不同意性交の被害に遭われた方へ
— 加害者への損害賠償・慰謝料請求の方法
主な取扱分野:犯罪被害の損害賠償・慰謝料請求・刑事弁護・家族法・交通事故
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・茨城県:性暴力被害者サポートネットワーク茨城
029-350-2001(公益社団法人いばらき被害者支援センター内/平日9〜17時・女性相談員)
・千葉県:千葉性暴力被害支援センターちさと「ほっとこーる」
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| Q | 不同意性交の被害について、加害者に慰謝料などの損害賠償を請求できますか? |
| A |
結論として、加害者に対して、慰謝料を含む損害賠償を請求できる場合があります。根拠となるのは、不法行為に関する民法のルールです。
他人の権利や法律上保護される利益を故意・過失によって侵害した者は、それによって生じた損害を賠償する責任を負います。性被害は、身体や性的自由といった重大な利益への侵害にあたるため、この不法行為に基づく損害賠償請求の対象となり得ます。 また、身体やこころの傷のような財産以外の損害(精神的損害=慰謝料)についても、賠償の対象になります。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第709条:「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
同第710条:他人の身体・自由・名誉等を侵害した場合、財産以外の損害に対しても賠償しなければならない、と定められています。 なお、刑法では、令和5年(2023年)の改正により「強制性交等罪」が「不同意性交等罪」に改められ、婚姻関係の有無にかかわらず処罰の対象となることが明記されました(刑法第177条)。民事の損害賠償も、婚姻関係の有無で当然に否定されるものではありません。 |
| Q | 加害者は刑事裁判で処罰されました。それとは別に、私から損害賠償を求めることもできますか? |
| A |
結論として、刑事処罰と民事の損害賠償は別の手続です。加害者が刑事裁判で有罪となった場合でも、被害を受けた方が民事で賠償を求めることは可能です。
刑事手続は、国(検察官)が加害者を起訴し、刑罰を科すかどうかを判断する手続です。被害者が直接お金を受け取るための手続ではありません。一方、民事の損害賠償は、被害を受けた方ご自身が加害者に対して金銭の賠償を求める手続です。目的も当事者も異なるため、両方を行うことができます。
— 刑事手続と民事の損害賠償の違い —
なお、刑事手続の中で加害者側から示談の申入れがされることがあります。示談の内容(賠償額や、加害者の処罰に関する被害者の意向の取扱いなど)は、その後の民事・刑事の双方に影響します。応じるかどうか、どのような条件にするかは慎重な判断が必要ですので、示談の話が出た段階で弁護士にご相談いただくことをおすすめします。 |
| Q | 損害賠償として、慰謝料のほかにどのようなものを請求できますか? |
| A |
結論として、精神的損害(慰謝料)に加えて、被害によって実際に生じた費用や収入の減少なども、損害として請求できる場合があります。
請求できる損害の主な項目には、次のようなものがあります。いずれも、被害との因果関係や金額を裏づける資料が必要です。
・慰謝料(精神的苦痛に対する賠償)
・治療費・通院費(精神科・心療内科の受診費用、カウンセリング費用を含むことがあります) ・通院などの交通費 ・休業損害・逸失利益(被害により仕事を休んだ、働けなくなったことによる収入の減少) ・弁護士費用の一部(事案により損害として認められることがあります) 慰謝料をはじめとする賠償額は、被害の内容、心身への影響の程度、その後の経過など、個別の事情によって大きく異なります。一律の金額が決まっているものではありません。具体的な見通しについては、事情をお伺いしたうえでご説明します。 |
| Q | 被害から時間が経っています。今からでも損害賠償を請求できますか? |
| A |
結論として、損害賠償請求には期間の制限(消滅時効)があります。ただし、被害が身体やこころの健康を害するものである場合には、期間が伸びることがあります。残された期間は事案により異なるため、早めの確認をおすすめします。
不法行為に基づく損害賠償請求権は、原則として、①損害および加害者を知った時から3年、または②不法行為の時から20年、のいずれかの経過で時効により消滅します。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第724条:不法行為による損害賠償請求権は、「損害及び加害者を知った時から3年間」または「不法行為の時から20年間」行使しないときに時効消滅する、と定められています。
もっとも、民法第724条の2は、「人の生命又は身体を害する不法行為」については、上記①の「3年間」を「5年間」とすると定めています。性被害は身体やこころの健康を害するものとして、この5年の期間が問題となり得ます。
【根拠】民法(明治29年法律第89号)第724条の2:人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権については、第724条第1号中「3年間」とあるのは「5年間」とする、と定められています。
いずれの期間が適用されるか、どの時点から数えるかは、被害の内容や経過によって判断が分かれることがあります。時効が完成すると請求が難しくなりますので、ご不安な場合は早めにご相談ください。 |
| Q | 刑事裁判の中で、加害者への賠償を求められる制度があると聞きました。どのような制度ですか? |
| A |
結論として、「損害賠償命令制度」があります。これは、一定の犯罪について、刑事裁判を担当した裁判所が、引き続き損害賠償の審理を行う制度で、不同意性交等罪(刑法第177条)はその対象に含まれています。
損害賠償命令制度とは、対象となる犯罪の刑事被告事件について、被害者やその相続人などが、その事件が係属する地方裁判所に対し、刑事裁判の弁論が終わるまでに申立てをすることで、刑事裁判を担当した裁判官が、引き続き損害賠償の審理・判断を行う制度です。通常の民事訴訟を一から起こす場合に比べ、犯罪被害者の負担を軽くすることを目的として設けられた、犯罪被害者のための制度です。
— 損害賠償命令制度のおおまかな流れ —
【根拠】犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年法律第75号)第24条:故意の犯罪行為により人を死傷させた罪のほか、刑法第176条(不同意わいせつ)・第177条(不同意性交等)・第179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪などについて、被害者等が損害賠償命令の申立てをすることができる旨が定められています。
この制度を利用するか、通常の民事訴訟や示談交渉によるかは、事案の見通しや立証の状況によって判断します。どの方法が適しているかは、弁護士にご相談ください。 |
| Q | どのような証拠が必要ですか。加害者の身元がわからない場合はどうなりますか? |
| A |
結論として、被害の事実や心身への影響を示す資料が重要になります。加害者の身元が不明な場合でも、刑事手続の中で特定が進むことが多く、弁護士による調査が役立つこともあります。
損害賠償の場面で手がかりとなり得るものには、医療機関の診断書、精神科・心療内科やカウンセリングの記録、被害直後のメッセージ記録、相談窓口や警察への相談・申告の記録などがあります。記憶が薄れたり資料が散逸したりする前に、可能な範囲で残しておくことが大切です。何が証拠になるか分からない段階でも、保管しておくに越したことはありません。
無理にご自身で証拠を集めたり、加害者に直接連絡を取ったりする必要はありません。心身の負担や安全に関わることもありますので、まずは支援窓口や弁護士にご相談いただき、進め方を一緒に整理することをおすすめします。
加害者の身元が分からない場合、民事だけで相手を特定するのは容易ではありませんが、刑事の捜査によって特定が進むことが少なくありません。また、一定の場合には、弁護士が職務上の制度(弁護士会照会など)を用いて必要な情報の照会を行うこともあります。状況に応じて取り得る方法をご説明します。 |
| Q | 人に知られたくない、対面はつらいです。どのように相談を進められますか? |
| A |
結論として、ご負担に配慮した進め方が可能です。弁護士には守秘義務があり、初回のご相談は面談のほかZOOM(オンライン)でもお受けしています。
性被害については、誰にも話せないまま抱え込んでしまう方が少なくありません。ご自身を責める必要はありません。弁護士には法律上の守秘義務があり、ご相談の内容が外部に漏れることはありません。 事務所までの来訪が難しい場合や、対面に強い負担を感じる場合は、ZOOMによるオンライン相談をご利用いただけます。ご相談の前に、心身のケアを優先したいときは、前述のワンストップ支援センター(全国共通#8891)にお問い合わせいただくこともできます。 どこから手をつければよいか分からないという段階でも構いません。今のお気持ちや状況をお伺いし、取り得る選択肢を一緒に整理するところから始められます。 |
| Q | 弁護士費用(報酬)はどのくらいかかりますか? |
| A |
結論として、弁護士 吉津和輝にご依頼いただく場合の費用の目安は以下のとおりです。請求金額などにより異なるため、正確な費用はご相談時に個別にお見積りをご提示します。
※ 上記はいずれも税込の目安です。着手金は、請求金額や交渉する相手方の人数などにより異なります。
※ 手続により、別途、実費(収入印紙代・郵便切手代・交通費等)がかかる場合があります。 ※ 正確な費用は、ご事情をお伺いしたうえで、ご依頼前に個別のお見積りをご提示します。 費用面のご不安も含めて、まずはご相談ください。ご依頼いただくかどうかは、お見積りと方針をご確認いただいたうえで、ご本人にお決めいただけます。 |
性被害の損害賠償は、刑事手続との関係や時効など、判断すべき点が少なくありません。お一人で抱え込まず、まずは状況をお聞かせください。今のお気持ちと事情をお伺いしたうえで、取り得る方法をご説明します。無理に結論を急ぐ必要はありません。
犯罪被害の損害賠償・慰謝料請求に関する記事を準備しています。
守谷市・取手市・常総市・つくばみらい市・龍ケ崎市・牛久市・つくば市・土浦市・野田市・我孫子市・北柏をはじめ、茨城県南部・千葉県北西部にお住まいで、犯罪被害(性被害)の損害賠償についてお悩みの方からのご相談をお受けしています。弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)までお気軽にどうぞ。
・e-Gov法令検索(デジタル庁)/民法(明治29年法律第89号)第709条・第710条・第724条・第724条の2、刑法(明治40年法律第45号)第177条、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年法律第75号)第24条
・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(内閣府男女共同参画局)
・性暴力被害者サポートネットワーク茨城(茨城県)
・2026年6月4日:記事を公開しました。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は令和8年(2026年)6月時点の情報に基づいています。法律・実務の取扱いは今後変更される可能性があります。
公開日:2026年6月4日|最終更新日:2026年6月4日
