の提供を命じる仕組みも整備されました(民事執行法167条の17第2項)。
| Q5 | 相手方の勤務先を知らなくても養育費を取れますか? |
市区町村は、住民税の特別徴収(給与から天引きする方式)を実施している事業所を把握していることが多く、ここに照会することで相手方の勤務先が判明する場合があります。日本年金機構や厚生年金実施機関への照会ルートも従前から制度化されています(民事執行法206条)。
ただし、相手方が転職を繰り返している、自営業である、副業・パート収入のみで給与所得者ではない、といった場合には、勤務先照会だけでは差押え対象が見つからないこともあります。その場合は預貯金に関する情報取得手続(民事執行法207条)を併用するなどの工夫が必要です。
| Q6 | 支払い停止から何年も経っています。今からでも回収できますか? |
養育費は毎月発生する定期金債権であり、各月の養育費請求権ごとに消滅時効が問題になり得ます。家庭裁判所の調停調書・審判書がある場合と、公正証書がある場合、何も債務名義がない場合とで、検討の入り口が異なります。
また、改正法で新設された養育費に関する先取特権の制度や、ワンストップ執行手続の利用可能性も含めて、今ある資料と相手方の状況を総合的に見ながら、現実的に回収が見込めるラインを探ることになります。
「もう何年も経ったから無理だろう」と最初から諦めずに、まずは手元の資料(離婚協議書・調停調書・公正証書・LINEのやりとりなど)を整理して、弁護士にご相談いただくのが現実的です。
守谷・取手・つくばみらい一帯は、TXの開通後に首都圏のファミリー層が多く転入してきた地域で、夫婦・親子をめぐる家事事件のニーズが厚いエリアです。一方で、相手方が東京方面(北千住・秋葉原方面)に通勤しているケースも多く、給与差押えの対象となる勤務先が都内であることが珍しくありません。「住んでいるのは茨城県南でも、給与の支払元は東京都内」というパターンは、申立て準備の段階で勤務先の名称・所在地の特定が必要になる場面でも、改めて意識しておくと整理が早くなります。守谷・取手は龍ケ崎支部、つくばみらいは土浦支部と管轄が異なる点と合わせて、地元の方には知っておいていただきたいポイントです。
養育費の取り決めや、支払いが止まっている状況については、ご家庭ごとに事情がまったく異なります。これまで諦めていた未払い分についても、新制度の活用を含めて状況を伺ったうえでご説明します。守谷・取手・つくばみらいをはじめTX沿線・常磐線沿線の方は、お気軽にご相談ください。
〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
📞 050-3623-1320
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守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部にお住まいの方からの養育費・婚姻費用・親権・面会交流に関するご相談をお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
・民事執行法(昭和54年法律第4号)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
・民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について|法務省
・債権執行等(養育費等に基づく差押え)|裁判所
・茨城県内の管轄区域表|裁判所
- 2026年5月27日:初版公開(令和8年4月1日施行の改正民事執行法167条の17に対応)
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)5月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年5月27日/最終更新日:2026年5月27日
