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被害者参加制度を弁護士に依頼するときの実務 — 守谷・取手・つくばみらいで犯罪被害に遭われた方へ

YOSHITSU LAW · COLUMN

被害者参加制度を弁護士に依頼するときの実務
— 守谷・取手・つくばみらいで犯罪被害に遭われた方へ

刑事訴訟法と犯罪被害者保護法の条文から実務まで
弁護士 吉津和輝 / 茨城県弁護士会所属
弁護士 吉津和輝(よしつ かずき)
茨城県弁護士会所属(登録番号57714)/2018年12月弁護士登録
主な取扱分野:刑事弁護・犯罪被害者支援・家族法・交通事故・労働問題
守谷・取手・つくばみらいで犯罪被害に遭われたご本人・ご遺族の方へ。一定の重い犯罪の被害者やご遺族は、被害者参加制度を使って刑事裁判に当事者として関わることができます。心情意見陳述・損害賠償命令・刑事和解とあわせて、刑事訴訟法と犯罪被害者保護法の条文をたどりながら、当職が実務上ご説明する流れをまとめました。
— 犯罪被害者・ご遺族からのご相談を承っています —
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弁護士 吉津和輝(茨城県弁護士会所属)/〒302-0128 茨城県守谷市けやき台3-28-7
Q 被害者参加制度とは何ですか。どんな事件で使えますか。
A
被害者参加制度は一定の重い犯罪の被害者・ご遺族等が、刑事裁判に当事者的な立場で関わるための制度です。対象事件は刑事訴訟法316条の33第1項で限定列挙されています。

被害者参加制度とは、一定の犯罪の被害者やそのご遺族等が、刑事裁判の手続に参加して、検察官の隣に着席し、被告人質問や意見陳述等を行うことができる制度のことです。検察官を通じて裁判所に申し出を行い、裁判所が許可した場合に「被害者参加人」となれます。

対象となる事件は次の5類型に限定されています(刑事訴訟法316条の33第1項)。窃盗・詐欺・横領といった財産犯は対象外です。

— 刑事訴訟法316条の33第1項の対象犯罪 —
①故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
殺人罪・傷害罪・傷害致死罪・強盗致死傷罪などが該当します。危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条・3条)も、法務省の整理では本号該当として被害者参加の対象に含まれます。
②刑法上の一定の罪
不同意わいせつ罪(176条)、不同意性交等罪(177条)、監護者わいせつ・監護者性交等罪(179条)、業務上過失致死傷罪(211条)、逮捕及び監禁罪(220条)、未成年者略取・誘拐罪等(224〜227条)が該当します。
③②の罪を含む罪
②の罪の犯罪行為を含む罪のうち、①以外のもの。
④自動車運転処罰法上の罪
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(自動車運転処罰法4条)、過失運転致死傷罪(同5条)、これらの無免許加重罪(同6条3項・4項)が該当します。
⑤①〜③の未遂罪
殺人未遂・不同意性交等罪の未遂等も対象に含まれます。

参加できる「被害者等」には、被害者本人のほか、被害者が亡くなった場合や心身に重大な故障がある場合の配偶者・直系の親族・兄弟姉妹、および被害者の法定代理人が含まれます。これらの方は、弁護士に手続を委託することもできます。

【根拠】刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第316条の33第1項:裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。
Q 被害者参加人になると法廷で何ができますか。
A
被害者参加人ができる訴訟行為は、刑事訴訟法316条の34から316条の38に5つ列挙されています。傍聴ではなく、検察官席の隣で当事者として裁判に関わることができます。

被害者参加人および被害者参加人から委託を受けた弁護士は、次の5つの行為を行うことができます。

— 被害者参加人ができる5つの訴訟行為 —
1
公判期日への出席(刑訴法316条の34)
検察官席の隣などに着席し、傍聴席ではなく当事者的立場で在廷します。裁判所が相当と認めれば、付添い・遮へい等の措置も受けられます(同316条の39)。
2
検察官に対する意見申述(同316条の35)
検察官の権限行使(証拠請求・尋問内容等)について意見を述べることができます。意見を受けた検察官は、行使するか否かを決めたときには、必要に応じてその理由を説明しなければなりません。
3
情状証人への尋問(同316条の36)
情状に関する事項について、被告人側の情状証人を尋問することができます。犯罪事実そのものに関する事項は対象外です。
4
被告人質問(同316条の37)
意見陳述のために必要な範囲で、被告人に対して直接質問することができます。
5
弁論としての意見陳述(同316条の38)
検察官の論告求刑の後、訴因として特定された事実の範囲内で、事実または法律の適用について意見を陳述できます。求刑意見もここで述べます。ただしこの陳述は証拠とはなりません(同条4項)。

このほか、被害者参加人の年齢や心身の状態を考慮し、不安・緊張を緩和するための付添いや、被告人・傍聴人から姿が見えないようにする遮へいの措置を申し出ることもできます(刑訴法316条の39)。性犯罪の事案では、被害者参加弁護士のみが法廷に出廷し、ご本人は法廷外で対応するという運用も実務上見られます。

関連して、被害者参加人として公判期日に出席した場合には、犯罪被害者保護法5条に基づいて旅費・日当・宿泊料が支給されます。資力にかかわらず受けられる制度ですので、遠方の裁判所まで通う必要がある事案でも経済的負担を一定程度軽減できます。

Q 心情意見陳述と弁論としての意見陳述は何が違いますか。
A
心情意見陳述(刑訴法292条の2)は被害感情そのものを述べるもので、条文上は犯罪事実の認定証拠とすることはできない(同条9項)と定められています。弁論としての意見陳述(同316条の38)は被害者参加人だけが行える論告求刑後の意見陳述で、こちらも証拠とはなりません(同条4項)。両方を併用できます。

被害者等が法廷で意見を述べる手段は、2つのトラックに分かれています。混同しやすい論点なので、整理して理解しておく必要があります。

心情意見陳述
刑訴法292条の2
対象事件:あらゆる刑事事件
主体:被害者等・法定代理人(参加していなくても可)
内容:被害感情・事件に対する意見
タイミング:申出に応じた公判期日
証拠能力:犯罪事実の認定のための証拠とすることができない(同条9項)
弁論としての意見陳述
刑訴法316条の38
対象事件:被害者参加対象事件
主体:被害者参加人または委託弁護士のみ
内容:訴因の範囲内での事実・法律適用の意見(求刑意見含む)
タイミング:検察官の論告求刑の後
証拠能力:証拠とはならない(316条の38第4項)

両者は併用できます。実務的には、(1)心情意見陳述で「今の被害感情」を直接法廷に届け、(2)弁論としての意見陳述で訴因の範囲内で事実認定や法律適用、量刑についての意見を整理して述べる、という二段構えの運用が多くなります。

心情意見陳述は書面提出に代えることもできます(刑訴法292条の2第7項)。法廷で読み上げることに心理的な負担がある場合、裁判長が要旨を告知したり、被害者参加弁護士が代読することもあります。事案やご本人の状態に合わせて、検察官および弁護士と方法を相談します。
【根拠】刑事訴訟法第292条の2第1項:裁判所は、被害者等又は当該被害者の法定代理人から、被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは、公判期日において、その意見を陳述させるものとする。

同第316条の38第1項:裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、第二百九十三条第一項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。
Q 経済的に余裕がない場合、弁護士費用はどうなりますか。
A
資力要件を満たす被害者参加人については、裁判所が選定し国が費用を負担する「国選被害者参加弁護士」の制度があります(犯罪被害者保護法11条)。資力(現金・預貯金等)から犯罪行為による療養費等の額を控除した額が、政令で定める基準額に満たないことが要件です。

被害者参加人が経済的事情で弁護士に依頼しにくい場合、犯罪被害者保護法11条以下の「被害者参加弁護士の選定の請求」制度を使うことができます。これは被告事件が係属している裁判所に対し、法テラス(日本司法支援センター)を経由して選定を請求する制度です。

— 国選被害者参加弁護士の選定までの流れ —
1
資力の確認
現金・預貯金等の合計額から、犯罪行為により生じた負傷・疾病の療養に要する費用等(請求の日から6か月以内に支出するもの)を控除した額が、政令で定める基準額を下回ることを確認します(犯罪被害者保護法11条1項)。
2
法テラスを経由した請求
資力・療養費等の内訳を申告する書面を添えて、法テラス経由で裁判所に請求します(同条2項・3項)。
3
候補の指名
法テラスが候補を指名し、裁判所が選定します(同法12条・13条)。候補指名にあたって法テラスは請求者の意見を聴かなければならないため、被害者参加人の意向が考慮される仕組みになっています(同法12条3項)。
4
選定の効力
選定された弁護士は刑訴法316条の34〜38の行為について、被害者参加人の委託を受けたものとして活動します。報酬・費用は国が負担しますが、虚偽申告等があった場合は徴収される場合があります(同法17条)。

資力基準額の具体的な数値は政令で定められており、改定されることがあります。請求を検討する際の最新の金額は、事件の係属する裁判所または弁護士にお問い合わせください。

なお、資力要件を満たさない場合でも、被害者参加人が公判期日に出席した際の旅費・日当・宿泊料は、犯罪被害者保護法5条に基づき支給されます。こちらは資力にかかわらず受けられる制度です。

国選被害者参加弁護士は、候補者を指定して選任希望を出せる点が、被告人側の国選弁護人と運用が異なります(犯罪被害者保護法12条3項)。担当を任せたい弁護士の心当たりがある場合は、請求時にその弁護士の名前を挙げて意見を述べることができます。
Q 刑事裁判の中で被告人に損害賠償を命じてもらうことはできますか。
A
対象犯罪については、刑事裁判を担当した地方裁判所に申し立てる「損害賠償命令制度」(犯罪被害者保護法24条以下)を利用できます。原則4回以内の期日で審理が終わり、確定すると確定判決と同一の効力を持ちます。

損害賠償命令制度は、対象犯罪の被害者またはその一般承継人が、刑事被告事件の係属する地方裁判所に対し、弁論終結までに申し立てることで、有罪判決後にそのまま同じ裁判所が損害賠償について審理し、決定を出す制度です(犯罪被害者保護法24条1項)。

— 損害賠償命令制度の要点 —
対象事件 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪、逮捕監禁罪、未成年者略取等の罪。被害者参加制度と異なり過失犯は対象外で、業務上過失致死傷罪・過失運転致死傷罪等は損害賠償命令制度の対象とならない
申立先 当該刑事事件が係属する地方裁判所(簡易裁判所は対象外)
申立期限 刑事事件の弁論終結まで
申立手数料 2,000円(犯罪被害者保護法48条1項)
審理回数 特別の事情がある場合を除き、原則として4回以内(同法35条3項)
異議申立期間 決定書送達または告知から2週間(同法38条1項)
確定の効力 適法な異議申立てがなければ、確定判決と同一の効力(同法38条4項)
異議があった場合 通常の民事訴訟手続に移行(同法39条)

この制度の特徴は、刑事事件の訴訟記録をそのまま民事の損害賠償手続で活用できる点にあります。被害者側は、改めて事件の事実関係を立証する負担を大きく軽減できます。

⚠️ 損害賠償命令制度はあくまで「対象事件」に限られます。窃盗・詐欺などの財産犯のほか、業務上過失致死傷罪・過失運転致死傷罪といった過失犯は対象外で、これらは通常の民事訴訟で損害賠償請求を行う必要があります。被害者参加制度の対象犯罪と完全には一致しないため、注意が必要です。また、被告人の経済的な支払能力がない場合は、決定が確定しても回収できないリスクが残ります。担当弁護士と回収可能性を含めて検討することが重要です。
【根拠】犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年法律第75号)第24条第1項:次に掲げる罪に係る刑事被告事件…の被害者又はその一般承継人は、当該被告事件の係属する裁判所(地方裁判所に限る。)に対し、その弁論の終結までに、損害賠償命令…の申立てをすることができる。

同法第37条第2項:損害賠償命令については、裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言することができる。

同法第38条第4項:適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。
Q 示談がまとまったが被告人に分割で払ってもらいたい場合に使える制度はありますか。
A
刑事和解制度(犯罪被害者保護法19条)を活用すると、公判調書に記載された合意が裁判上の和解と同一の効力を持ち、不履行時の強制執行を担保できます。分割払い示談で利用する典型場面です。

刑事和解制度は、刑事被告事件の被告人と被害者等の間で、当該被告事件に係る被害についての争いを含む民事上の合意が成立した場合に、刑事裁判の弁論終結までに共同で申し立て、その合意を公判調書に記載してもらう制度です(犯罪被害者保護法19条1項)。

公判調書に記載された合意は、裁判上の和解と同一の効力を有します(同条4項)。つまり、被告人が約束どおり払わない場合に、改めて民事訴訟を起こさなくても強制執行が可能になります。

1
合意の成立
示談の合意(金額・支払方法・連帯保証人の有無等)をまとめます。被告事件に係る被害についての争いを含む内容であることが必要です。
2
申立書の提出
弁論終結までに、合意内容と権利を特定するに足りる事実を記載した書面を、公判期日に出頭して共同で提出します(同条3項)。
3
公判調書への記載
申立てが認められると、合意内容が公判調書に記載され、裁判上の和解と同一の効力を持ちます。

合意が「被告人の被害者等に対する金銭の支払」を内容とする場合、被告人以外の第三者(親族等)がその債務について保証する旨または連帯して責任を負う旨を約したときは、その第三者も共同して公判調書への記載を申し立てることができます(同条2項)。一括払いが難しい被告人と分割払いで合意するケースで、不履行時の備えとして重要な選択肢になります。

弁護人が示談成立で被害者対応は終了と考えがちな実務の中で、被害者側がこの制度を能動的に使うことで、長期分割払いのリスク管理ができます。被告人側に資金がなく一括示談に難色を示している場合でも、執行力が担保されることを示せれば、被害者側として分割払いの示談に応じやすくなる利点があります。
Q 守谷・取手・つくばみらいで被害に遭った場合、どこの裁判所・検察庁が窓口になりますか。
A
守谷市・取手市は水戸地方裁判所龍ケ崎支部、つくばみらい市は水戸地方裁判所土浦支部の管轄ですが、合議事件は土浦支部、裁判員裁判対象事件は水戸地方裁判所本庁で審理されます。検察庁窓口はいずれも水戸地方検察庁土浦支部が中心です。

地域ごとに、対応する地方裁判所・地方検察庁は次のとおり整理できます。

地域 地方裁判所 地方検察庁
守谷市 水戸地裁龍ケ崎支部(合議事件は土浦支部、裁判員裁判は水戸本庁) 水戸地検土浦支部(取手区検察庁の所管区域)
取手市 水戸地裁龍ケ崎支部(合議事件は土浦支部、裁判員裁判は水戸本庁) 水戸地検土浦支部(取手区検察庁の所管区域)
つくばみらい市 水戸地裁土浦支部(裁判員裁判は水戸本庁) 水戸地検土浦支部(土浦区検察庁の所管区域)

被害者参加制度の対象となる罪は、いずれも重い罪のため、合議事件(裁判官3人で審理する事件)か、裁判員裁判対象事件として扱われることが多くなります。裁判員裁判の対象は、死刑または無期拘禁刑に当たる罪に係る事件と、法定合議事件のうち故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪です。具体的には、殺人罪・傷害致死罪・強盗致死傷罪・不同意性交等致死傷罪・現住建造物等放火罪・危険運転致死罪等が含まれます。これらの裁判員裁判対象事件は、地域にかかわらず水戸地方裁判所本庁で審理されます。

地域実情メモ — TX沿線・常磐線沿線で生活する方の通い負担
守谷・つくばみらいエリアからつくばエクスプレスで土浦支部・水戸本庁へ直接行く路線はなく、いずれもJR常磐線への乗り換えが必要となります。取手駅周辺の方は常磐線で土浦方面へのアクセスが比較的良好ですが、水戸本庁までは距離があります。被害者参加では公判期日ごとの出席が想定されるため、被害者参加旅費等(犯罪被害者保護法5条)の支給とあわせて、通いの負担をどう減らすか、付添い・遮へい等の措置(刑訴法316条の39)をどう組み合わせるかが実務上の検討事項になります。お住まいに近い弁護士に早めに相談し、ご家族の負担を抑えながら手続を進める動線を整えることが、長期化する刑事手続では重要となります。

被害者参加の申出は、まず事件を担当する検察官に対して行います(刑訴法316条の33第2項)。守谷・取手・つくばみらいで発生した事件は、起訴段階では水戸地検土浦支部の検察官が担当している場合が多く、まずその担当検察官の所属庁を確認するところから始まります。

Q 弁護士に依頼するタイミングはいつが良いですか。被害者参加のためだけに依頼することは可能ですか。
A
捜査段階からの相談が可能で、早期に動くほど準備の幅が広がります。被害者参加だけを目的として弁護士に委託することもできます。損害賠償命令を併用する場合は、その手続について別途委任契約が必要となります。

弁護士への相談タイミングは、起訴前の捜査段階から可能です。捜査段階のうちに以下の準備を進めておくと、起訴後の被害者参加手続にスムーズに移行できます。

・ 担当検察官・捜査機関とのやりとりの整理
・ 被害感情の経過を記録に残しておくこと
・ 加害者側からの示談打診への対応方針の検討
・ 支払能力評価・分割示談の可否検討(刑事和解制度の利用見込みの検討)
・ 損害賠償命令制度を利用するかどうかの方針決定

被害者参加だけを目的として弁護士に委託することも、もちろん可能です。被害者参加人から委託を受けた弁護士(被害者参加弁護士)は、刑事訴訟法316条の34〜316条の38に定められた行為を、委託の範囲内で代わりに行います。

ただし、損害賠償命令制度を利用する場合は、その手続自体は民事手続として扱われるため、刑事被告事件の被害者参加とは別に委任契約を結ぶ必要があります。代理人としての訴訟活動には民事の委任契約が必要となるためです。

捜査段階で弁護士に相談しておくと、加害者側との示談交渉の場面でも、被害者側の意向に沿った条件設計がしやすくなります。特に、分割払いで合意する場合の刑事和解制度の利用や、未払い時の強制執行を見据えた連帯保証人の組み込みなど、後から取り戻せない選択肢を逃さないために、早めに方針を相談しておくことをおすすめします。

被害者参加と心情意見陳述、損害賠償命令、刑事和解のどれを使うか(あるいは併用するか)の判断は、事案の内容・対象犯罪・被告人の経済状態・ご家族のご意向によって異なります。最初の段階で全体像を整理し、何を優先するかを決めておくと、その後の手続が動きやすくなります。

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更新履歴

2026年5月26日:初版公開。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別事案への法的アドバイスではありません。具体的なご相談は弁護士にお問い合わせください。なお、本記事の内容は【令和8年(2026年)5月】時点の情報に基づいています。法律・実務の取り扱いは今後変更される可能性があります。

公開日:2026年5月26日/最終更新日:2026年5月26日