離婚協議書・調停条項 2026年民法改正(共同親権)・弁護士吉津和輝

 

離婚 / 民法改正対応

離婚協議書・調停条項
2026年民法改正(共同親権)

弁護士 吉津和輝 ※2026年4月施行の改正民法に対応 (茨城県弁護士会所属) 市川法律事務所に所属する弁護士です。

2026年4月1日、共同親権を導入する改正民法が施行されました。これにより、離婚協議書・調停条項の書き方は大きく変わります。改正前のひな型をそのまま使うと、後のトラブルにつながるリスクがあります。弁護士が改正のポイントを解説します。

Q改正前と何が変わったのですか?NEW
A
改正前は、離婚すれば親権者は必ずどちらか一方の単独親権となり、「親権者を母(または父)と定める」という一文で親権の問題は完結していました。改正後は、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」が選択可能になりました(民法819条改正)。共同親権を選ぶ場合、決めなければならない事項が大幅に増えます。単独親権を選んだ場合も、「親子交流」(従来の面会交流)の条項の書き方が変わっています。
Q共同親権を選ぶ場合、協議書・調停条項に何を盛り込む必要がありますか?
A
以下の項目をすべて整理しておく必要があります。
親権の態様
共同親権か単独親権かを明記
監護者の定め
どちらが監護者となるか(民法824条の3)
日常行為の範囲
どこまでを日常行為と扱うか明示しておく方が安全
重要事項の決定方法
協議の手順、協議不調時の対処(例:調停申立)
居所指定
子の生活拠点をどちらに置くか
親子交流
交流の頻度・方法(電話・メール等も含めて)
養育費
法定養育費(月2万円)との関係も整理
改正前のひな型には監護者・日常行為・重要事項決定方法などの条項がありません。改正後の実態に合わせた条項を一から設計する必要があります。
Q「重要事項」の定め方で注意すべき点は何ですか?
A
改正民法は「重要事項」について明確な定義を置いていません。実務上、転居・手術・進学校の選択などは重要事項にあたると考えられていますが、その他どのようなことが重要事項となるか、争いになることが予想されます。条項に「以下の事項は双方の合意を要するものとする」として具体的に列挙しておくことで、後のトラブルを防ぎやすくなります。
列挙の仕方が広すぎると日常生活に支障が出ますし、狭すぎると共同親権の意味が薄れます。事案に応じたバランスが重要で、弁護士と丁寧に設計することをお勧めします。
Q単独親権を選んだ場合も条項の書き方は変わりますか?
A
変わります。改正により、従来の「面会交流」という言葉が「親子交流」に改められました(民法766条改正)。それに伴い、条項のスタンダードも変化しています。また、祖父母との交流をどう扱うかについても、ケースによっては条項に盛り込むかどうか検討が必要です。単独親権を選ぶ場合でも、改正前のひな型をそのまま流用するのは避け、改正後の実態に沿った書き方に更新することをお勧めします。
Q自分たちで協議書を作っても大丈夫ですか?
A
共同親権を選ぶ場合は特に、弁護士のサポートを強くお勧めします。決めるべき事項が増え、かつ「決め方が曖昧なまま合意した」ことが後々の紛争の種になりやすい改正です。インターネット上のひな型の多くはまだ改正前のものであり、そのまま使うことは危険です。公正証書にする場合も、内容が不完全であれば強制執行できない条項が混在してしまうリスクがあります。
離婚後に「条項が曖昧で話し合いが進まない」と相談に来られるケースが今後増えることが予想されます。最初の段階でしっかり設計することが最も合理的です。

2026年民法改正に対応した離婚協議書・調停条項の作成・レビューを承っております。共同親権・単独親権いずれのケースもご相談ください。

弁護士 吉津和輝

 

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