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外国人が逮捕されたら?アメリカ・タイ・中国・スリランカ・ベトナム・カンボジアなど・守谷市・取手市・つくば市・つくばみらい市・つくば市

刑事弁護・少年事件

外国人が逮捕されたら?
刑事手続きと在留資格への影響を弁護士が解説

弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)市川法律事務所に所属する弁護士です。

「家族が突然逮捕されたが、日本語がわからない」「勤務先の外国人スタッフが警察に連行された」——外国人の方が刑事事件に関わった場合、言語の壁に加えて在留資格への影響という問題も生じます。このページでは、外国人の刑事事件における手続きの流れと、弁護人として早期に対応することの重要性についてご説明します。

Q外国人が逮捕された場合、通訳人は付いてもらえるのですか?
A

はい、法律上の義務として通訳人が付きます。公判(裁判)において国語に通じない者が陳述をする場合、通訳人による通訳が義務づけられています。

根拠|刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第175条「国語に通じない者に陳述をさせる場合には、通訳人に通訳をさせなければならない。」

この規定は公判段階の規定ですが、実務上は起訴状の朗読・冒頭陳述・証人尋問・論告弁論に至るまで、法廷でのやりとり全般にわたって通訳される運用が採られています。

捜査段階(逮捕後の取調べ等)においても、日本語を理解しない外国人に対しては原則として通訳人を介して行うものとされています(犯罪捜査規範第233条第1項)。

通訳人が付く言語は裁判所・捜査機関が手配しますが、マイナーな言語では手配に時間がかかることがあります。弁護人が独自に通訳人と連絡を取れる体制があると、接見(面会)でのコミュニケーションをスムーズに進められます。
Q逮捕後の手続きの流れを教えてください。
A

外国人であっても、刑事手続きの基本的な流れは日本人と同様です。ただし、通訳時間の確保が必要なため、各段階に通常より時間を要する場合があります。

逮捕
警察署に身柄を拘束される。逮捕後48時間以内に送致または釈放。
送致・勾留請求
検察官が裁判官に勾留を請求する。送致後24時間以内。
勾留
原則10日間(最長20日間)の身柄拘束。逮捕からの通算で最長23日間。
起訴・不起訴
検察官が起訴するか判断する。勾留期間内。
公判
裁判所での審理(通訳あり)。起訴後おおむね1〜数ヶ月(自白か否認かによって異なる)。
弁護人は逮捕直後から接見(面会)することができます。早期に接見することで、取調べへの対応についての助言や、家族への連絡、勾留阻止・保釈申請の準備を進めることができます。
Q外国人は勾留・保釈の面で不利になることがありますか?
A

実務上、外国人であることが勾留や保釈判断に影響する場合があります。被疑者段階の勾留は刑事訴訟法第207条が第60条を準用しており、勾留の要件のひとつに「逃亡のおそれ」があります(刑事訴訟法第207条・第60条第1項第3号)。外国人の場合は国外逃亡の可能性が日本人より現実的であるとして、勾留が認められやすい傾向が指摘されています。

保釈申請においても、逃亡のおそれは重要な考慮事情とされます。そのため、弁護活動としては、

  • 日本との生活上のつながり(家族・仕事・居住年数等)を具体的に示す
  • 住居・身元引受人を確保する

といった対応を早期から進めることが重要です。

⚠️ 勾留・保釈の判断は事案の内容や個別の事情によって異なります。具体的な見通しについては弁護士にご相談ください。
Q刑事処罰を受けると、在留資格はどうなりますか?
A

刑事処罰の内容によっては、退去強制手続の対象になる場合があります。ただし、逮捕・勾留それ自体によって在留資格が失われることはありません。退去強制事由が問題になるのは有罪判決の確定後です。出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第24条は退去強制事由を定めており、刑事事件との関係で特に注意が必要な類型は以下のとおりです。

一般刑事犯|第24条4号リ
昭和26年11月1日以後に、無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者が対象です。
※刑の全部執行猶予・実刑部分1年以下の一部猶予は対象外
薬物犯罪|第24条4号チ
麻薬及び向精神薬取締法・大麻草の栽培の規制に関する法律・あへん法・覚醒剤取締法・麻薬特例法・刑法第2編第14章の罪による有罪判決が対象です。
※刑の軽重を問わず、有罪判決を受けた時点で対象
別表第1在留資格者の特定犯罪|第24条4号の2
就労・留学等の在留資格で在留中に、刑法所定の傷害・暴行・窃盗・強盗・詐欺等の章の罪、暴力行為等処罰法・盗犯等防止法・特殊開錠用具所持禁止法・自動車運転死傷行為処罰法・盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律第22条の罪による拘禁刑が対象です。
※執行猶予付き判決でも対象になりうる点に注意
少年|第24条4号ト
少年法に規定する少年で、昭和26年11月1日以後に長期3年を超える拘禁刑に処せられた者が対象です。
⚠️ 「別表第1在留資格者の特定犯罪」(4号の2)は、執行猶予付き判決でも退去強制事由に該当する場合がある点に注意が必要です。依頼者の在留資格・判決内容によって影響は大きく異なります。
退去強制事由に該当する場合でも、例外的ではありますが日本に家族がいる・長期間居住しているなどの事情があるときは、在留特別許可(出入国管理及び難民認定法第50条第1項)が認められることがあります。在留資格・退去強制に関する具体的な手続きについては、入管法を専門とする弁護士にもご相談ください。
Q退去強制手続はどのような流れで進みますか?
A

退去強制手続は刑事手続とは別の行政手続です。刑事裁判で有罪判決が確定した後、入国管理当局が独自に手続を進めます。大まかな流れは以下のとおりです。

① 違反調査
入国警備官が退去強制事由の該当性を調査する。
② 収容・審査
退去強制事由があると疑われる場合、収容令書により収容される場合がある。入国審査官が退去強制事由の有無を審査する。
③ 認定・通知
退去強制事由に該当すると認定された場合、認定通知書が交付される。
④ 口頭審理・異議申出
認定に不服がある場合、3日以内に特別審理官へ口頭審理を請求できる。さらに不服がある場合は法務大臣へ異議を申し出ることができる。
⑤ 在留特別許可
退去強制事由に該当する場合でも、特別な事情がある場合には法務大臣が在留特別許可を付与することがある。
⑥ 退去強制令書の執行
許可が認められない場合、退去強制令書に基づき出国となる。
在留特別許可(出入国管理及び難民認定法第50条第1項)が認められやすい事情としては、日本人・永住者・特別永住者との婚姻関係、日本人との間に生まれた子の養育、長期にわたる在留実績、人道上の配慮が必要な事情などが挙げられます。退去強制手続の早い段階から、こうした事情を整理・記録しておくことが重要です。
⚠️ 刑事手続と退去強制手続は別々に進行します。刑事裁判で執行猶予付き判決を受けて釈放された後も、退去強制手続が開始される場合があります。
Qどの言語に対応できますか?
A

弁護士 吉津和輝は、以下の言語の通訳人と連携した対応が可能です。刑事事件では早期の接見・コミュニケーションが重要であり、通訳人とのつながりがある体制は被疑者・被告人の方に安心していただける点のひとつです。

英語 英米圏・アフリカ・東南アジア等
タイ語 タイ
シンハラ語 スリランカ
中国語 中国・台湾等
ベトナム語 ベトナム
クメール語 カンボジア
上記以外の言語をお使いの場合も、まずはご相談ください。状況に応じて対応方法をご説明します。
Q家族が逮捕された場合、まず何をすればよいですか?
A

できるだけ早く弁護士に連絡することをお勧めします。弁護士は逮捕直後から接見(面会)することができ、以下のような対応を早期に取ることができます。

  • 本人への状況確認・取調べへの対応方法についての助言
  • 勾留を防ぐための意見書の提出
  • 保釈申請の準備
  • 在留資格への影響の見通しの確認
  • ご家族への状況報告
外国人の方が被疑者・被告人となる事件では、言語の壁によって本人が手続きの内容を十分に理解できない場合があります。通訳人と連携した弁護活動により、本人が状況を正確に把握した上で対応できる環境を整えることが重要です。

「外国籍の家族が逮捕されてしまった」「どの言語で対応してもらえるか不安」——状況をお聞きした上で、対応できることをご説明します。外国人の刑事事件についてのご相談はお気軽にどうぞ。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)4月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。