【弁護士業務とAI—新時代に提供する法律サービス】

YOSHITSU LAW · COLUMN

弁護士のAI活用
— 一般の方の使い方と何が違うのか

新しい時代の法律サービスのかたち
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属(登録番号57714)/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:企業法務・家族法・刑事弁護・交通事故・労働問題・相続
前回の記事(AIと弁護士)でもお話ししましたが、AIの進化は弁護士業務に大きな変化をもたらしています。本記事では、私が実際にどのようにAIを活用しているか、そしてそれが依頼者の方にとってどのようなメリットをもたらすかについてお話しします。
— 法律問題のご相談を承っています —
📞 050-3623-1320 📧 メールで相談
弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
01 AIを活用した法令調査

弁護士業務において、法令の調査は非常に重要です。

私はAIをe-Gov法令検索などの法令データベースと連携させて活用しています。これにより、条文に基づいた正確な法的判断をより迅速に行えるようになりました。

もちろん、弁護士として条文の要件や解釈についてはもちろん専門知識を持っています。そこで、自分の知識の確認のため、AIを自身のサポートツールとして活用しており、最終的な判断を必ず弁護士として行っています。

使い方のイメージ:条文の確認 → AIで論点整理・関連条文の洗い出し → 弁護士として最終判断 → 依頼者にご説明、というステップで活用しています。
02 一般の方のAI活用との違い

最近、依頼者の方がAIで調べた情報を持参してご相談に来られるケースが増えています。AIで法律情報を調べることは素晴らしいことです(話が早くなる、話を受け入れてもらうスピードが早くなることもあるため)。

ただ、一般の方がAIを使う場合と、弁護士がAIを使う場合には大きな違いがあります。

CASE A
一般の方の場合
— 入力内容に影響されやすい
「自分に有利な結果になってほしい」という気持ちが入力に反映されると、AIがその方向に都合よく回答してしまうことがあります。これがAIバイアス(アルゴリズムバイアス/機械学習バイアス)の問題です。専門用語・要件をAIが拾いきれず、独自の誤った要件を立ててしまうこともあります。
CASE B
弁護士の場合
— 要件を踏まえて入力・検算する
そもそも重要な要件を踏まえて入力したうえでAIに確認します。仮にAIの回答に誤り・偏りがあれば、それがおかしいと気づき修正できます。AIを知識のサポートや加速要素として活用しつつ、最終判断は専門家の目で行います。
— 一般の方と弁護士で「AIへの入り方」がそもそも異なる —

例えばどんなに破綻した投資理論を持っている人でも、その理論に一部でも的を射ているところがあれば、AIは称賛しますし、否定はあまりしないことが多いです(もっとも、「忌憚なく答えて」「客観的に見て教えて」などと入力すると、予想外にキツい答えが出てくることもありますが…)。

バイアスがかかった場合、本来考慮要素として客観的には重要でない事実を「重要な事実」「有利な事実」として取り扱ってしまうため、相談者の方が誤った知識を持ってご来所されることも少なくありません。

要は、もともと目的地がある程度見えている中でAIを使っているので、単純に精度も上がりますし、悩む時間も減り、処理スピードが段違いに上がります。おそらくAIを使っている弁護士と使っていない弁護士、さらにはどのAI(人工知能)を使っているかによっても、仕事のスピードや細かいところの正確性に差が出ると考えています。

弁護士としてのプライドや自分への自信がないのか、と言われると、そういう問題というよりかは、仕事の質がより良く、より早くできるのであれば、依頼者のためになるのなら、AIを使えばいいのではないか——と、ある程度割り切って考えるようにしています。
03 AIは弁護士のブースト

AIの登場によって、「弁護士の仕事はなくなる」という議論をよく耳にします。

私の考えは少し違います。先ほども述べたとおり、能力をブーストするツールだと考えています。

1
調査・処理
1事件あたりの調査・処理・確認時間が大幅に短縮
2
意思決定
意思決定が迅速になり、より多くの事件に対応可能
3
文書品質
文書の質・正確性が向上
— AI活用による業務ブーストの3ステップ —

つまり、より多くの方に、より質の高い法律サービスを提供できるようになりやすいということです。弁護士費用はAIを利用してもしなくても同じでしょうから、これは依頼者の方にとっても、より良いお話です。

実際、私もAIに触れて利用するようになってから、もちろん自分比ではありますが、スピードと正確性が上がりました。

04 AIがあっても、弁護士が必要な理由

もっとも、AIがどれだけ進化しても、弁護士が必要な場面はなくなりません。

法律問題は、単に「正しい答えを出す」だけでは解決しないことが現場では多いです。

依頼者の話を丁寧に聞き、状況を正確に把握し、その方の置かれた状況に合わせた、後悔しない解決策を一緒に考える——この部分は、人間の弁護士にしかできないことです。

私自身、多くの法律問題にあたっていると、有利だと思う事案も不利だと思う事案もたくさんあります。仮に不利な事案で負けようとも、後悔しない選択を一緒に人として考えることは、その方のその後の人生においてはとても重要なことだと思っています。

また、交渉・調停・裁判の場面では、相手方や裁判官との対話・駆け引きも必要です。私に人徳があるかという点はさておき、人柄や話し方、伝え方という点について、AIはこの部分を代替することはできません(裁判官までAIになれば別かもしれませんが)。

AI · STRENGTH
AIが得意な領域
条文・判例の検索と整理
論点の網羅的な洗い出し
文書のドラフト・校正
処理スピードの底上げ
HUMAN · ESSENCE
弁護士にしかできない領域
依頼者の話を丁寧に聴くこと
後悔しない選択を一緒に考えること
相手方・裁判官との対話と駆け引き
事案ごとのオーダーメイド戦略
— AIと弁護士の役割分担 —

よくあるご質問

Q AIに相談すれば弁護士はいらないのではないですか?
A
結論として、AIは弁護士の業務を加速させるツールですが、弁護士の役割を完全に代替するものではありません。

AIは条文・判例の検索、論点整理、文書ドラフト等で大きな力を発揮しますが、依頼者の方が置かれた個別状況の把握や、相手方・裁判所との交渉・調停・裁判での対応など、人間の判断・対話が必要な場面が多くあります。AIで予習として情報収集していただくことは大いに有益ですが、最終判断は弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

Q AIで調べた内容を持参して相談してもいいですか?
A
むしろ歓迎しています。話が早くなりますし、ご相談者ご自身の理解も深まります。

AIで法律情報を事前に調べていただくことは、相談時の意思疎通をスムーズにします。一方で、AIは入力内容に影響を受けやすく、ご相談者の主観や希望に沿った回答を返す傾向(AIバイアス)があります。

そのため、AIの回答が事案の客観的な評価とずれている場合もあります。AIで得た情報を「叩き台」としてお持ちいただき、弁護士と一緒に検証する——という使い方が、現状最も建設的だと考えています。

Q 守谷・取手・常総・つくばみらい・北柏エリアでも相談できますか?
A
はい、対応しています。茨城県南部・千葉県北西部の方からのご相談をお受けしています。

つくばエクスプレス(TX)沿線の守谷市・つくばみらい市はもちろん、取手市・常総市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市、千葉県側の野田市・我孫子市・北柏エリアの方からのご相談に対応しています。初回相談は面談またはZOOMで承っています(電話のみでの相談は承っておりません)。

おわりに

依頼者様の事案は同じ分野であっても1件1件異なるため、弁護士業務はオーダーメイドです。

オーダーメイドの仕事に高性能の人工知能を掛け合わせていくことにより、より質の高いサービスを提供する。弁護士も様々ですが、私はこのような考え方も新しい時代の弁護士のあり方の一つだと考えています(もちろん、他の弁護士の先生のあり方を否定する気は全くありません)。

もしかしたら、いずれは人間が完全に人工知能に負けてしまう時が来てしまうかもしれませんが、AIに負けないよう自分の知識の研鑽を怠らないようにもしないといけないと、気が引き締まる思いです。

法律問題でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

CONTACT

守谷・取手・つくばみらい・常総・牛久・龍ケ崎・つくば・土浦・野田・我孫子・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の方からのご相談をお受けしています。状況をお聞きしたうえで、対応できる内容をご説明します。お気軽にお問い合わせください。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
📧 [email protected]
📞 050-3623-1320
対応エリア

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の方からのご相談をお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。

参考資料・情報源

e-Gov法令検索(デジタル庁)

更新履歴

2026年5月5日 記事公開

本サイトの記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)5月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年5月5日/最終更新日:2026年5月5日