不貞(浮気)慰謝料の証拠チェックと弁護士への依頼|守谷・つくばみらい・常総・取手|有効な証拠の見分け方と進め方

YOSHITSU LAW · COLUMN

不貞(浮気)慰謝料の証拠チェックと弁護士への依頼
— 有効な証拠の見分け方と進め方

守谷・取手・つくばみらい・常総・柏の弁護士が、民法の条文を確認しながら解説します
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属/2018年12月弁護士登録(登録から約7年)
主な取扱分野:離婚・男女問題/慰謝料請求/親権・養育費/相続
配偶者の不貞(浮気)に気づき、慰謝料を請求したいと考えている方へ。「手元の写真やLINEは証拠になるのか」「これ以上どう集めればよいのか」「弁護士に頼むべきタイミングはいつか」——多くの方が同じところで迷われます。この記事では、慰謝料請求で有効になる証拠の見分け方、証拠集めで気をつけたいこと、時効、そして弁護士に相談・依頼するメリットとタイミングを、民法の条文を確認しながら整理します。
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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
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Q 「不貞行為」とは何ですか。浮気とどう違いますか。
A
結論として、慰謝料請求の対象になる「不貞行為」とは、配偶者のある人が自由な意思に基づいて配偶者以外の人と肉体関係(性的関係)を持つことをいいます。

日常会話でいう「浮気」は、人によって意味の幅があります。一方、慰謝料請求や裁判で問題になる「不貞行為」は、原則として肉体関係があったかどうかが大きな分かれ目になります。二人で食事に行った、手をつないだ、「好き」「会いたい」とメッセージを送っていた、という事情だけでは、肉体関係があったとまでは認められにくく、それだけで慰謝料が認められるとは限りません。

不貞行為は、民法上の「不法行為」にあたり、慰謝料(損害賠償)請求の対象になります。また、配偶者に不貞な行為があったことは、裁判で離婚を求めるときの理由(法定離婚事由)の一つにもなっています。

【根拠】民法(明治29年法律第89号)第709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
同法第770条第1項第1号:(裁判上の離婚の事由として)配偶者に不貞な行為があったとき。
「肉体関係はないが親密な関係だった」というケースで慰謝料が認められるかどうかは、関係の内容や経緯によって判断が分かれます。個別の事情によって結論が変わりますので、迷う場合は弁護士にご相談ください。
Q LINEや写真は慰謝料の証拠になりますか。どんな証拠が有効ですか。
A
結論として、有効な証拠は「肉体関係があったことをうかがわせるもの」です。日常的なデートの写真や「好き」だけの文面は、証拠としては弱いことが多いです。

たとえば、ラブホテルに二人で出入りする写真・動画、ホテルや旅行の領収書・利用明細、肉体関係をうかがわせる具体的なメッセージのやり取りなどは、有力な証拠になり得ます。これらが単独で決め手にならない場合でも、複数の証拠を組み合わせることで、不貞があったことを推認させる材料になることがあります。

また、1回きりの事情よりも、ある程度の期間・回数にわたる「継続性」が分かる証拠がそろっているほうが、評価されやすい傾向があります。慰謝料の金額を考えるうえでも、関係がどのくらい続いていたかは一つの要素になります。

有力肉体関係をうかがわせる証拠
・ラブホテルへ二人で出入りする写真・動画
・ホテル・旅行の領収書、利用明細
・肉体関係をうかがわせる具体的なメッセージ
補強単独では弱いが、組み合わせで意味を持つ
・頻繁な連絡・通話の履歴
・二人で写る写真、プレゼントの記録
・外出の頻度・パターンを示すメモ
弱いそれだけでは証拠になりにくいもの
・外でデートしているだけの写真
・「好き」「会いたい」だけの文面
・本人の推測・うわさ話
図1:証拠の強さの目安(個別の事案によって評価は異なります)
手元の資料が証拠として使えるかどうかは、内容や前後の事情によって変わります。「これは証拠になるのか分からない」という段階で弁護士に確認しておくと、足りない証拠を効率よく補える場合があります。
Q 証拠を集めるときに、やってはいけないことはありますか。
A
結論として、相手のアカウントへの無断ログインなど、違法・不適切な方法での証拠集めは避けてください。かえって不利になったり、責任を問われたりするおそれがあります。

気持ちが急くあまり、つい無理な方法をとってしまう方がいらっしゃいます。しかし、集め方を誤ると、証拠として使いにくくなるだけでなく、ご自身が法的な責任を負うことにもなりかねません。

⚠️ 次のような方法は避けてください。
・配偶者やパートナーのスマートフォン・SNS・メールのアカウントに無断でログインして中身を取得する行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)に触れるおそれがあります。
無断でのGPS機器の取り付けによる位置情報の取得は、法律に触れる場合があるほか、プライバシーの侵害として逆に損害賠償を求められるリスクがあります。
・「ばらすぞ」などと告げて慰謝料を払わせる行為は、脅迫罪・恐喝罪などに問われるおそれがあります。

また、証拠を見つけるとすぐに相手に突きつけたくなりますが、問い詰めると証拠を消されたり、関係を隠されたりすることがあります。請求するまでは、証拠の存在をできるだけ伏せておくほうが安全です。どこまでが許される証拠集めなのか迷うときは、行動を起こす前に弁護士に確認することをおすすめします。

Q 慰謝料は誰に、いくら請求できますか。
A
結論として、慰謝料は不貞をした配偶者と不貞相手の双方に請求でき、二人は連帯して責任を負います。ただし、両方から二重に受け取ることはできません。

不貞行為は、配偶者と不貞相手が共同で行った不法行為と評価されます。そのため、二人は連帯して損害賠償の責任を負い、一方にだけ全額を請求することもできます。もっとも、慰謝料は精神的損害に対する賠償ですので、同じ損害について配偶者と不貞相手の両方から重ねて受け取ることはできません。

【根拠】民法第710条:(前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、)財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
同法第719条第1項:数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。

金額については、婚姻期間の長さ、不貞の期間・回数、不貞が原因で別居や離婚に至ったかどうかなどの事情によって幅があり、一律に決まるものではありません。具体的な金額の見通しは、事情をお聞きしたうえでご説明します。

なお、慰謝料の請求額が140万円を超えるかどうかで、第一審を担当する裁判所が簡易裁判所か地方裁判所かに分かれます(裁判所法第33条第1項第1号)。どの手続で進めるかは、金額や相手方の対応によって変わります。
⚠️ 「離婚したこと自体」を不貞相手に請求できるかは要注意です。最高裁判所第三小法廷 平成31年2月19日判決(平成29年(受)第1456号、最高裁判所民事判例集73巻2号187頁)は、夫婦の一方が、不貞相手(第三者)に対して「離婚したこと自体」を理由とする慰謝料を請求できるのは、その第三者が夫婦を離婚させることを意図して不当な干渉をしたなどの特段の事情がある場合に限られる、と判断しました。ただし、これは「離婚そのもの」を理由とする請求についての判断であり、不貞行為そのものを理由とする慰謝料の請求が否定されたわけではありません。
Q いつまでに請求すればよいですか(時効)。
A
結論として、不貞行為を理由とする慰謝料の請求権は、被害者が「損害」と「加害者」を知った時から3年で時効により消滅します。

つまり、配偶者の不貞があったことと、不貞相手が誰かを知ってから3年が一つの目安になります。また、知ったかどうかにかかわらず、不貞行為があった時から20年が経過した場合も請求できなくなります。

【根拠】民法第724条:不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

注意したいのは、不貞に気づいた後、すぐに離婚や請求に踏み切らず、別居して様子を見ているうちに3年が過ぎてしまうケースがある点です。時効が迫っている場合には、内容証明郵便による請求など、時効への対応を早めに検討する必要があります。期限が心配なときは、できるだけ早く弁護士にご相談ください。

Q 弁護士に依頼するメリットと、相談のタイミングは。
A
結論として、証拠を相手に見せて問い詰める前の、できるだけ早い段階での相談が有効です。

弁護士に相談・依頼することで、たとえば次のような点でサポートを受けられます。

場面 弁護士に相談・依頼するメリット
証拠の評価 手元の証拠で不貞を立証できそうか、何が足りないかの見通しを聞ける
相手の特定 相手の住所などが分からない場合、弁護士会を通じた照会で相手を特定できることがある
交渉の代理 感情的になりやすい相手方との交渉を、代理人として進めてもらえる
合意・訴訟 示談書(合意書)の作成や、交渉がまとまらない場合の訴訟まで一貫して任せられる

早めに相談することで、不利になる証拠集めを避けられ、時効にも間に合わせやすくなります。下の図は、相談から解決までの一般的な流れです。

1
弁護士に相談
手元の証拠・経緯を整理し、見通しと方針を確認します。
2
証拠の評価・方針決定/相手の特定
証拠の強さを評価し、必要に応じて相手方を特定します。
3
請求・交渉
内容証明郵便などで請求し、相手方と交渉します。
4
示談(合意書)/訴訟
合意できれば示談書を作成。まとまらない場合は訴訟を検討します。
図2:相談から解決までの一般的な流れ(事案により異なります)
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CONTACT

配偶者の不貞(浮気)の慰謝料は、手元の証拠の内容や、時効までに残された期間によって、取り得る対応が変わります。まずは状況とお手元の資料をお聞きしたうえで、見通しと進め方をご説明します。お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。初回のご相談は面談またはZOOMで承っています。

弁護士 吉津和輝
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参考資料・情報源

e-Gov法令検索(デジタル庁)
民法(明治29年法律第89号)(第709条・第710条・第719条・第724条・第770条)
裁判所法(昭和22年法律第59号)(第33条)
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)
裁判所「裁判例検索」(最高裁判所第三小法廷 平成31年2月19日判決/平成29年(受)第1456号/民集73巻2号187頁)

更新履歴

・2026年6月30日:記事を公開しました。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)6月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月30日/最終更新日:2026年6月30日