家賃を滞納された大家・オーナーの対応|守谷市・つくばみらい市・常総市・取手市|契約解除・明渡しの進め方とやってはいけないこと
家賃を滞納された大家・オーナーの対応 — 契約解除・明渡しの進め方とやってはいけないこと
アパート・マンションを貸している大家・オーナーの方へ。入居者の家賃滞納が続くと、「すぐに出て行ってもらいたい」と考えるのが自然です。もっとも、家賃滞納を理由とする契約解除・明渡しには、法律上のルールと一定の手順があります。本記事では、解除が認められる目安、明渡しまでの流れ、そして避けるべき「自力救済」について、民法の条文に沿って整理します。
賃貸借契約は、貸主が物件を使わせ、借主が賃料を払い、終了時に返還することを内容とする継続的な契約です(民法第601条)。契約に違反(家賃の不払い)があった場合、相当の期間を定めて支払いを催告し、その期間内に支払いがなければ契約を解除できるのが原則です(民法第541条)。
もっとも、賃貸借は長く続く関係であることから、実務では「信頼関係破壊の法理」という考え方が用いられています。これは、家賃滞納などの違反があっても、貸主と借主の信頼関係が破壊されたといえる程度に至って初めて解除が認められる、という考え方です。一般的には、滞納が3か月程度に及ぶと信頼関係の破壊が認められやすい傾向があるとされますが、滞納額、滞納に至った経緯、それまでの支払状況、借主の対応などを総合的に考慮して判断されます。
まず、滞納が生じた段階で、電話・書面などで支払いを促します。任意の支払いがない場合、相当の期間を定めて支払いを催告し、その期間内に支払いがなければ契約を解除する旨を、記録の残る内容証明郵便で通知することが一般的です(民法第541条)。
それでも明渡しに応じない場合、建物明渡しを求める訴訟を提起します。訴訟は、物件の所在地を管轄する裁判所に提起します。判決や和解で明渡しが認められても、借主が任意に退去しない場合は、別途、強制執行の手続きが必要になります。
契約を解除するには、借主に解除の意思表示を「到達」させる必要があります。意思表示は、相手方に到達した時から効力を生じます(民法第97条)。借主の所在が分からない場合でも、相手方を知ることができない、または所在を知ることができないときは、公示による意思表示という方法をとることができます(民法第98条)。この場合、最後に官報に掲載した日などから2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなされます。
訴訟手続の中で書類を送達する場面でも、所在が分からない相手方に対しては、公示送達の制度があります(民事訴訟法第110条)。
日本の法律では、権利を実現するための手続きは裁判所を通じて行うのが原則で、当事者が実力で権利を実現する「自力救済」は、原則として認められていません。家賃の滞納が続いていても、貸主が一方的に部屋へ立ち入ったり、入居者の荷物を運び出したりすることはできません。明渡しは、判決を得て強制執行の手続きによって実現します。
家賃の滞納は、借主の賃料支払義務の不履行にあたります。建物の賃料は、原則として毎月末に支払うものとされています(民法第614条)。契約を解除した後も借主が居座っている場合、その占有によって貸主は本来得られたはずの賃料相当額を失うため、賃料相当額の損害金(使用損害金)を請求できる場合があります。
連帯保証人や家賃保証会社が付いている場合は、そちらへの請求も検討します。遅延損害金の利率は、契約に定めがあればその定めによります。
つくばエクスプレスの開業以降、守谷市・つくばみらい市などTX沿線では宅地開発と集合住宅の建設が進み、相続で賃貸物件を引き継いだ方や、転居・住み替えに伴い自宅を賃貸に出す個人オーナーの方も見られます。管理会社に委託していても、契約解除の意思表示・明渡訴訟・強制執行といった法的措置は、原則として貸主自身が行う必要があります。滞納が長期化する前の段階で、契約書・入金記録・督促の記録を整理しておくことが、その後の手続きを進めやすくします。
家賃滞納や明渡しは、滞納の状況や契約内容、入居者の対応によって取るべき手順が変わります。当職が状況をお聞きしたうえで、考えられる進め方をご説明します。初回のご相談は面談またはZOOMでお受けしています。
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- 2026年6月15日:記事を公開しました。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)6月時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月15日|最終更新日:2026年6月15日
