吉津和輝(登録番号57714 茨城県弁護士会所属) 市川法律事務所に所属する弁護士です。
はじめに
刑事事件で起訴された場合、「認めているのだからすぐ終わるだろう」と思う方もいるかもしれません。しかし、罪を認めている事件(自白事件)でも、起訴から判決まで一定の手続きがあります。
この記事では、自白事件の刑事裁判の流れと、弁護士が何をするかについて解説します。
1. 自白事件とは
自白事件とは、被告人が起訴された事実を認めている事件のことです。
「やったことは認めているが、できるだけ軽い処分にしたい」「執行猶予になりたい」などというケースが典型的です。
2. 起訴から判決までの流れ
① 起訴
検察官が起訴状を裁判所に提出することで、刑事裁判が始まります。起訴状には、被告人が何をしたのか(公訴事実)が記載されています。
② 第1回公判期日の指定
起訴後、裁判所から第1回公判の日程が通知されます。自白事件の場合、起訴から1〜2ヶ月程度で第1回公判が開かれることが多いです。
③ 第1回公判
第1回公判では以下の手続きが行われます。
人定質問:裁判官が被告人の氏名・住所・職業等を確認します。
起訴状朗読:検察官が起訴状を読み上げます。
黙秘権の告知:裁判官から黙秘権があることが告げられます。
罪状認否:被告人・弁護人が起訴状の内容を認めるかどうかを述べます。自白事件では「間違いありません」と認めます。
冒頭陳述:検察官が証拠によって証明しようとする事実を述べます。
証拠調べ:検察官・弁護人が証拠を提出します。
被告人質問:検察官・弁護人・裁判官が被告人に質問します。
④ 論告・弁論
証拠調べが終わると、検察官が論告求刑(犯罪の成立と刑の重さについての意見)を行い、弁護人が最終弁論(被告人に有利な事情の主張)を行います。
自白事件の弁護活動では、被告人が反省していること、被害者と示談が成立していること、再犯防止のための環境が整っていることなどを丁寧に主張します。また、事案や罪の性質によって追加で様々な主張があります(示談している、病気であり治療をしているなど)。
⑤ 判決
論告・弁論の後、判決が言い渡されます。
自白事件の場合、経験上は第1回公判から判決まで1〜3回程度の期日で終わることが多く、起訴から判決まで2〜4ヶ月程度が目安です(もっとも例外はあります。)。
3. 判決の種類
有罪判決
- 実刑判決:刑務所に収監される
- 執行猶予付き判決:一定期間内に再犯しなければ刑の執行が猶予される。
- なお、起訴までされている場合、法定刑に罰金とあっても、罰金判決のみで終わることは一般的には稀です。
無罪判決
自白事件では稀ですが、証拠が不十分と判断された場合に無罪になることがあります。
4. 執行猶予を目指すための弁護活動
自白事件で最も重要な弁護活動の目標の一つが執行猶予の獲得です。
執行猶予がつくかどうかは、以下のような事情が考慮されます。
- 被害者との示談が成立しているか
- 被告人が深く反省しているか
- 前科・前歴の有無
- 再犯防止のための環境(家族のサポート・治療・就労等)が整っているか
- 被害の程度・事案の重大性など。
- これらは罪の性質などによって考慮の重さなどが変わります。
5. 控訴・上告
判決に不服がある場合、控訴(高等裁判所への申立て)・上告(最高裁判所への申立て)ができます。
控訴期限は判決の言い渡しがあった翌日から14日以内です。この期限を過ぎると判決が確定しますのので早めの対応が必要です。
まとめ
自白事件の刑事裁判は、起訴から判決まで2〜4ヶ月程度が目安です。弁護士は、執行猶予の獲得・量刑の軽減を目指して、被告人に有利な事情を丁寧に主張します。
刑事事件でお困りの方は、早めに弁護士にご相談ください。
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