特別養子縁組とは — 成立要件・二段階審判・戸籍の記載と、守谷・取手・柏・松戸エリアの管轄家裁
養親候補者の方へ。特別養子縁組は、昭和63年施行の、実親との親族関係を終了させて養親との実子同様の親子関係を成立させる制度で、家庭裁判所の審判で成立します。令和2年4月からは対象年齢が原則15歳未満に引き上げられ、手続きも二段階制になりました。本記事では、成立要件・手続・戸籍の記載・里親制度との違い・当地域(守谷・取手・龍ケ崎・つくばみらい・柏・野田・我孫子等)の管轄家裁を整理します。
- 特別養子縁組とは何か。普通養子縁組との違い
- 養親の要件(夫婦・年齢)
- 養子の年齢要件(15歳・18歳の例外)
- 実父母の同意と例外
- 手続きの流れ(二段階審判)
- 戸籍の記載はどうなるか
- 審判後の届出期限・即時抗告
- 当地域の管轄家庭裁判所
- 成立後の離縁はできるか
- 里親制度との違い
「家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において『特別養子縁組』という。)を成立させることができる。」
「二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。」
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 原則 | 申立て時に15歳未満 |
| 例外① | 15歳前から継続監護されている場合、18歳未満まで申立て可 |
| 例外② | やむを得ない事由で15歳までに申立てできなかった場合も同様 |
| 審判時点 | 18歳に達するまでに成立していなければならない |
| 15歳以上 | 本人の同意が必要 |
第1項「第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない。特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。」
第3項「養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。」
「特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。」
実父母による養育状況が著しく困難または不適当であること等(民法817条の7)、および実父母の同意の有無・同意不要事由(民法817条の6ただし書)の有無を確認する手続きです。この審判では、児童相談所長が申立人または参加人として関与することができる仕組みが設けられています。 第2段階:特別養子縁組の成立の審判
養親となる者が養子となる子を6か月以上監護した状況(試験養育)を考慮して、特別養子縁組の成立がふさわしいかを家庭裁判所が判断します(民法817条の8)。家庭裁判所調査官による家庭訪問や養親候補者・関係者との面談が実施されるのが通例です。 二段階に分けられたことで、養親候補者は実親側の同意や適格性の問題を先に確認したうえで試験養育に入ることができ、途中で実親の翻意によって縁組が成立しないリスクが軽減されています。
| 戸籍 | 身分事項欄の主な記載 |
|---|---|
| 養親の戸籍(養子) | 「民法817条の2による裁判確定」と間接記載/続柄は「長男」「長女」 |
| 新戸籍(経由) | 「特別養子となる縁組の裁判確定」(単独で一時編製) |
| 実親の戸籍 | 養子は除籍。「特別養子となる縁組の裁判確定」と記載 |
| お住まい | 管轄の家庭裁判所 |
|---|---|
| 守谷市・取手市・龍ケ崎市・牛久市・北相馬郡利根町など | 水戸家庭裁判所龍ケ崎支部 |
| つくばみらい市・つくば市・土浦市・かすみがうら市・石岡市など | 水戸家庭裁判所土浦支部 |
| 常総市・下妻市・筑西市・結城市・古河市・坂東市 | 水戸家庭裁判所下妻支部 |
| 柏市・野田市・我孫子市・流山市・松戸市・鎌ケ谷市 | 千葉家庭裁判所松戸支部 |
「次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、養子と養親との離縁をさせることができる。
一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二 実父母が相当の監護をすることができること。」
| 項目 | 里親制度 | 特別養子縁組 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 児童福祉法 | 民法817条の2以下 |
| 法的関係 | 親子関係は発生しない | 親子関係が成立 |
| 実親との関係 | 原則として存続 | 終了(民法817条の9) |
| 戸籍 | 実親の戸籍のまま | 養親の戸籍に入る |
| 公的支援 | 里親手当等あり | 縁組後は実子と同様 |
| 主な窓口 | 児童相談所 | 家庭裁判所 |
守谷・取手・つくばみらい・柏・流山といった常磐線・つくばエクスプレス沿線は、都心通勤圏でありながら比較的住宅環境が整い、児童相談所(茨城県土浦児童相談所、千葉県柏児童相談所)も圏内にあります。一方で、前述のとおり家庭裁判所の支部は守谷から龍ケ崎、つくばみらいから土浦、柏から松戸へと分かれており、「県境を越えずに通える家裁」のイメージが実際の管轄と一致しないことがあります。また、つくばエクスプレス沿線で引っ越しが多いご家庭では、申立て直前の転居が管轄に影響する場面もあります。縁組の事前段階から管轄家裁と支部の運用を想定しておくと、手続きがスムーズに進みやすい地域です。
- 里親として預かっているお子さんを特別養子にしたい
- 養親候補としての年齢について不安がある
- 家庭裁判所の調査官面談・家庭訪問への対応を整理したい
- 将来、お子さんにどう事実を伝えるか迷っている
- 申立書・添付資料の作成や、戸籍への反映まで通してサポートしてほしい
特別養子縁組は、成立要件も手続きも複雑で、審判の見通しはご家庭ごとに大きく異なります。弁護士にご依頼いただくと、家庭裁判所への申立書作成、申立てに必要な資料の収集、調査官面談への対応、戸籍への反映までを一貫してサポートできます。状況をお聞きしたうえで、見込みや進め方をご説明します。
📞 050-3623-1320
守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の養親候補者の方からの特別養子縁組に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
・民法(明治29年法律第89号) e-Gov法令検索(デジタル庁)
・戸籍法(昭和22年法律第224号) e-Gov法令検索(デジタル庁)
・民法等の一部を改正する法律(特別養子関係)について(法務省民事局、令和元年6月14日公表)
・特別養子縁組制度について(こども家庭庁)
・茨城県内の管轄区域表(裁判所)
・千葉家庭裁判所松戸支部(裁判所)
- 2026年4月19日:記事公開
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年4月19日|最終更新日:2026年4月19日
