少年事件で子どもに弁護士をつける方法
— 国選・私選・付添人と費用のこと
| Q | 子どもが逮捕されました。少年事件でも弁護士をつけられますか? |
| A |
結論として、20歳未満の少年の事件でも、捜査の段階から家庭裁判所の審判まで、どの段階でも弁護士をつけることができます。
少年とは、少年法上、20歳に満たない者をいいます(少年法2条1項)。少年事件であっても、家庭裁判所に送られる前の捜査段階では、基本的に大人と同じ刑事訴訟法の手続が適用されます(少年法40条「準拠法例」)。そのため、逮捕・勾留された少年にも、大人と同じように弁護人をつけることができます。 注意したいのは、段階によって弁護士の呼び名が変わることです。捜査段階(家庭裁判所に送られる前)では「弁護人」、家庭裁判所に送られた後は「付添人(つきそいにん)」と呼びます。
— 手続の段階で、弁護士の役割の呼び名が変わります —
【根拠】少年法(昭和23年法律第168号)第40条:少年の刑事事件については、この法律で定めるものの外、一般の例による。
|
| Q | 捜査段階の「国選弁護人」と「私選弁護人」は何が違いますか? |
| A |
結論として、家庭裁判所に送られる前の捜査段階では、つくのは「付添人」ではなく「弁護人」です。弁護人には、費用を国が負担する国選弁護人と、ご家族などが自分で依頼する私選弁護人があります。
捜査段階で少年につく弁護士は「付添人」ではなく「弁護人」です。この弁護人には、次の2つの選び方があります。
— どちらが上位という関係ではなく、費用負担と選び方が異なります —
2016年の刑事訴訟法改正により、勾留されている事件であれば幅広く国選弁護の対象になりました。少年の場合も、勾留されればこの制度を利用できる場合があります。
⚠️ 被疑者国選弁護人は、勾留状が出ていることが要件です(刑事訴訟法37条の2第1項)。そのため、逮捕・勾留されていない在宅事件(身柄を拘束されないまま捜査が進む事件)では、国選弁護人はつきません。在宅の事件で弁護人をつけるときは、私選による方法があります。
【補足】国選弁護人は、勾留が決まった段階から付されるのが原則です。どの制度を利用するかは、お子さんの状況やご家庭のご事情をふまえて選ぶことになります。迷われたときは弁護士にご相談ください。
なお、国選か私選かは、どちらが優れているという問題ではありません。費用を誰が負担するか、どのような手続で弁護人が決まるかという点が違うものです。
【根拠】刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第37条の2第1項:被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。
|
| Q | 家庭裁判所に送られた後の「付添人」とは?国選付添人はありますか? |
| A |
結論として、事件が家庭裁判所に送られた後は、少年をサポートする弁護士を「付添人」と呼びます。一定の事件では、国の費用で付される「国選付添人」の制度があります(少年法22条の3)。
付添人は、少年と面会して事情を確認したり、学校・家庭などの環境を調整したり、家庭裁判所の調査官や裁判官に少年の処遇について意見を述べたりして、少年の更生に向けて活動します。 国選付添人には、たとえば検察官が審判に関与する決定がされた事件などで必ず付されるもの(少年法22条の3第1項)と、一定の重大な事件で観護措置(少年鑑別所への収容など)がとられている場合に、家庭裁判所の判断で付されるもの(同条2項)があります。国選付添人の対象や要件は事件によって異なり、すべての少年事件で当然に付くわけではありません。 国選付添人の対象とならない事件でも、次のQでご説明する援助制度を利用できる場合があります。
【根拠】少年法(昭和23年法律第168号)第22条の3第1項:家庭裁判所は、前条第一項の決定をした場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなければならない。
|
| Q | 弁護士費用を負担できないとき、ほかに使える制度はありますか? |
| A |
結論として、国選の対象とならない場合でも、少年や保護者に資力がないときは、弁護士会(日本弁護士連合会)の委託による援助制度を利用できる場合があります。
少年事件では、捜査段階・家庭裁判所の段階のそれぞれに、弁護士会が運営に関わる援助制度があります。たとえば、家庭裁判所の段階で国選付添人がつかない事件でも、付添人の費用について援助を受けられる制度(少年保護事件付添援助)が用意されています。捜査段階にも、被疑者の弁護費用を援助する制度があります。 これらの制度は、利用にあたって資力などの要件を審査されます。どの制度が使えるか、利用できるかどうかは、担当する弁護士に確認するのが確実です。
⚠️ 援助制度の利用には、所定の申込みと要件審査が必要です。必要性・相当性などの判断は事案によって異なります。
|
| Q | 18歳・19歳の子ども(特定少年)でも同じですか? |
| A |
結論として、18歳・19歳も少年法上は「少年」ですが、2022年4月施行の改正で「特定少年」として一部の取扱いが異なります。弁護人・付添人をつけられる基本的な枠組みは利用できます。
民法上の成年年齢は18歳に引き下げられましたが、少年法では今も20歳未満を「少年」としています(少年法2条1項)。そのうえで、18歳・19歳は「特定少年」と位置づけられ、検察官送致(逆送)の対象範囲などについて特別の定めがあります(少年法62条)。 もっとも、捜査段階で弁護人をつけられること、家庭裁判所の段階で付添人がつくことといった基本は変わりません。特定少年の詳しい取扱いは事案によって異なりますので、個別にご確認ください。 |
| Q | 守谷・取手・つくばみらいでは、審判はどこの裁判所で行われますか? |
| A |
結論として、守谷市・取手市・つくばみらい市にお住まいの場合、少年保護事件(少年審判)は水戸家庭裁判所土浦支部で取り扱われます。常総市・坂東市の場合は下妻支部です。
茨城県の家庭裁判所は、本庁(水戸)のほかに支部があり、地域によって担当が分かれています。ここで注意したいのが、相続などの家事事件と、少年事件とで、担当する支部が異なる場合があることです。 たとえば守谷市・取手市は、家事事件の管轄は龍ケ崎支部ですが、少年保護事件は土浦支部が取り扱います。つくばみらい市も少年事件は土浦支部、常総市・坂東市は下妻支部です。お子さんがどこで身柄を拘束されているか(少年鑑別所の場所など)によって、面会の段取りも変わってきます。
【補足】管轄は事件の種類等によって例外がある場合があります。正確な取扱裁判所は、お近くの裁判所にもご確認ください。
|
守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・坂東市は、TX(つくばエクスプレス)沿線・常磐線沿線で、東京・千葉方面への通勤通学者が多い地域です。お子さんが学校帰りや外出先(東京都内・千葉県内など)で補導・逮捕されるケースもあり、その場合は身柄のある地域の警察署・弁護士会が関わることになります。ご家庭が県南にあっても、初動でどこに連絡すればよいか迷われることは少なくありません。早い段階で弁護士に状況を整理してもらうことで、見通しが立てやすくなります。
お子さんが逮捕・補導されたとき、ご家族はどの制度を使えばよいのか、すぐには判断がつきにくいものです。当職は、お子さんの状況やご家庭のご事情をお聞きしたうえで、国選・私選・付添人・援助制度といった選択肢を整理してご説明します。初回のご相談は面談またはZOOMで承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
📞 050-3623-1320
少年審判の流れ・観護措置・少年鑑別所などについての関連記事を予定しています。
守谷市・取手市・つくばみらい市・常総市・坂東市など、TX(つくばエクスプレス)沿線・常磐線沿線の地域からのご相談に対応しています。お住まいの地域のページもご覧ください。
守谷市の法律相談 › 取手市の法律相談 › つくばみらい市の法律相談 › 常総市の法律相談 › 坂東市の法律相談 › 弁護士 吉津和輝 トップページ ›守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・坂東市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部の保護者の方からの少年事件に関するご相談もお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
・2026年6月16日:記事を公開しました。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)6月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月16日|最終更新日:2026年6月16日
