· 

交通事故で脊髄損傷を負ったら|守谷市・つくばみらい市・常総市・取手市|適正な後遺障害等級を受けるために知っておきたいこと

交通事故・損害賠償

交通事故で脊髄損傷を負ったら|守谷市・つくばみらい市・常総市・取手市|適正な後遺障害等級を受けるために知っておきたいこと

弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属/2018年12月弁護士登録(登録から約7年)
主な取扱分野:交通事故・損害賠償、後遺障害、刑事弁護、家族法
交通事故で脊髄損傷を負った被害者・ご家族の方へ。脊髄損傷は重い後遺症が残ることがある一方で、後遺障害等級の認定が難しく、「脊髄損傷なのに非該当」「想定より低い等級」となって争いになることが少なくありません。本記事では、適正な等級を受けるために知っておきたいポイントと事故直後からの対策を、自賠法施行令の条文をもとに守谷市の弁護士が整理します。
— 交通事故・後遺障害のご相談を承っています —
📞 050-3623-1320 📧 メールで相談
弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q 交通事故の脊髄損傷では、どんな後遺症が残るのですか?
A
結論として、脊髄損傷では、損傷した高さと程度に応じて、手足の麻痺(運動障害)、感覚の障害、排尿・排便の障害などが残ることがあります。

脊髄とは、背骨(脊椎)の中を通っている中枢神経の束で、脳と全身の間で「動き」や「感覚」の信号を伝える役割を担っています。交通事故で強い衝撃を受けて脊髄が損傷すると、損傷した部位より下の身体に、麻痺や感覚障害などの症状が生じることがあります。

一般に、首に近い頚髄(けいずい)を損傷すると両手・両足を含む広い範囲に、胸髄・腰髄を損傷すると主に下半身に症状が及びやすいとされています。また、脊髄が部分的に損傷した「不全損傷」では、麻痺が残る部分とある程度機能が残る部分が混在することもあり、症状の現れ方は一人ひとり異なります。

バイクや自転車は車体による保護が少なく、事故の際に大きな衝撃を受けやすいといわれています。守谷市・取手市・つくばみらい市は自家用車・バイク・自転車の利用が多い地域でもあり、こうした重い受傷につながる事故への備えが大切です。
Q 脊髄損傷の後遺障害等級は、どのように決まるのですか?
A
結論として、麻痺の範囲と程度などをもとに、自賠法施行令の別表第一・別表第二に定められた等級にあてはめて判断され、損害保険料率算出機構が審査します。

交通事故による後遺障害の等級は、自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)の別表第一・別表第二に定められています。脊髄損傷は、主に「神経系統の機能又は精神の障害」として、麻痺の範囲(四肢麻痺・対麻痺・片麻痺・単麻痺など)と程度(高度・中等度・軽度など)を考慮して等級にあてはめられます。

神経系統の機能又は精神の障害に関する主な等級の文言は、以下のとおりです。

等級 施行令の定め(要旨)
別表第一 第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
別表第一 第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
別表第二 第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
別表第二 第5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
別表第二 第7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
別表第二 第9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
別表第二 第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
【根拠】自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)別表第一・別表第二。条文の正確な内容は、e-Gov法令検索でご確認いただけます。

後遺障害等級の認定は、自賠責保険の手続のなかで、損害保険料率算出機構(実際の調査は各地の自賠責損害調査事務所)が、後遺障害診断書などの提出資料をもとに審査して行います。等級認定には、提出する資料の内容が大きく影響します。

① 症状固定/これ以上治療しても改善が見込めない段階に至ったと医師が判断
② 後遺障害診断書の作成/麻痺の範囲・程度、画像所見、日常生活への支障などを医師に記載してもらう
③ 被害者請求 または 事前認定/被害者側で資料を整えて申請する方法と、相手方保険会社を通じる方法がある
④ 損害保険料率算出機構の審査/自賠責損害調査事務所が提出資料を調査
⑤ 等級認定 または 非該当/認定結果が通知される
⑥ 結果に不服があれば異議申立て/新たな資料を補って再審査を求めることができる
図1:後遺障害等級認定の大まかな流れ(手続の詳細は事案により異なります)
Q 脊髄損傷なのに「非該当・想定より低い等級」になることがあるのは、なぜですか?
A
結論として、麻痺などの症状が、画像所見や神経学的検査の結果と整合しているかが問われ、これらの裏付けが弱いと、脊髄損傷以外の原因が疑われることがあるためです。

後遺障害等級の認定では、自覚症状だけでなく、その症状を医学的に裏付ける客観的な所見が重視されます。脊髄損傷の場合、典型的には次のような点が争点になりやすいといえます。

画像所見との整合性
MRI・CTなどの画像上の異常と、訴えている麻痺・感覚障害の範囲が一致しているか。
神経学的所見の一貫性
徒手筋力テスト・反射・感覚検査などの結果が、診察ごとに一貫しているか。
症状の遅発
事故から時間をおいて症状が現れた場合、事故との因果関係が問われやすい。
既存障害・変性
事故前からの脊柱の変性が症状に関係していないかが問題になることがある。
図2:脊髄損傷の後遺障害で争点になりやすい主な要素

脊髄内の異常は、受傷後の早い時期に撮影したMRIで高信号領域として写りやすく、時間の経過とともに分かりにくくなっていくことがあります。そのため、画像所見が十分でないと、「症状はあるが脊髄損傷の裏付けが弱い」と評価され、想定より低い等級にとどまったり、非該当となることがあります。

⚠️ 画像・検査の結果と症状が結びつかないと判断されると、脊髄損傷ではなく別の原因によるもの、あるいは心因的なものと評価され、後遺障害の認定が難しくなる場面があります。事故直後の検査・記録が、後の認定を大きく左右します。
Q 保険会社から「もともとの持病が原因」と言われました。既存障害・素因減額とは何ですか?
A
結論として、事故前から存在した脊柱の変性などが症状に関係していると主張され、因果関係や賠償額が争われることをいいます。素因減額は、民法第722条第2項の過失相殺の規定を類推適用して賠償額を調整する考え方です。

脊髄損傷の事案では、後縦靱帯骨化症(OPLL)や脊柱管狭窄症など、事故前から存在した脊柱の変性が、もともと症状の出やすい状態をつくっていたのではないか、と相手方から主張されることがあります。中高年の方では、こうした変性がもともと存在することも珍しくないため、「症状は事故ではなく既存の変性によるものだ」という争いが起きやすい領域です。

このとき、被害者側の既往症や体質的な要因(素因)が損害の発生・拡大に寄与したとして、賠償額を一定割合減らすべきだという考え方が「素因減額」です。これは、過失相殺について定めた民法第722条第2項の規定を類推適用するという形で、裁判実務において用いられることがあります。

【根拠】民法(明治29年法律第89号)第722条第2項「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」
この過失相殺の規定が、被害者の素因を考慮する場面で類推適用されることがあります。

もっとも、事故前に変性があったとしても、それだけで当然に賠償額が減るわけではありません。事故前は症状がなく日常生活を送れていたのか、画像上の変性が実際の症状とどう関係しているのか、といった点をていねいに整理し、反論していくことが考えられます。「既存障害がある」という指摘が、ただちに賠償額の減額に直結するわけではない点に注意が必要です。

Q 適正な後遺障害等級を得るために、事故直後からできることはありますか?
A
結論として、早い段階での精度の高い画像検査、検査の一貫性、そして後遺障害診断書への具体的な記載が重要になります。

これまで見てきたとおり、脊髄損傷の後遺障害認定では「症状を医学的に裏付ける所見」が決め手になります。事故直後からの備えとして、次のような点が考えられます。

まず、脊髄内の異常は受傷後の早い時期のMRIで写りやすいとされているため、できるだけ早い段階で精度の高い画像検査を受けておくことが大切です。次に、徒手筋力テスト・反射・感覚検査などの神経学的検査を、診察ごとにできるだけ一貫した形で受けておくことが、所見の信頼性につながります。

そして、症状固定の段階で作成してもらう後遺障害診断書に、麻痺の範囲・程度や、関節可動域、日常生活・仕事への具体的な支障が漏れなく記載されているかを確認することも重要です。記載が不十分なまま申請すると、本来の症状が等級に反映されないおそれがあります。

交通事故の後遺障害や損害賠償の進め方については、交通事故・守谷市の弁護士|弁護士吉津和輝のご案内ページもあわせてご覧ください。
⚠️ どの検査をどの時期に受けるか、後遺障害診断書に何を記載してもらうかは、その後の等級認定や賠償額に大きく関わります。判断に迷う場合は、早めに弁護士にご相談いただくことで、見落としを防げる場合があります。
Q 守谷市・取手市で脊髄損傷の交通事故に遭ったら、どこに相談すればよいですか?
A
結論として、脊髄損傷は後遺障害の認定が難しく、等級が一段階変わるだけで賠償額が大きく変わるため、事故直後の早い段階で交通事故に対応する弁護士に相談することが考えられます。

脊髄損傷は、適正な等級を得るために事故直後からの検査・記録が重要で、かつ画像所見・既存障害・素因減額といった専門的な争点が絡みやすいケガです。後遺障害の等級は損害額を算定するうえで重要な要素となるため、認定結果に納得がいかない場合の異議申立てや、保険会社との示談交渉、訴訟への対応まで含めて、状況をお聞きしたうえでご説明することが可能です。

守谷市・取手市の交通事故損害賠償をめぐる訴訟は、相手方の住所地や事故の発生場所などによって管轄が決まりますが、お住まいの地域を管轄する裁判所としては、一般に水戸地方裁判所龍ケ崎支部などが関係します(つくばみらい市は土浦支部、常総市・坂東市は下妻支部が管轄区域です)。

事務所は守谷市けやき台にあります。初回のご相談は面談またはZOOMで承っています。後遺障害の認定結果や保険会社の提示に不安がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

守谷・取手・つくばみらいエリアの交通事故の実情

守谷市・取手市・つくばみらい市は、TX(つくばエクスプレス)沿線・常磐線沿線のベッドタウンとして人口が増えてきた一方で、東京都心への通勤や日常の買い物などで自家用車を使う場面が多い地域です。常磐自動車道(谷和原IC・守谷SA)や、千葉県柏市から北へ延びる国道294号といった幹線道路が南北に走り、周辺の常総市・坂東市には首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も通っています。自動車・バイク・自転車の交通量が多いことから、追突や出会い頭などの事故が起きています。重い受傷につながった場合に備え、事故直後の検査・記録のポイントを知っておくことが、後の後遺障害認定や賠償の場面で役立ちます。

CONTACT

交通事故で脊髄損傷を負われた方やご家族にとって、後遺障害の認定や保険会社とのやりとりは大きな負担になりがちです。まずは現在の状況やお手元の資料をお聞きしたうえで、見通しと取り得る対応をご説明します。後遺障害の認定結果や示談金の提示に不安がある段階でも、お気軽にご相談ください。

弁護士 吉津和輝
茨城県弁護士会所属/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
📧 [email protected]
📞 050-3623-1320
関連記事

交通事故・守谷市の弁護士のご案内:交通事故・守谷市の弁護士|弁護士吉津和輝
※後遺障害等級認定の流れ・むちうち等の記事を追加した際は、公開URLが確定した段階で手動でリンクを追加してください。

お住まいの地域の法律相談ページ

守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・坂東市など、TX(つくばエクスプレス)沿線・常磐線沿線の地域からのご相談に対応しています。お住まいの地域のページもご覧ください。

守谷市の法律相談 › 取手市の法律相談 › つくばみらい市の法律相談 › 常総市の法律相談 › 坂東市の法律相談 › 弁護士 吉津和輝 トップページ ›
対応エリア

守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部にお住まいの方からの、交通事故・脊髄損傷・後遺障害に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。

更新履歴

2026年6月19日:公開

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。後遺障害の認定や賠償の取り扱いは、個別の事案によって異なります。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)6月時点の情報・条文に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月19日/最終更新日:2026年6月19日