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飲酒運転で人身事故を起こしてしまったら|守谷市・つくばみらい市・取手市・常総市

YOSHITSU LAW · COLUMN

飲酒運転で人身事故を起こしてしまったら
— 問われる罪・逮捕後の流れ・事故直後の行動の注意点

守谷・取手・常総・つくばみらいエリアで活動する弁護士が解説します
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属(登録番号57714)/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:刑事弁護・交通事故・家族法・企業法務
飲酒運転で人身事故を起こしてしまった方、またはそのご家族の方へ。お酒を飲んだ状態で人にけがを負わせてしまった、あるいはそれ以上の結果になってしまった——そのとき、ご本人もご家族も、これからどうなるのか見当もつかない不安の中にいらっしゃるはずです。この記事では、飲酒運転による人身事故でどのような罪に問われ得るのか、逮捕からどのような手続が進むのか、そして事故直後の行動が結果にどう影響し得るのかを、法律の条文に基づいて整理します。冷静に状況を把握するための一助となれば幸いです。
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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q 飲酒運転で人をはねてしまいました。どんな罪に問われますか?
A
結論として、飲酒運転で人を死傷させた場合は、事故そのものについて「過失運転致死傷罪」または「危険運転致死傷罪」が問題となり、これに飲酒運転自体の罪(酒気帯び運転・酒酔い運転)が加わるのが基本的な構造です。

飲酒運転で人身事故を起こした場合、問われ得る罪はひとつではありません。事故の結果(人の死傷)についての罪と、飲酒して運転したこと自体の罪が、それぞれ別に評価されます。

まず、事故の結果については、運転上必要な注意を怠って人を死傷させた場合に成立するのが過失運転致死傷罪です。法定刑は7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金とされています。

【根拠】自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第5条:「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」

これに対し、飲酒の影響が重い場合には、より重い危険運転致死傷罪が問題となります。アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で運転して人を死傷させた場合、負傷であれば15年以下の拘禁刑、死亡であれば1年以上の有期拘禁刑とされています(同法第2条第1号)。また、アルコールの影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転し、その影響で正常な運転が困難な状態に陥って人を死傷させた類型もあり、こちらは負傷で12年以下、死亡で15年以下の拘禁刑とされています(同法第3条第1項)。

そして、これらの事故の罪とは別に、飲酒して運転したこと自体について、道路交通法上の酒気帯び運転または酒酔い運転の罪が成立し得ます。酒酔い運転(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態での運転)は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(道路交通法第117条の2第1項第1号)、酒気帯び運転(身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態での運転)は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(同法第117条の2の2第1項第3号)と定められています。

どの罪が成立するか、どの程度の処分が見込まれるかは、飲酒量や運転の状況、けがの程度など個別の事情によって大きく異なります。実際の見通しについては、弁護士に具体的な事情をお伝えのうえご相談ください。
Q 事故のあと、こわくてその場を離れてしまいました。どうなりますか?
A
結論として、人身事故を起こした運転者がその場を離れると、事故そのものの罪とは別に、救護義務違反(いわゆるひき逃げ)・報告義務違反の罪が問題となり得ます。動転してその場を離れてしまう方は少なくありませんが、なるべく早く弁護士にご相談ください。

交通事故を起こしたとき、運転者には法律上の義務があります。道路交通法は、交通事故があったときは、直ちに運転を停止して負傷者を救護し、道路における危険を防止する措置を講じること、そして警察官に事故の状況を報告することを運転者に義務づけています。

【根拠】道路交通法(昭和35年法律第105号)第72条第1項(抜粋):交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、「直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない」。

この救護の義務に違反した場合、その人の死傷が運転者自身の運転に起因するものであるときは、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となり得ます(道路交通法第117条第2項)。これがいわゆる「ひき逃げ」と呼ばれる類型です。また、警察官への報告を怠ったこと自体も、3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金の対象となり得ます(同法第119条第1項第17号)。

事故の瞬間は、誰でも強い動揺に襲われます。頭が真っ白になり、その場から離れてしまう方は決して珍しくありません。ただ、客観的には、立ち去る行為はこうした罪に問われる可能性のある行為です。すでにその場を離れてしまったという場合でも、できるだけ早い段階で対応を考えることが大切です。今後どう行動すべきかを含め、まずは弁護士にご相談ください。

⚠️ けがをした方がいる可能性がある場合、まず最優先すべきは負傷者の救護と119番・110番への連絡です。相手が「大丈夫」と話していても、けがの有無は外見だけでは判断できません。
Q 事故のあとに自宅でお酒を飲みました。これも問題になりますか?
A
結論として、事故後に飲酒の影響を分からなくする目的で行われた行為は、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」という別の罪の対象となり得ます。気が動転しての行動であっても、客観的にはこの罪が問題となる場面があるため、注意が必要です。

あまり知られていませんが、飲酒運転による人身事故には、事故そのものの罪とは別に、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という罪が定められています。これは、飲酒運転で人を死傷させた人が、運転していたときのアルコールの影響がどの程度だったかを分からなくする目的で一定の行為をした場合に成立するものです。

【根拠】自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第4条(抜粋):飲酒等の影響により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転した者が、運転上必要な注意を怠り人を死傷させた場合において、「その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させること」その他発覚を免れるべき行為をしたときは、12年以下の拘禁刑に処する。

条文が想定しているのは、たとえば、事故後にさらにお酒を飲んで「事故の後に飲んだ」と見せかけようとする行為や、時間を空けて体内のアルコールを抜こうとする行為です。事故の罪より重い法定刑が定められているのは、こうした「逃げ得」を許さないためと説明されています。

注意していただきたいのは、この罪が問題になるのは「発覚を免れる目的」がある場合だという点です。事故のショックで帰宅し、落ち着こうとしてお酒を口にした、というような場合に、その目的があったといえるかどうかは、事故前後の状況を総合して判断される事柄であり、一律に決まるものではありません。ご自身の行動がこの罪に当たるのか不安に感じている場合は、事実関係を整理したうえで弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

取調べでは、事故後の行動についても詳しく質問されることが想定されます。記憶があいまいなまま不正確な説明をすると、かえって不利な方向に受け取られることがあります。どのように説明すればよいか迷う場合は、早めに弁護士に相談してください。
Q 逮捕されると、このあとどんな流れになりますか?
A
結論として、逮捕後は、警察・検察による身柄拘束の判断(勾留)を経て、検察官が起訴・不起訴を決める流れが基本です。期間には法律上の上限が定められています。

逮捕された場合の手続は、おおむね次のように進みます。逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官に送致するかを判断し、送致を受けた検察官は24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に、引き続き身柄を拘束する「勾留」を裁判所に請求するかどうかを判断します。

1
逮捕・送致
逮捕後、警察での取調べを経て、原則48時間以内に検察官へ事件が送られます。
2
勾留
勾留が認められると、原則10日間、延長で最大20日間まで身柄拘束が続くことがあります。
3
起訴・不起訴
検察官が、起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴後は刑事裁判で審理されます。
— 逮捕からの基本的な流れ —

勾留が認められると、原則10日間、延長されるとさらに10日間、最大20日間ほど身柄拘束が続くことがあります。この間に取調べが行われ、検察官は集まった証拠や事情をもとに、起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴された場合は、刑事裁判で審理が行われます。

飲酒運転による人身事故、特に被害が大きい場合には、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすく、身柄拘束を伴う形で手続が進むことが多い類型です。一方で、身柄拘束をできるだけ短くするための弁護活動として、勾留しないよう求める意見書の提出や、勾留決定に対する不服申立て(準抗告)といった方法があります。逮捕の連絡を受けたら、早い段階で弁護士に相談することが重要です。

守谷・取手・つくばみらいなどTX沿線・常磐道沿いの地域は、車での通勤・送迎が生活の前提になっているご家庭が多く、身柄拘束が長引くと仕事や家族の生活への影響が深刻になりがちです。だからこそ、手続の早い段階での対応が大切になります。
Q 刑事処分のほかに、運転免許の処分も受けるのですか?
A
結論として、刑事処分と運転免許の行政処分は別の手続です。刑事処分とは別に、公安委員会による免許の取消し・停止といった行政処分を受けることが想定されます。

交通事故・交通違反をめぐっては、ひとつの出来事に対して複数の責任が問題となります。代表的なものが、刑罰に関わる刑事責任、運転免許に関わる行政処分、被害者への賠償に関わる民事責任の3つです。これらはそれぞれ別の手続で進みます。

刑事処分
裁判所・検察官が担う
拘禁刑や罰金などの刑罰に関わる手続。検察官が起訴・不起訴を判断し、起訴されれば裁判所が審理します。
行政処分
公安委員会が担う
運転免許の取消し・停止に関わる手続。違反の点数制度に基づき、刑事処分とは別に判断されます。
— 刑事処分と行政処分は別の手続 —

飲酒運転による人身事故の場合、刑事処分とは別に、運転免許の取消しや一定期間の停止といった行政処分を受けることが想定されます。注意したいのは、刑事手続で不起訴となった場合でも、行政処分は別途行われ得るという点です。判断する主体もタイミングも異なるため、「刑事で不起訴になったから免許も大丈夫」とはいえません。

なお、当職では、飲酒運転による人身事故の刑事弁護を中心にご相談をお受けしています。運転免許の行政処分そのものを争うご依頼は取り扱っておりませんので、あらかじめご了承ください。
Q 弁護士に相談すると、どんなことをしてもらえますか?
A
結論として、弁護士は、取調べへの対応の助言、被害者の方への対応(謝罪・示談)、ご本人に有利な事情を整理して検察官・裁判所に伝える活動などを行います。

飲酒運転による人身事故は、結果が重い類型です。弁護士に依頼しても結果を約束できるものではありませんが、ご本人が置かれた状況の中で取り得る対応を一緒に考え、進めていくことが弁護士の役割です。具体的には、次のような活動があります。

取調べへの対応の助言。逮捕された場合、ご本人は不安の中で取調べに臨むことになります。どのような点に注意して受け答えをすべきか、黙秘権をどう理解すればよいかなど、弁護士が助言します。

被害者の方への対応。人身事故では、被害者の方への謝罪と賠償、示談が、その後の処分や量刑を考えるうえで重要な意味を持ちます。ご本人やご家族が直接連絡を取ることが難しい場面でも、弁護士が間に入って対応を進めることができます。任意保険による対応とあわせて、どのような形が適切かを検討します。

有利な事情の整理と主張。反省の状況、再発防止に向けた取組み、ご本人を取り巻く環境など、判断にあたって考慮され得る事情を整理し、検察官や裁判所に対して書面などの形で伝えていきます。

刑事事件は、時間の経過とともに取り得る対応が限られていくことがあります。ご本人やご家族が逮捕の連絡を受けた、あるいは警察から呼び出しを受けたという段階で、できるだけ早めにご相談ください。
守谷・TX沿線エリアと飲酒運転の事故

守谷市・つくばみらい市・常総市・取手市の一部といったTX(つくばエクスプレス)沿線・常磐道沿いの地域は、鉄道駅から離れた住宅地が広がり、買い物も送り迎えも車が前提という生活が一般的です。一世帯で複数台の車を持つご家庭も多く、運転免許は日常生活と切り離せません。

それだけに、飲み会や会食のあとの運転、深夜の幹線道路での運転といった場面は、誰にとっても身近なものです。万が一、飲酒運転で人身事故を起こしてしまったとき、ご本人やご家族は刑事手続への不安に加えて、仕事や家族の送迎をどうするかという生活そのものの不安にも直面します。だからこそ、起きてしまった事実に冷静に向き合い、早い段階で見通しを立てることが大切になります。

ご相談にあたって(取扱範囲)

この記事は、飲酒運転によって人身事故(人のけが・死亡)を起こしてしまった場面を中心に解説しています。当職は、飲酒運転による人身事故の刑事弁護を中心にご相談をお受けしています。事故を伴わない酒気帯び運転・酒酔い運転のみのご相談、および運転免許の行政処分そのものを争うご依頼は、当職では取り扱っておりません。あらかじめご了承ください。

CONTACT

飲酒運転による人身事故でお困りの方、またはそのご家族の方は、当職までご相談ください。ご本人が置かれた状況をお聞きしたうえで、見込まれる手続の流れや取り得る対応についてご説明します。初回のご相談は、面談またはZoomで承っています。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
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更新履歴

2026年5月19日 記事公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)5月時点の情報に基づいています。法律・実務の取扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年5月19日|最終更新日:2026年5月19日